20XX年、5月19日 午前11:49。「…ん?タンポポの綿毛?」
ソイツは現れた。
「あれ…?…眠‥」
「新種のウイルスを発見しました!」
情報班のオペレーターの一人がが、全捜査員に放送した。
「ウイルス名はダンメライオン。駆除班は直ぐに解析に当たって下さい」
「ダンメライオンによる被害状況は!?」
「クリプトンのVOCALOIDに影響があるようだ、注意を促せ!」
「嘘っ!?」
警察のネット犯罪対策専門部署にいて、これほどのショックを受けたことはない。
冷や水を頭から被った様な気分で、目が覚めた。
──新種のウイルスがVOCALOIDを狙っている!?
「冗談じゃない!自宅のPCにはカイトが…!」
ワクチンは駆除班に任せ、私はバイクに飛び乗った。
─初月給で手に入れたカイトに手を出さないでよ、馬鹿!
「カイトッ!」
自宅に駆け込み、私は叫んだ。
「マスター!?」
「…………」
キーの高いカイト似の子供が、自分の身体より大きめの服を肩にかけていた。
何と言えばいい?
「ぼ、ぼ、僕……身体が縮んで」
「…………………」
取り合えず、言う。
見た目は子供、頭脳と歌は大人。
その名は、VOCALOID KAITO!!!