あれは10月くらいの話。
「私も弟か妹が欲しいなあ」
溜息雑じりの願望を耳にした私とカイトは、ミクの願いを叶えてやろうと開発部へ。完全に駄目元だったのに何故か快諾され、しかもその場で子供用ボディを渡された。中学生くらいの男女セット。
「そろそろ動作テスト試したかったからね。むしろ好都合だよ」
その場で首だけ挿げ替えて貰いミクの元へ。ところが、
「ごめん、お姉ちゃん、お兄ちゃん。姿だけ小さくなっても、2人の事を弟妹のようには見れないよ…」
の申し訳無さそうな一言であっという間に強制終了。
「あ〜あ、折角静岡まで行ったのになあ」
「仕方ないよ。急に姉を妹として見ろって言われてもミクも困るさ」
うなぎアイスなる物を食べながらカイト。そんなのいつの間に買ってたのよ。
「それよりこの体どうしよっか?」
「どうするったって、もう必要ないから返しに行きましょ」
「ええっ! 折角借りてきたのにもう?」
「この姿じゃお酒飲めないし」
使い道も無い、酒も飲めない体になんぞ用は無い。
「でも動作テスト託されたんだよ。すぐに帰ったらテストにならないんじゃない?」
「十分動き回ってテストできたんじゃない? 特に目立った不具合も無いし」
それにしてもこの体、何に使うのかしら。
「駄目駄目。テストっていうのは色々な動作を試さないと」
「歩いたり走ったりジャンプしたり、動作の基本は帰宅途中に一通りやった気がするけど」
「ううん、テストって言うのは普段は使わないだろって事も試さないとね。例えば…」
「例え
ば? の言葉は発せられなかった。あ、口の中にうなぎの味が…
「こういう使い方とかさ」
ひゃう!
思わずそんな声をあげてしまう。いつもよりやたら敏感。
「普段のめーちゃんのおっぱいが一番だけど、たまには平たいめーちゃんも可愛いよ」
取っ掛かりが無いからあっという間に服をめくられ、いつもとは違う感じで撫でられる。
いつもの気持ちよさとは違う、妙なくすぐったさが信号となって全身に伝わる。
「僕のも触って」
右手を導かれ、硬化したカイトに触れて思わず軽い悲鳴をあげてしまう。
「うそ、何この硬さ…」
別に普段もそれなりの硬度だけど、この新ボディのカイトのはそれは凄い硬さ。ズボンを脱がしてみて更にビックリ。ありえないくらいに反り返ってる。
「なんか今日は余裕無いや。いいよね?」
私もカイトに短パンを脱がされる。あ、カイトもだけど私も生えてないんだって痛っ!!!
「うわ、今日のめーちゃん締まる!」
締まる、じゃないわよ! もうちょっとゆっくり動いて!
「え? でも普段はもっと激しくって…」
「この体だと痛いのよ!」
自分でも濡れが甘いの分かる。触られるのは敏感なのにバランスが悪い。まるで処女のような、というか処女そのものだわこれ。
「じゃあローション使う」
なんで持ってるのよ、そんなの。
「あ、スムーズに動く。あ、あ、いい」
私はそれでも痛い。さっきよりはマシだけど。
「あ、駄目、イク」
痛熱っ!
まるで傷口にしみるような痛さに襲われて悶絶。まるで火傷のような痛さと熱さ。
てか幾らなんでも早すぎ。普段も長持ちって訳じゃないけど。
「ゴメン。まるで初めてのように気持ちよくて」
「すぐ入れたがってすぐ終わって、まるで童貞ね今日のカイト」
「うん、そうみたい。だって」
げっ! もう勃ってる…
「2回目、いいよね?」
駄目駄目駄目! この体じゃ楽しめない。口で勘弁してお願い。
「ええ〜?」
ええ〜と言われても、そもそも口だって大変なのよ。いつもより小さいから咥える事自体は楽だけど、口の中で反り返るパワーが凄すぎ。おまけに喉の奥に思いっきり直撃してマジむせ。何でこんなに勢いづくのよ…
「めーちゃんにもしたげるね」
あ、膣止めて。まだ痛いから。
「じゃあクリちゃん」
ひぅっ!
ありえないこそばゆさ。そして僅かに混じる得も知れぬ快感。
「駄目っ、強く吸っちゃ。もっと優しはうっ!」
ここで私の記憶は途切れた。あまりの強烈な信号受信で気絶したらしい。
「もうちょっとこの体楽しみたいのに〜」
駅への道のり。私に引き摺られながらもみかんアイスを手放さないカイト。
「私はもうイヤ」
処女の体は懲り懲り。
「じゃあせめて僕だけでも当面このままで」
「テストはもう終わり!」
私だけ元に戻っても若さ溢れすぎて収まる気配の無いカイトなんて相手できない。そのくせ大きさや持続力はアレだし。
「それにしても」
「何よ」
「この体、何の為に作られたんだろうね?」
「さあ?」
その答えを知ったのは2ヶ月後の事。
おわり