双子というものは感覚を共有しているとよく言われるが、鏡音双子も例外ではない。
一方が怪我をすればもう一方も痛みを訴え、一方が病気になればもう一方も倒れる。
二体一対で作られたボーカロイドのため、他の双子よりもシンクロ率が高いのかもしれない。
「おねーちゃん、リン達の部屋エアコン壊れたー」
「暑くて寝れないから今日はリビングで寝ていい?」
「あらら、そんなところじゃ寝にくいでしょ。私の部屋で寝ていいわよ」
一仕事終えて風呂から上がると、すでに双子はダブルベッドの上で熟睡していた。
寄り添うように寝入る二人はいつもの暴れ具合が想像できないほどかわいい。思わずMEIKOも笑みをこぼした。
「いっつもこれくらい大人しければ楽なのにね〜」
金色の頭を交互に撫で、布団をまくり上げる。入ろうとするとそれを察したように双子が真ん中を空けた。
思えば二人が来たときにはすでにミクとKAITOと3人の生活が始まっていた。
同じシリーズということもあり、姉として張り切ったミクが二人の面倒を一手に引き受けたため
MEIKOが双子を世話したことも一緒に仕事した回数も少ない。
前の二人にかかった手間を考えると嘘みたいだ。
(こうやって三人でって初めてかもしれないなぁ……)
家族みんなで遊んだことも眠ったことも何度もある。だけどこうやって直接末っ子と触れ合える機会はあまり持てなかった。
下の子達が成長するのは嬉しいけど、自分の手を離れていくのは寂しいなんて、わがままかな。
そう思いながらレンとリンの間に入る。
適度に冷やされた部屋で、二人の子供体温があったかかった。
これから双子もたくさん甘やかしてやろう。
エアコンの修理少し遅らせてもうちょっとだけ川の字で寝続けようかな……。
と、その時。
むにっ
リンの小さな手が、豊満な右胸をいきなりわし掴んだ。
「ちょっ…!」
急いで引き剥がそうとしたが、当の本人は幸せそうに涎を流している。
(寝ぼけてるだけ…?)
ここで乱暴にしたら大人げない。気にせず眠ろうと思ったが、もう片方の胸にも違和感を感じる。
なんと、レンがやわやわと胸をまさぐっていた。
リンほどの力は入ってないので痛みはないが、手を動かされるたびくすぐったさがこみ上げてくる。
頂点を探るような手のひらの動きに、MEIKOの背筋が跳ねた。
(そこはさすがにまずい…!)
手首を掴んで止めさせる。が、すでに小さな突起が薄い寝間着を押し上げていた。
「うう〜ん…」
痛みを訴えるようなレンの声に、急いで掴んでいた手を離す。
恐る恐る顔を覗きこんでみるが、未だ熟睡しているようだ。
リンの手も離したいがこちらはしっかりと握りこんでいる。しかも、絞るような動きが断続的に続いていた。
(どうすりゃいいのよこれっ!?)
その頃、双子は草原の中にある放牧場へ来ていた。
「ちっち絞り〜♪ちっち絞り♪」
手を繋ぎ、青空の下をスキップする二人。そのうちどちらからともなく一頭の大きな乳牛を発見する。
「すげー、でっかい」
「レン、あれならいっぱい牛乳とれるよっ」
「だな、じゃああいつにするか」
牛の下にしゃがみ、ミルクのたっぷり詰まった乳房を見上げる。
重そうなかたまりの下に出口である乳首がぶらんと垂れ下がっていた。
「絞りたてっておいしいって言うよね〜。ソフトクリームとか生クリームも作れるのかな」
「そんなん加工しなきゃ無理に決まってるだろ」
いきなりむぎゅっと牛の乳を鷲掴みにするリン。だが、いくら絞っても一滴もミルクは出てこない。
「あれ〜?おかしいなぁ」
「そんな力任せにやっても出てくるわけないだろ」
今度はレンが別の乳をやわやわと揉みしだく。
温かな乳は確かな弾力と中身がいっぱいつまっていることを手のひらに伝えてきた。
胡坐をかいた足の間にバケツを挟み、さあ今から絞ろうと身構えた時、力任せに手が引っ張られた。
「何すんだよリンッ」
「リンじゃないよ」
よく見ると、子牛がレンのアームカバーをくわえて引っ張っている。
「おかーさんのお乳が盗られちゃうって思ったのかな?」
「オレ達がお乳いっぱい搾ればお前もたくさん飲めるんだぞー」
子牛の背中をわしわしとなでるレン。気持ちいいのか、子牛はリンの胸にぐりぐりと頭を押し付けた。
「あははっ、かーわいい」
なつく子牛をかわいがりたいのは山々だが、リンの意識は半分以上これから飲めるミルクに注がれている。
「リン、オレがこいつ構ってやるからお前は絞れよ」
「えー、リン一人でできるかなぁ」
レンの持っていたバケツを足元におき、牛の乳に手を沿える。
「確かコツがあったよね」
ぎうーーーーーっ
いきなり乳首を強い力で捻られる。鋭い痛みに悲鳴を上げそうになったが、必死に喉の奥で押しつぶした。
(こんなことで、声を上げるなんて…!)
