ああなんだか気怠い。
読みかけの本を床に置いて、長いツインテを解いた。
すこし寝ちゃおっかな…そう思いソファに身を委ねる。
…話し声が聞こえる。この声は、リンちゃんとレン君かな…?
居間、いや台所かな。カチャカチャと物音を立てながらお喋りしてる。
起きなきゃ…二人の話し声を微かに聞きとりながら、意識を覚醒させていく。
「本当に?今日はもう、こないだみたいにやめてあげないよ?」
「ん…お願い。もし嫌がったら無理矢理縛ってでも入れて!」
「よし。そこまで言うなら」
−−−な、な、なにをしようとしてるのかな?
一気に目が醒めた。二人の姿を覗きたいけど硬直して動けない。
耳を澄まして二人の声をよーく聞き取ってみる。
「んぅっ…ぐ……」
「大丈夫そう?」
「…う、ん。やめないで、もっと…んぅっ」
わぁぁぁこんな場所で何してんの、不純異性交遊だわ!
アレで口をふさがれてるのか、喉を突かれてるのか
リンちゃんの微かに漏れる声と必死の息づかいがエロ過ぎて
ますます動けなくなる。なんだか心臓がバクバクする。
「リン、美味しい?えらいえらい」
普段と違ってレン君が主導権を握ってるんだ…
二人の姿が見えない分、妄想が膨らんじゃう。
「じゃあそろそろ、いいかな」
「レン、ちょっ こんな大きいの無理だよ!」
「こら暴れるなよ……っしょうがないな」
しゅるっとネクタイを外す音が聞こえる。
ええええまさかレン君縛っちゃうの?!
無理矢理挿入なんて、流石にお姉ちゃんが許しません!!
「何やってるの二人共ぉー!!!」
勢いよく怒鳴りつけた……が、そこには想像してた卑猥な姿はなく
イスに縛り付けられ口の中に無理矢理スプーンをつっこまれるリンちゃんと、
チャーハン片手にスプーンを持つレン君が目をまんまるにしてこっちを見ていた。
「………は?」
どうやら、リンちゃんが嫌いな食べ物克服の為
レン君に無理矢理食べさせて貰っていたらしい。
「だって自分じゃ口に運べないんだもん!」
「ホント子供だよなー。チャーハンにしなきゃやだって言うし」
「嫌いなモノ克服しようとしないレンより大人ですー!!」
あはは…なんて紛らわしい二人。自分が恥ずかしい。
二人がこそこそ「なんでミク姉は怒ってたんだろ?」と
話してたのは聞こえなかった事にしよう…。
end
−−オマケ−−
そもそも嫌いなモノを嫌々食べるなんてナンセンスよね。
ここはお姉ちゃんが一肌脱ぎましょう。
ささっとネギだくチャーハンを作り、嫌いなモノを混ぜ合わせる。
これならネギの味と匂いで大分食べやすいはず!
いったん部屋に戻ったリンちゃんを呼びイスに座らせた。
「や、ミクお姉ちゃん今日はもういいよ!!」
「何言ってるの!お姉ちゃんの特製よ」
「やだ、無理無理いれないでぇっ レンのより大きい!」
「えーレン君のってこれより小さかったの?
ほら、乗り越えないと大人になれないぞ〜」
リンちゃんが暴れるのでしゅるっとネクタイを解いた。
「ななな何やってるんだ二人共ぉー!!!」
物陰からカイトが出てきた。