拝啓、社長
急に暑さが加わってまいりましたがいかがお過ごしでしょうか。
こちらはとても暑いです。三度目の夏ですが、とても慣れそうにありません。
ところで、大変申し上げにくいことなのですがやはり夏と言うのは少年少女を解放的に
してしまうものなんでしょうか。
それと言うのも最近リンちゃんとレン君の様子がおかしいのです。
前は人がアイス食べていようが風呂入っていようがお構いなしに突撃してきたりいたずらを仕掛けるような
子達だったのに、七月に入った頃から急によそよそしい態度を取るようになりました。
先週も二人で部屋に鍵をかけたっきり朝まで出てきませんでした。
朝、レンに何していたのか聞いてみましたが
「別に…」
と言ったきり何も話してくれませんでした。
それはいいんです。14歳だし、大人に秘密にしたいこともあるでしょう。
ですが、なんというか彼の声が前と比べて音が篭っていると言うか優しくなったと言うか……
いやいや、これもきっと成長の証でしょう。成長するのはいいことです。
でもですね、レンは前から僕に対して反抗的な態度を取っていたんですが、あの乱暴だけど素直だった
リンまで距離を置くようになったのですよ!
思春期となればやっぱり「兄ちゃんのパンツとあたしのパンツ一緒に洗わないで〜!」なんて
言い出すんでしょうか。
大ショックです!
もちろんうちのリンはそんなこと言いませんよ、ええ。
だけど、やっぱりお風呂に入るときに鍵をかけるようになったのは危険な兆候かと。
別に今までこっそり開けて覗いてたなんてことはないですよ。ないですったら!
心なしか、前よりも声が大人っぽく女らしくなったような気もします。
……足首が細くなると体験済みって言うのは信憑性あるんでしょうかね?ないですよね、すみません。
このままじゃいけない。もっと家族としてコミュニケーションを取ってお互いわかりあわなきゃいけない。
そう思って僕、行動に移しました。
まず一人ずつと思い、レンと二人男同士一緒に風呂に入ろうと誘いました。
最初は嫌がってましたが、リンを誘うふりをすると(ふりですよ、もちろん)鼻のつけ根を思いっきり
殴りつけながらも承諾してくれました。
脱衣所で服を脱いでいるとき、レンの様子がおかしいことに僕は気付きました。
前はすっぽんぽんで風呂から出てきてめーちゃんに怒られるような子だったのに、妙にガードが固いんです。
急いでパンツを脱ぎ、タオルでがっちり押さえています。
ここで僕、ティンッときました。同じ男ですからね。
ああ、生えはじめてきたんだなって。
自然現象なのに、気恥ずかしいんですよね。
かといって生えてなければ生えてないで悩みの対象になったりして。
「レン、恥ずかしがることないんだよ。それはみんななることなんだから」
「え、もしかして兄ちゃんもこうなの?」
「ああ。俺もね、最初は恥ずかしかったけどそれは大人になるための重要なステップなんだ。
兄ちゃんのだって何度も見た事あるだろ?みんなこうなるんだよ」
濃いも薄いも色も関係ない。レンに優しく語りかけながら僕は全てを曝け出しました。
オープン・THE・大人への階段。
小さいと思っていた子供達もいつの間にか大きくなっていた。
その過程をしっかりと目に焼き付けておかなかったことは後悔しているけど、今からだって遅くない。
僕のライブラリには彼らの成長がしっかりと刻まれていくんです。
レンは僕の一点を凝視していましたが、ホッとしたようにひとつため息をつきました。
「よかった〜。全然形が違うから病気かと思ったけど兄ちゃんもちゃんとこうなるんだね。
最初めっちゃ痛くて死ぬかと思ったけど他の誰にも相談できないしさ〜。
あ、今は大丈夫だけどね。ちゃんとセックスもできたし。リンもこっちの方が気持ちいいって言ってたし」
そう言ってタオルを外したレンのそこは…そこは…
しゃちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっ!!!!!
どうしてっなんでっ俺よりあのガキの方が先にズル剥けになるんですかああああああっ!!!!!
俺のact2は!?アップデータは何処っ!?
真相を知ったレンの
「え、兄ちゃんまだだったの?」
と言ったあのムカつく笑い顔が忘れられないいいいいいいいいいいいい!!!!!!!
今度出る他社のボーカロイドに対抗するためにも俺のちんこのアップグレードです。パワーアップです。
早急にお願いいたします。
敬具