最近僕は餃子作りにハマってる。普段夕飯はめーちゃんやミクが作る事が多いんだけど、餃子だけは僕が作ってる。
だってめーちゃんが作ると洗剤混入しそうだし、ミクだと「同じユリ科だもん」ってニンニクの代わりにネギ入れそうだからね。
「兄ちゃん、こんなもんでいい?」
「うん、いいよ。ありがと」
今日はレンにも手伝って貰って男の手料理だ。
「それにしても兄ちゃん」
「なに?」
「ニラもニンニクも入れすぎじゃね?」
そうかなあ?
「食後にブレスケア分けてな」
「いいよ」
ブレスケアは正露丸と並ぶ僕の必須アイテムだ。効き目バツグンだけど臭うからね、正露丸は。
「ところで兄ちゃん」
「なに?」
「明日は姉ちゃんと揃ってオフなん?」
「何で分かったの?」
僕らのスケジュールなんて伝えてないのに。
「目の前のこれ見りゃ分かるよ」
これって、餃子?
「合法ドーピングだろ? これ。さっきのニンニクの量見ても」
「………」
す、鋭い。
「こういうのに頼らないと駄目になってきた?」
「そ、そんな事は無いぞ」
ただ、ちょっとオールナイトにチャレンジしてみたかっただけで…
「昼飯までには起きてな」
「あ、うん」
14歳に察されるなんて情けない。
「あ、レン。もうそんなもんでいいよ、量は」
話しながら作ってたせいか、ちょっと作りすぎちゃった。
「いや、俺も食うし。育ち盛りだから」
「vocaloidが成長するの?」
「う、うるさいな! いいだろ別に! たまには腹いっぱい餃子食いたいんだよ、俺もリンも!」
まあ、材料余ってるからいいけどね。
って?
「あれ? リンって普段そんなに食べないよね?」
ギクッ
そんな表情をするレン。
「レン達って明日は?」
「…オフ」
ふーん。
「ブレスケアは2人分用意しとくよ」
「…どうも」
兄ちゃんに察されるなんて情けない。そう小さく呟いたのを僕は聞き逃さなかった。
「めーちゃん、いくよ」
「うん、きて」
「あ、入ってくよ。めーちゃんの中に入ってく」
「んんっ! カイトのが、入ってきてるぅ」
「めーちゃんの中、凄くあったかくて気持ちいいよ」
「私も、カイトの大きくて硬くて気持ちいいよぉ」
「よしっ、シュミレーションは完璧だ! これで今夜めーちゃんを…」
「声真似使ってまで練習すんなよ兄ちゃん。しかもシミュレーションだし」
「ある意味趣味レーションなんじゃない?」