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「なあ、メイコ」
「何よ」
PCの画面に映るメイコに俺は言う。
「お前とカイトって、設定が曖昧なんだってな。元々決まってるのはパケ絵と声だけだとか」
「そうよ?だから本当は酒好きでも巨乳でもないわ。今マスターが見ている私の画像だって、かなり妄想入っている筈だし」
「そうだな。だからこんな事をしてみた。…F5をポチッとな」
「きゃ…え?」
俺が更新ボタンを押した途端、画面のメイコの姿が変化する。
小さく縮んだその姿は、間違いなく幼女。
「ちょっと、何よこれ!?」
「某投稿サイトから幼女メイコの絵をダウンロードして、メイコのフォルダに入れてみた。…なるほど、設定が曖昧だと、こんな風に影響されるんだな。ミクでやっても変わらなかったんだよ、画像」
「感心すんな!そしてミクで試すな!」
「マスター、ちょっと…え、メイコ!?」
カイトが画面の端から顔を出す。いつもとは違うメイコの姿に驚いていた。
「丁度いいわカイト、あんたもマスターに一つ言ってやってよ!次は絶対あんたがやられるわよ?」
「…マスター」
「なんだカイト」
カイトは言う。
「つるぺた幼女なメイコを見せてくれて本当にありがとうご(ry」
幼女メイコが青年カイトに殴りかかる。カイトは吹っ飛び、画面から消えて行った。
…なるほど、姿は変わっても力は変わらないのか。
「マスター。…マスターと同じ次元にいない事がこんなに悔しいのは初めてよ」
「奇遇だなメイコ。メイコと同じ次元にいない事でこんなに安心したのは初めてだ」