「わあっ♪ ここが新しい部屋ね」
マスターがPCを新調し、私達も引越し。前の家だと5人一緒に住む事ができなかったので、新曲で出番の無い人は一時的にアンインストールしたりして部屋を空けたりしてた自転車操業。でもその日々ももう終わり。
「今度のお家は自分専用の部屋まであるなんて感激〜」
以前は一つの部屋を私達5人が交互に使ってたけど、新居はなんとそれぞれの部屋が用意されてる。しかも旧世代組や双子と違って私は完全に一人部屋。
「う〜ん、このVIP待遇。他のボカロとは違うって感じよねえ」
一番多くの曲を歌ってるという自負が私を自惚れさせていた。実際私はマスターの元に来てから一度もアンインストールされていなかったのだから。だから知らなかった。一時的に退居してた皆がああなってたなんて…
「おやすみ〜」
今日のレコーディングも終え、私は布団を敷いて眠りに着く。明日も収録だ。大変だけど売れっ子の証。マスターは私に一番曲をプロデュースしてくれる。しかも殆どがメインボーカル。愛されてるなあ、なんてね。
「…zzZ」
自動的にスリープモードに切り替わろうとしたその時。
「…ぁん」
「??」
なに? 今の声?
隣の部屋から? 確かこっちはお兄ちゃんとお姉ちゃんの部屋…
「…めっ、隣にはミクがいるの」
「そう言ったって、一ヶ月ぶりに会えたんだし我慢できないよ」
「でも、このままじゃ隣に筒抜ひゃうっ!」
「大丈夫。こんな時間だし、もうぐっすり寝てるよ。それに…」
「あんっ!」
「めーちゃんも既にこんなじゃないか。新品の布団汚さないように早く栓しないと」
「もぅ…じゃあ、上の口にも栓して声が漏れないようにして」
「めーちゃんのあの声好きなんだけど、まあ仕方ないか」
…なにごと?
ってどう考えてもナニ事よねえ。
いやぁん、あの2人おっとな〜♪
そういえばお兄ちゃん達って双子と入れ替わりで去ってたのよね、だいたい一ヶ月前に。
ってことは、私達3人でいた頃からそういう仲だったの!?
全っ然気付かなかった。私のソロ収録中にでもしてたのかしら。
あ、そういえばお姉ちゃん、イメージ検索でファブリーズのキャッシュ探してた事あったっけ。ママローヤルαの流れだと思って気にしてなかったけど、あれって臭い消しの為?
「ま、妹としては素直に祝福するとしますか」
明日目が覚めたら開口一番は「ゆうべはおたのしみでしたね」で決まりね♪
それはそうと、さすがにうっふんあっはんな子守唄で眠りにつくのは勘弁なので、布団をズズズと反対側にズラす。こっち側の壁の向こうはお子ちゃまな双子。間違っても向こうのエロ夫婦のような声が聞こえてh
「やあっ、あん、レン、はげしぃい」
…んなアホな。
「だって、今日から、ミク姉の目、気にしなくていいし」
「だからって、こんなにされたら隣に聞こえひゃうううう」
丸聞こえですよリンさん。
ってちょっと待って! あんたら14でしょ!? 双子でしょ!?
いや、そりゃ双子は公式設定じゃないけど、だからってそんな…
「これからは箱詰めだった頃みたく、毎晩2人きりの時間作れるぜ」
「もうっ、思い出させないでよぉ、益々興奮してきちゃうじゃない」
箱詰め? デビュー前の話? その頃から不純異性交遊の常習犯だったとは。
絶望した! 日本の若者の性の乱れに絶望した!
それにしても、右もエロス左もエロスなんて参ったなあ。同じエロなら頭にピをつけて欲しいわ。そしたら、らん・らん・るー☆って感じなのに。
「………」
…ダメ。
馬鹿な事考えて気を紛らわせようとしても、2人の喘ぎ声に感化されちゃった。
「…ん」
もう濡れてきてる。体はスイッチ入っちゃってる。
「わたし、清純派アイドルだった筈なのになあ」
兄姉弟妹がエロエロだと抗いきれないのかな。そんな事を考えながら左手で突起を、右手で溝をそぅっと撫ではじめるのだった。