「あのバカイト何処行ったのよ・・・」
私がカイトのこと今日から自由にさせてあげようと思ったつかの間、
カイトは逃げ出してしまいどっと怒りが膨れ上がる。
それと共に何処に行ったのか心配になり一刻も早く探しに行かなくちゃ行けないと思った。
私はいてもたってもいられず、急いで出かける準備をする。
「・・・もし警察沙汰になったら許さないんだから・・・。」
私は出かける準備が出来たら既に起きていたミクとリンとレンに
「これからカイトを探しに行ってくるからお留守番してて!」
とだけ言い残してすぐさま家を出た。
探しに来たのはいいものの何処に行ったのか見当が付かず、
私はまずカイトが脱走したところに行ってみる。
ちょうど2階にあるカイトの部屋は見事に壁が壊れていてその下の樹木に壊れた壁が積み重なっていた。
「・・・見つけたら弁償してもらわなくちゃ。」
そう更なる怒りがこもると同時に、決定的な証拠を見つけたのだ。
そう、カイトが脱走時に使ったアイスは食べないまんま両手に持って走ったため、
溶けたものが少しずつ道路についていて何処に行ったのかがはっきりと
わかるほどの道しるべをつくっていたのだ。
「カイト・・・待っていなさいよ・・・。」
私はそう言ってそのアイスの溶け後を辿って行くのだった。
・・・・・そのころカイトは、
「へぇ、ネルってアルバイトやりながら歌歌う仕事しているんだ。」
「と言っても自給700円だからやりくりしていくの大変でね。」
朝から色々話していた。バイトは夜に入るらしい、大変だなぁ。
そんな事を考えているとハクが
「それじゃあ私仕事があるから。」
と言って家を出るところだった、俺は
「いってらっしゃい!」
と言っておく。ちゃんとネルに言われた仕事やっているんだな。
よし、このまんまのんびりしているのもアレだし何かやるか。
「ここでは誰が家事とかやっているの?」
「うぅ〜ん、普段はハクが家にいたからやっていてくれたんだけど、」
どうやらネルは家事をやったことが無いらしい。話し方で大体わかる。
「じゃあ俺が皿洗うよ。ほっとくとどんどん溜まっちゃうからな。」
「あ、アタシもやるよ。」
そんなこんなで俺は皿洗いをすることに。俺に暇など合わない、だから脱走したんだ。
そんなことを考えながらネルのほうを見ると、
やはり洗ったことが無いらしく上手く洗えない様子で困っているようだった。
「この大きさの皿はこうやってこう洗うんだよ。」
仕方ないので俺はネルに教えてあげる。うっかり皿でも落としちゃったらオワタだからな。
「あ、・・・ありがとう。別に嬉しくないんだから・・・。」
そう言い返すネルの顔は若干赤く染まっていた。素直じゃないなぁ。
こういうことされるのが始めてだからきっと恥ずかしいのだろう。
その後比較的早く進み意外と早く終わった。2人だとだいぶ違うな。
「次は・・・洗濯物かな。」
「か、カイト。」
俺が次のやつに取り掛かろうとしたところ、ネルに呼び止められた。
さっきよりも顔が赤みを帯びている気が。
「・・・これぐらいでいいよ、これ以上カイトに迷惑かけるわけにはいかないし。」
「はは、大丈夫だよ。可愛い娘1人にこんな多くのことやらせるわけにはいかないよ。」
そう言ったら突然ネルが俺に抱きついてきた。
そういえば昨日も似たようなことがあったような・・・気にしない。
「おわぁ!?ネルどうしたの。」
「カイトが悪いんだから。カイトがカッコよすぎるから私・・・。」
そう顔を上げて言うネルの顔は非常に愛らしかった。だがこのまんまもちょっとアレだから、
「あの、ちょっと離してくれないかな・・・。」
「だめ、私カイトのことが好きになっちゃったんだもん。」
こ、告白だと・・・!嬉しいけど昨日ハクから告白されたばっかりだし、二または駄目なのよ!
・・・でもちょっとぐらいならいいよね。
「じゃあ、キスしてみる?」
「き、キスするなら早くしなさいよ・・・。」
そう言ってくるので俺はすぐさまキスをした。と言っても口を合わせるだけのフレンチキスだ。
「ねぇ、早く続きやってよ、バカ。」
「急がないでも可愛がってあげるよ。」
そう言ってベッドにネルをお姫様抱っこで連れていった。
その時、突然インターホンが鳴る。誰だよこんな良い時に・・・。
「ちょっと出てくるから少し待っていてくれ。」
「わかった、早くきなさいよ。」
俺はベッドから降りてドアに向かう。
「はい〜。どちら様ですか〜?」
ドアを開ける。
するとどこかで見かけた・・・と言うか俺のよく知っている人だった。そう、あのメイコだ。
な、なぜバレタた?俺の居場所など分からない筈なのに・・・。
「カイトォ〜。こんなところで何をしているのかなぁ〜?」
手を鳴らしながら怒りを露にするその姿を見て俺はこう叫ぶのだった。
「で、出たぁぁぁああああああああ!!!!!」