「今月も財布がピンチだ」
年末から家族の一員となった少年少女に、俺は現状を伝える。
「え〜? またですか〜?」
「本当薄給ですねえマスター」
やかましい。
「という訳で、お前らも色々と節約しろ」
「はーい」
「でも今だって結構節約してるぜ?」
もっとだ。
「具体的には?」
「そうだな、やはりロードr」
「「それは無理」」
即答かい。
「あれが無かったら私達の存在価値が無くなっちゃう」
「それに工事現場手伝ったりしてお小遣い稼いでるんだぜ?」
うん、そうだね。地味に俺の月収より稼いでた事もあったね。泣いたよあの時は。
「他の部分で節約させて」
「そうだなあ、じゃあ次はおやつの果物」
「「それも無理」」
こっちは我慢できるだろ!
「ギャラくらいよこせコノヤロウ。ちゃんといい歌うたうお手伝いしてるぜ?」
「このままおやつ出さないと、データベースに登録【してやんよ】」
分かった分かった。そこまでおやつ大事か。
「他に無いの?」
「後は俺も使うのが多いからなあ。せいぜいティッシュの消費量が多いくらいか」
「あ、それならできるかも。リンに協力して貰うけど」
「うん、いいよ。お金無いから仕方ないもん」
そうか? じゃあ頼んだぞ。
一ヵ月後
「…確かにティッシュの消費量減ったな。見違えるほどに」
「うん、リンに協力して貰ったから」
「今じゃ逆にクセになっちゃったかも」
なんかリンさんの肌がテカテカしてるのは気のせいかな?
「何故かトイレットペーパーの消費量も減ったな」
「うん、レンがお礼にきれいにしてくれるから」
「リンのだったら全然汚くないから気にすんな」
女の子は小さい方でも拭く? 何のことかな?
「そういえば水道代も減ったな」
「うん、洗濯代節約の為に服着なくなったもんね」
「どうせ俺らは外に出ないから関係ないし」
そうだね、少しは恥じらい持ったらどうかな。思春期なんだし。
「あ、おしっこしたくなっちゃった」
「あ、じゃあついてくよ」
「うん、お願いね?」
「うん、分かってる。その後、俺もいい?」
「うん、分かってる。遠慮しないでね」
遠慮しろよ。目の前の俺に対して。