[甘い匂い]
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何て事の無い普通の日。
俺は普通に起きて普通に普通にアイス食べて普通に歌ってまたアイス食べて…普通に一日が終わった。
ご飯もお風呂も団らんも済んだ一日の終わり、自分の部屋で寝ようとしてたらドアから突然トントン、と静かにノックする音。
『お兄ちゃん』
そう声がしてガチャっとドアが開く。ミクだ。
いつもならミクは寝てる時間なのに。どうしたんだろうか?
『あ、もう寝てた?』
ミクが申し訳なさそうに聞く。
「ううん。ちょっとウトウトしてただけだよ」
眠たい顔を見せないように精一杯の笑顔で答える。
その笑顔を見てミクが少しだけほっとしたような表情になる。可愛いなぁ。
『あの、ね。眠れなくて自分の部屋に一人で居るのが怖くなっちゃったから…
えとえと、その、眠くなるまでお兄ちゃんと一緒に居たいな…って』
「じゃあお喋りでもしよっか」
『うんっ』
彼女のさっきまでの不安げな顔はどっかに行ってたちまち笑顔になる。
それからしばらくベッドに並んで座りながらリンやレン、メイコの事とかマスターの事とか歌の事とかネギの事とか…色んなことを話した。
『おにいちゃんて、何だか甘い匂いがする』
「そう?自分じゃ分かんないや」
『うん。何かつけてるの?』
「別に何もつけてないけど…どうしてだろ」
『あはっ、お兄ちゃん優しいから…』
きっと、お兄ちゃんが優しいから、それが体の中に入りきらなくて匂いになって出てきちゃうんだよ。
「へ?」
彼女の言った言葉は途中までしか聞こえなくて、何を言ったのか聞いてみたけど教えてくれなかった。
俯いたミクがカイトの右の腕を抱いて顔に近づける。
「ミク?」
どうして良いのか分からなくて名前を呼んでみた。
ミクはぎゅっ、と力を込めて返事の代わりにする。
これじゃ、どうして良いのか分からない。これは誘ってるのか?
いやいや、仮に誘ってたとしてもこの場合どうすれば良いのだろう。
だって妹だし、まだミクは16歳だし…いや、もう16歳なのか。
どうしよう。この空白の時間が憎い。
『おにいちゃん…』
ミクが消え入るような声で呟く。その声は切なくて少し泣きそうだった。
ええい!こんな声を聞いといてもう後に退けるか!据え膳食わぬは男の恥だ!
「ミク…」
そう言ってミクのほっぺたに、ちゅ。とそっとキスをする。
それから彼女をベッドの上に優しく押し倒す。何だか気恥ずかしくて顔が熱くなるのが分かる。
ミクは片手でそっとカイトの頬を撫でる。
『熱い…』
「あ、」
ミクの冷たい指先が心地良いな。と思いつつ彼女の服を脱がしていく。
飾り気の無いさっぱりした、何とも彼女らしい下着。
ブラジャーをそっとずらして胸を露にする。小ぶりだけど綺麗な胸。
そっと触れてみるとミクの熱が伝わってくる。
『あ、お兄ちゃ…っ』
「…柔らかい」
彼女を抱きかかえるようにして片手で彼女の胸をいじりながらもう一方でパンツの上から割れ目を摩る。
な、んか…変な、声が、出ちゃうぅっ』
「感じてるミクの声、可愛いよ」
『んっ…あ、は、ずかしいよッ…ぁんん…』
カイトの指は少し震えながらもパンツの脇から差し入れてそこを弄る。
「もう、濡れてる…」
『ひゃ…ばか、言わないでよぉ…んっ』
「はいはい」
ミクがくいっとカイトの服の裾を引っ張る。もう限界らしい。
彼女はひときわ大きな嬌声を上げる。
『ひ……ぁああっ』
「ミク、大丈夫?」
『ふぁっ…お兄ちゃ、も、我慢できない…お願い…』
「ん。入れるよ」
すべすべした先端をミクの花弁にあてがう
ぴったり閉じたミクの中をじわじわと押し広げるようにモノが入っていく。
彼女の額には汗がにじみ目尻に涙をうかばせている。
