「ふーん、レンがねえ」  
「そう!毎日毎日」  
NHK見ながら晩酌してるとリンが相談事とのこと。珍しいなと思ったら、思春期独特の微妙な問題だったらしく…  
「レンも若いからね。多少がっついてるのは仕方ないんじゃないかしら」  
「だからってあれじゃ本当に私の事好きなのか、単にエッチしたいだけなのか分かんないよ!」  
ようするにリンは、レンが体だけ求めてくる事に不安と怒りが湧いてるらしい。  
「両方なんじゃない?リンの事本当に好きそうだなって傍から見てても分かるわよ」  
「でも…」  
「ようするに、セフレ扱いされてんじゃないかって不安なんでしょ?」  
「うん」  
気持ちはよく分かる。  
「あの年頃って愛してるとかあんま言ってくれないし」  
「うん…」  
「キスもそんなにしてくれないでしょ」  
「うん」  
女の子にとって結構重要な事なんだけど、男の子って照れちゃってそういうの躊躇うのよねえ。  
「お姉ちゃんはいいなあ。お兄ちゃんが毎日愛してるって言ってくれて」  
「アイツの場合言いすぎなのよ」  
デフレも問題だけど、こっちみたくインフレなのもそれはそれで困ったもの。有難味なんてあったもんじゃない。  
「ま、レンにはそれとなく言っとくわ。可愛い彼女は大事にしなさいって」  
「ありがと、お姉ちゃん」  
それにしても青春ねえ。甘酸っぱくて羨ましいな。  
「ちなみにリンはエッチ自体は嫌なの?」  
「別に嫌じゃないけど…」  
「じゃあその内リンもエッチの良さ知るわよ。そしたら悩まなくなるんじゃないかしら」  
「本当?」  
「私も最初はせがまれても乗り気じゃなかったもん」  
今思えば勿体無かったなあ、なぁんて。  
ピピピピッ、ピピピピッ  
「あ、お風呂沸いた」  
「じゃあお姉ちゃん入ってきていいよ」  
「今日は譲るわ」  
「いいの?」  
「うん。レンと一緒に入ってきなさい」  
「ええっ!?」  
「リンからも積極的にならないと、いつまで経ってもイチャコラできないわよ」  
「う、うん…」  
「お風呂はその第一歩よ、頑張って」  
「うん、ありがと、お姉ちゃん」  
若いっていいわねえ。  
「ただいま〜」  
あ、アイツ帰ってきた。  
「おかえり。お風呂は今双子使ってるわよ」  
「ほんと?じゃあ後ででいいや」  
「たまには一緒に入る?」  
「え”っ?」  
「なによ、嫌なの?」  
「いや、その、最近装填数に不安あるから、一緒に入ったらメイン戦場で弾切れに…」  
ほんと、リンレンの若さが羨ましいわ。全く。  
 

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