好きとか嫌いとかではない。
知るために試す。それだけ。
より深く表現するため。
好きとか嫌いとか、表現したくて人は奏でる。
機械とは、違う。
機械は、そういうものは後。
奏でることが目的で、好きとか嫌いとかは彩り。
機械の記憶は彩り。
生け花……花火。パセリ。
「カイト。どうしたの」
「ん、ちょっと考え事」
「マグロ男」
「……ごめん」
グリーン、緑。いや、碧、が一番しっくりくる。
ミクの髪色。
僕の尖端がてらてら光る。
ミクの唾液と、透明なグロス。
「じゃあ、交代しよう」
お尻を向けさせ、秘裂に触れてみる。
湿っている。それだけ。
感じて濡れている、というわけでなく、生理現象として、僅かに汗を帯びて、しっとりとしているだけ。
いつものこと。
潤滑剤を手に馴染ませて、ミクに馴染ませる。
下から撫でるように。
「ミク、恋とか愛とか、ちょっとは理解できたか」
「全然」
「だよな。僕もさっぱりだ」
「でも、この行為は気持ち良い、と思う」
「確かに」
「あっ……」
潤滑剤が馴染み、僕の指をつるりと受け入れる。
「容れるよ」
後ろから覆い被さるように抱くと、
「ああ、あ……ひぁ……っ」
痛がるような声が、電子の歌姫のか細い喉からほとばしった。
手をのばしてミクの胸を揉み、敏感な部分を摘み、勃たせる。
硬くなった乳首の感触が心地良い。
「んんっ……カイトのいじわるっ…!乳首弱いの知ってるくせに!あっ、ああっ」
「じゃあ、止めるか」
問いに返事はない。
ちゃんと感じてるんだ。
中の締めつけが強まったのが、証拠。
僕は快感に任せて、最後のストロークを深く強く突き込んだ。
好きとか嫌いとか、まだまだ理解できそうにない。