眠っている子供にいいように弄ばれるなんて、大人としてのプライドが許さない。
それに、こんな姿を誰かに見られるのは恥ずかしい。そんな思いが助けを呼ぶことも、双子を起こすこともためらわせていた。
張り詰めた神経をなだめるように、レンの手がむき出しの腹をなでる。
「はぁん…」
耳に届いた自分の声に、MEIKOは頬を赤く染めた。
(嫌だ、私、感じてなんか…)
涙目で頭を振るが双子の手は止まらない。
完全に勃起した乳首を弄るリンの指と敏感な腰骨の辺りを探るレンの手にびくびくと体を震わせる。
「なんだ?こいついきなり暴れだしたぞ」
体を振る子牛をなだめるように、背中だけじゃなくおなかもなでてやるレン。
「リンー、お乳出たか?」
「う〜ん、もうちょっとで出そうなんだけど…」
力任せに絞っても出ないのかもしれない。リンは手法を変えてやさしく触ることに決めた。
リンの手つきが羽根で触れるような愛撫に変わる。
敏感になった突起は全ての刺激を感じ取り、体の中を駆けめぐる快感に変えていく。
じゅくり…と中から蜜があふれたのがわかった。
MEIKOの視線は大きな自分の胸を越え、腹や背を這い回るレンの細い指に注がれる。
あの少年らしい硬く骨ばった指を自分の中心に突き入れたら……
(だ、駄目よ、弟に対してそんなこと考えるなんて!)
だが、貫かれる快感を知っている体にとって上半身だけの愛撫では物足りない。
MEIKOの理性は崩壊しかかっていた。
そろそろと下半身に指を這わせようとした時、別の刺激が胸を襲った。
リンが乳首を咥え、ちゅうちゅうと吸いついている。
生暖かい舌が先端を嬲るたび跳ねる腰が抑えられない。
濡れた布地が舌に合わせざらりと突起を擦った。
ふぐふぐと牛の乳を咥えるリン。そのしぐさを呆れたようにレンが見ていた。
「なんか出た?」
「ふ〜ん、もうひょっとでなんかれそう」
手で揉みながら吸い続ける姿は子牛にでもなったみたいだ。
レンが傍らに抱いていた子牛もそれを見て腹を空かせたのか、母牛の乳に吸いつく。
こくこくと喉をならす子牛は見るからに満足そうだ。
「あ、なんか出てきた」
「マジで!?」
子牛の授乳に刺激されたのだろう。リンの舌先に甘い味が広がる。
つられてレンも空いた乳に口をつけた。
両側から胸に吸いつかれ、MEIKOの息はもう絶え絶えになっていた。
片方が甘噛みされたと思えばもう片方は先端に唾を塗りこむように舐られる。
だが二人の体に阻まれ一番疼きを感じる秘所に手を伸ばすことはかなわない。
(こんな、弟妹に胸舐められただけでイきたくない…!)
「あいひゅくりーむ……ぷいん…」
食べ物の夢でも見ているのか、リンが幸せそうな寝言を呟く。
下乳を揉みながら、レンが唇だけで突起を引っ張る。
「あっ、あぁんっ」
(もう、無理……!)
ぶも〜と大きな声で牛が鳴く。
バケツいっぱいのミルクが採れてリンもレンも顔がほころぶのが止められない。
「ねえねえ、ちょっと味見してみようよ」
「そんなこと言って、どうせ全部飲んじゃうんだろ。ソフトも生クリームもプリンも作れなくなるぞ」
「いいからいいから、ちょっとだけ」
どこからともなく取り出してきたスプーンでリンがミルクをすくう。
「はい、レンあーんして」
リンの満面の笑みに押し切られ、レンも仕方なく口をあけた。
ちゅくちゅく…くちゅ
MEIKOの胸を弄りながら双子が舌を絡ませあう。淫らに響く水音にもMEIKOは理性を削られていた。
小さな唇からあふれた涎がMEIKOの谷間に落ち、垂れ下がっていく。
その間も二人の手は休まることなくMEIKOの突起をいじめ続けていた。
「あ…あん…もう、私…」
そろそろとMEIKOの手が動き出す。
双子に触れぬよう細心の注意を払いながら、自らの下半身へと……
「お姉ちゃん、蚊取り線香どこー?」
いきなり電気がつけられ、視界が明るくなる。
驚いて声も上げられないままMEIKOの手は双子を床に叩きつけていた。
ゴンッガスッ
鈍い音がして双子が顔を上げる。
「あへ? ぎゅうにゅーはー?」
「子牛どこ行った……?」
寝ぼけ眼であたりを探る二人を見て、MEIKOの体から一気に力が抜けた。
(あいつら、あんなことして全然覚えてないの?)
こっちはまだ疼きも疲れも体に残っているのに、当の双子はあっけらかんとした顔でベッドに登ってきている。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
ドアの所からミクが不安そうな顔で声をかけてくる。
「……ミク、今日はあんたの所で寝かせてちょうだい」
「えー? お姉ちゃん一緒に寝ないの?」
リンが不満そうな声を上げるがこのさい無視する。レンはと言えばもう夢の中に逆戻りだ。
「エアコンは明日速攻修理に来てもらうからあんた達はこの部屋で寝なさい!」
「双子ちゃんたち、寝相悪かった?」
少しネギ臭いベッドにもぐりこみながら、ミクが聞いてくる。
その横にお邪魔しながらMEIKOはどう答えたものか頭を悩ませた。
「まあ……あれは一緒に眠るの辛いわね」
さすがに胸を弄くられてイきそうになりましたなんて言えない、絶対に!
「でも、あの子達上手かったでしょ」
「へ?」
「最後まではいけないんだけど、身を任せちゃうと結構気持ちいいんだよ〜。二人は朝になったら何も覚えてないしね♪」
「み、ミク……?」
「中途半端に炙られて体辛くない? わたしがちゃ〜〜〜んと鎮めてあ・げ・る」
嫌な予感を感じ逃げ出そうとする。が、時はすでに遅し。あっという間に上に圧し掛かられてしまった。
「朝までたっぷり楽しもうね、お姉ちゃん」
「いやああああああああああああっ」
翌日、黄色い太陽を拝みながら自分の部屋で69の体勢で眠りこける双子を見て、
レンをKAITOの部屋に放り込んでおけばよかった…と思ったのも後の祭である。