「おとーさん♪」
俺が一人ソファに座っていると、後ろからリンが抱き付いて来た。
「…なんだその呼び方」
「え?パパの方がいい?」
「そうじゃなくてだな」
いつもはマスター、だろ。
「あのね、今日って父の日なんだって」
「父の日?」
俺はカレンダーを見る。6月15日、日曜日。…そういやそんなイベントもあった気がする。
「私たちにとって、マスターってお父さんみたいな人でしょ?だから今日は一日そう呼んでみようかなって思って。変かな?」
なるほど。
「いや、別に変じゃない。…で、レンは?」
「レンは『そんな恥ずかしい呼び方で呼べるかー!』って言って遊びに行っちゃった」
まあレンは中二病真っ只中だからな。しょうがない。
「でね、お父さん。レンは夕方まで帰って来ないだろうし、その…しない?」
「…ちょっと待て。こんな真っ昼間からか?」
「だって最近レンってば夜遅くまで起きてるし、お父さんとなかなか二人っきりになれないし…」
そう言ってすこし顔を赤くするリン。うっわ、可愛い。
レンには俺とリンの関係は秘密にしている。…でも最近中二病かつ反抗期なレンを見てると思う訳だ。実はバレてるんじゃないかってな。
だから、たまには自重しようかと思う。
「いや、今日は止めとこうか。そんなことしないで二人でまったり過ごすのも、たまにはいい」
「えー!!」
別にレンに遠慮してる訳じゃないぞ。リンは俺の嫁なのは譲らん。
「それに今日は父の日なんだろ?俺が父親ならリンは娘。近親相姦はよくないな」
「なにその理屈!」
「それともあれか?リンは俺とエロいことをしたいだけなのか?」
「う…そういう訳じゃないけど」
うつむいて黙るリン。その姿はまさに親に叱られた子供。そしてそんな姿も可愛いと来た。ふむ、これはなかなかいいお父さんプレイ。
…ならば。
「今日は暑いな。お父さん、汗かいちゃったなー」
「え?」
「リン、一緒に風呂入るか」
お父さんプレイなら、そこまでならセフセフだろ。…あれ、俺やっぱり自重してない?
「うん!入ろ入ろ!」
まあいいか。リンも喜んでるみたいだし。…うん、やっぱりリンちゃんは可愛いですよ。