「や……」
しまった、そんな風に目を見開いてメイコは口を押さえた。
そんなことしたってもう遅いのにさ。分かってないなあ、めーちゃんは。
位置的には普段と真逆で強気な彼女を弱気な弟分な俺が組みしいている状態だ。
その羞恥に染まる彼女を見下ろす。うん、めーちゃんには悪いけどかなりいい眺めだわこりゃ。
「なに、見てんのよ」
必死の抵抗。
いつも俺に向かって振り降ろされる小さな拳は俺によって当然のように塞がれており、勝ち気な瞳だけで、必死の抵抗。
もちろん、身体を重ねるのなんて初めてじゃないし、本気で嫌がってないのは丸分かりなんだけどさ。
もしかしたらこれもめーちゃん流の誘い方?だとしたら効果はテキメンだよ。俺限定、かもだけどね。
「っ……!カイ、ト……!」
ああ、そんな切ない声出さないでよ。すごくキスしたくなるじゃないか。
鎖骨辺りをうろついていた舌を一旦彼女の肌から離して、桜色の谷へダイブさせる。
絡み付いてくる彼女のそれが柄も言えず愛しい。
(結局彼女には勝てないな、と絡めた指に力を込めた)