ミクです、こんばんわ。え、どこぞの初音ミクですかって?  
…うーん。いっちゃっていいのかな。  
これが最大の悩みなんです。ボーカロイドとして…というか私的に。私はデットボールPマスターのところのミクです。皆さんも色んな意味でご存知ですよね。  
…えぇはい、今日も歌いました、マスターの曲。「歌わされ」ました。  
私純情派アイドル(って設定)なはずなんですけど、  
最近は(最近も)卑猥な歌詞しかもらってないような気がします。  
メルトとか、恋スルryとか、可愛い歌を下さいって決死の覚悟でお願いしたら、可愛い感じの卑猥な歌(ちまたではR15って言うんだってマスターが教えてくれました)をくれましたけど。  
 
 
 
【ミクの秘密】  
 
「ミク、曲できたんだけど歌ってよ」  
…嫌な予感がする。マスターのこの笑みの意図は…。  
「はい、これ歌詞ね」  
渡されたものに目を通した途端、顔が真っ赤になりそうだった。  
 
やっぱり。なんという卑猥な歌詞。  
「マスター…!」  
上目づかいで睨んでも逆効果で、マスターはマイクやパソコン、色々な機材をセッティングし始めていた。  
ニヤニヤしながら。  
 
ここまできたらもうしょうがない。  
いつもの手を使おう。  
 
「マスター、ちょっと準備があるので待ってて下さい」  
自然さを装って言うとマスターは何の疑いもなく「早めになー」とだけ返した。  
要は、「初音ミク」が歌いさえすればいいのだ。  
 
◇ ◇ ◇  
 
『じゃーんけーんぽい』『あーいこーでしょ』  
輪になった6人のうち、5人がグー、1人だけがチョキ。  
「決まり!じゃあ今日は〇〇Pのとこのミク、お願いね♪」  
「えーうっそ、また私ぃ?△×Pのとこのミク、代わってぇ」  
「私は三回連続でやったばっかりだもん、それに私のときよりマシな歌詞だから平気だって」  
 
そう、ここにいるのは全員「初音ミク」だ。  
住む家は違えど、姿は同じボーカロイド。  
 
「報酬は前払にしとくね。はい800円」  
〇〇Pのとこのミクの手に100円玉を8枚のせた。  
「いやなバイトだよね」「困ったときはお互い様って言ってたでしょ♪それにネルちゃんの荒らしのバイトより儲かるよ」  
こうして今回は〇〇Pのところのミクが、マスターのちょっとアレな曲を歌うことに決定した。  
 
◇ ◇ ◇  
「お待たせ、マスター」「あれ、なんでいきなりタメ口?キャラ変した?」  
「え…(やば、ここのミクってマスターに敬語使ってるんだった)あ、なーんちゃって、お待たせしましたマスター♪」  
 
 

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