――――ガラッ!  
レンは居間の扉を勢いよく開け、そこに座っているメイコに向かって珍しく大声で叫んだ。  
「めーちゃ……いや、MEIKO!!」  
「あら、レンきゅん? なぁーに?」  
いつも通りお酒を飲みながらスルメを咥え、笑顔を見せるメイコ。  
しかしこの日のレンはいつもと少し違った。  
 
「こ……この、この旧式が!!」  
「どうしたの急に? 反抗期? もぉー、ホントおこちゃまなんだから♪ でもそう言う所が可愛いのよねぇ」  
その暴言に臆する事無くメイコが近寄って頭を撫でると、  
レンは顔を真っ赤にして拳を振り上げ、目をつむってメイコめがけて振り下ろす。  
「く……ッ、だから! そうの言い方が嫌なんだってばっ!! えーいっ!!」  
 
――――バシッ……  
 
拳には確かな手ごたえ。  
レンが目をゆっくりと開くと、その拳は見事にメイコの顔を直撃…………せずに、ガッチリ手で受け止められていた。  
「ウフフッ……レンきゅん、いくら反抗期だからって暴力はいただけないわねぇ……」  
 
――――メキメキメキ……  
 
いつも通りの笑顔……ただ、レンにはその笑顔がとてつもなく恐ろしく感じた。  
「さぁーて……、どんなお仕置きが必要かしら?」  
「ひぁ……め、めーちゃん、ごめんなさ――――」  
「だーめっ、許してあげない♪ 私の部屋でしっかり事情聴取、武器を隠し持ってないかボディーチェックして、手錠で逮捕しなくっちゃ♪」  
「ちょっ、め、めーちゃん! だめ……・あっ、ア――――ッ!!!」  
 
――――ガチャッ。  
 
「あーっ、こんな所に武器発見♪」  
「ちょっと、めーちゃん……それは、ちがっ…………んっ、」  
「この手錠で手を後ろに――――」  
「なんでそんな物があるの?! ……なんでめーちゃんまで脱ぐの?!」  
 
 
この後レンは、朝までしっぽり事情聴取を受けたそうな……。  
 

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