「ミクっ…平気…?」
『んっ…はぁ、は、あぁっはぁは、あ…』
少しづつ、ゆっくりと腰を進めていく。
ミクはうまく息が出来ずに、はぁはぁと肩で息をする。
「もうちょっと、力抜いて…もう少しで、全部入るよ」
『は…お、兄ちゃ…ぁあっはぁっ、あぅ…ぁ』
あと一押しで少しで完全に繋がる。
ゆっくり進みすぎてもでもミクの負担になるので一気に奥まで進む。
「全部、入ったよっ…」
『はぁっ…あ、あぁ…ふぅっ…』
少し震えながら受け入れるミク。そんな彼女を心から可愛いなと思う。
奥まで繋がったまま、彼女をぎゅっと抱きしめる。
「動いても、大丈夫?」
『へ、平気だよッ…』
「じゃあ、い、いくよ」
『う、ん』
ゆっくりと引いたり突いたりを繰り返す。
突く度にミクが鼻にかかったような甘い声をあげる。
「きっつい…」
カイトが小さく呻く。その下でミクが喘ぐ。
『ぁあっ、もっと、奥まで来てっ…はぁっ』
「ん、分かったっ…」
さっきまではお互いに慣れなくてぎこちない動きだったが、ココで一気に激しい動きへと変える。
『あっ…あんっ、お兄ちゃんっ…ぁあっお兄ちゃんッ』
「くぅッ……ミク、ミクっ」
『ぁ…か、カイト、お兄ちゃんっ…』
そう嬌声を上げると、一瞬、腰を浮かせて硬直する。達したのかな…
彼女は彼の事を普段Wお兄ちゃん”と呼ぶ。それは昔からそうだったしこれから先もしばらくはそう呼ばれると思う。
でも本当の名前Wカイト”と呼ばれたことは考えてみると無かったような気がする。
そう呼ばれてみて、何と言うか…ぐっと来た。
まぁWカイトお兄ちゃん”って結局はWお兄ちゃん”と呼ばれたような物だけど。
「ミクっ、も、降参…」
そう言って腰を引く。でも我慢できなくてミクの太ももの上に白濁液を出してしまった。
『お兄ちゃん…』
今にも泣き出しそうに震える声でミクが呟く。
『お、お兄ちゃ…』
ミク大粒の涙をこぼしながら何度もそう繰り返す。
それを見たカイトは状況を把握しきれずに戸惑う。
どうしてミクが泣いてるんだろう、えっと、思い当たることといえば…太ももに出しちゃったのが嫌だったかな?
そもそもしたく無かったんじゃ…ミクはカイトの腕を抱きしめたけど別にそういう事じゃ無かったとか?
「えっと…その、もしかして嫌だった?」
『ううん。違うの。』
ミクが涙を拭いながらふっと我に返る。
『あの、ね…本当は眠れなくて来たわけじゃないの』
少し泣きながら、震える声で続ける。
「うん」
『最近、前よりもお兄ちゃん、仕事、忙しいでしょ?ミクがお休みの時はお兄ちゃんが仕事だったり、逆だったり…』
「うん、ごめんね」
『えと、お兄ちゃんが悪いわけじゃなくてっ!』
「あ・ごめん」
『きっと、ミクの知らないお兄ちゃんになっちゃうんじゃないかな…って思っちゃうの。』
「そんなこと、ないよ」
『ん、分かってるよ。でもね、そう考えたら怖くて、一人で居られなくて、今日は部屋に来たの』
「うん」
『お兄ちゃんと、したく無かったわけじゃ無いし、大好きだし、嬉しかったよ』
カイトは合図地を打つ代わりにミクの目からこぼれる涙を指で拭う。
『…お兄ちゃん、大好きだよっ!ってちゃんと伝えてからしたかったの!』
「ミク……」
『ミク、お兄ちゃんのこと、ずっと好きだよ。これからも、そう思ってて良い?』
「うん、うん…」
何度も頷いてからミクを抱きしめる。
『お兄ちゃん…』
お兄ちゃんの、甘くて、優しい匂い…その匂いに包まれて安心した彼女はそのまま寝てしまった。
疲れてたし、無理も無いか。
「ミク、おやすみ…」
今度Wカイト”って呼んでくれるかな。
でも、また明日、Wお兄ちゃん”って呼んくれる、普通の一日…になれば、それで、良いや。
今日はとても普通の日だったとは思えないけど…まぁいっか。
【おしまい】