「つまりだ、エアーマンが倒せないというよりもエアーマンの特殊武器を使って戦いたいわけだ」
「へぇ、そうですか」
やっほー、私ミクでーす。ペチャクチャなんか蘊蓄たれているのはマイマスター。
マスターはロックマンがマジ大好きです。
ロックマン、ロックマンX、DASH、ゼロ、エグゼ、カート、もう語らせといたら永遠に語り続けます。
「その点、有賀ロックマンは…おいミク、聞いているのか?岩崎Xはボンボンにおいて残酷描写をだなぁ」
「あ〜はいはい聞いてますよ」
いつまでもこんな調子で困ってしまいます。
「石ノ森の009とエックスの関係は、ロックマンとブルース、ロックマンエックスとゼロにオマージュされているのだが、
ブルースのみならずゼロもワイリー謹製であることは忘れてはならない。かていようろぼっとをせんとうようにかいぞうした。こころがいたむ」
「わかりましたってば」
「よろしい、ならば歌ってもらおう。ロックマンのBGM及びSEを全て」
「え゙?」
―――――――
というわけでロックマンを歌う(?)ことになったわけですが、ものっすごいタイミングがシビアなのでロックマンさんと練習することになりました。
「始めましてロックマンさん。私は、はちゅ…初音ミクです。ミクって呼んでくだしゃ、さい。歌を歌うのが仕事です」
しょっぱなからカミっ噛みになってしまいました。
「始めまして、ボクはロックマン。ロックって呼んで。正義の味方だったり盗掘屋だったりイレギュラーハンターだったりするんだ」
気さくな人っぽくて一安心しました。
と、安心したのも束の間、赤い犬が現れて私は押し倒されてしまいました。
「きゃ〜!」
「こら!ミクちゃん怖がってるだろ!やめろ2号!ラッシュ!」
ぎゅいーんぎゅいーん
「キャイーン!クーン…」
ロックはなんだか円月輪ぽい回転鋸を犬に投げ付けて追い払ってくれました。
「あ、ありがとうございます」
「いや、気にしないで」
無邪気に笑うロックがやけに頼れる気がして、ちょっとだけ私の心音が高鳴りました。