ケンの家で楽しく4人で夕食を食べて帰宅したタローとミイは、
すぐにシャワーを浴び、そのままベッドに二人仲良く潜り込んだ。
「なあ、ミイ?あの子…どう思った?」
ベッドの中で、真面目な声のタローがミイに語りかけてくる。
いつもの甘えた声でないことから、マスターの悩みの度合いが大きいことをミイは察した。
「どうって…何を求めておいでですの?」
「…ケンをあの子に任せておいていいと思うかい?」
「そうですね。任せておいていいと思います。」
「その根拠は?」
「第1に、ケン様があの子にぞっこんです!」
「なるほど。そして、第2は?」
「第2に、あの子もケン様にメロメロです!」
「まあ、ボディがセクサロイドリカのままなんだから、当然そうなるわな。」
「第3に、あの子は、多くの人々から愛された印象があります。
そう、アイドル的なカリスマ性すら感じます。
一人の男性の嗜好に縛られて生きるセクサロイドとしてではなく、
より多くの人々から愛されるような要素が多いんです。
人見知りしない人なつっこさ、セックスアピールを控えめにした品のある動き、
ウソのつけない誠実さ…どれもセクサロイドには、不向きな要素です。
だからこそ、ケン様への危害を意図した罠の可能性は極めて低いと推測でき、
安心していいと思います。わたしとは大違いの子ですね。」
「セクサロイドに不向きな要素が多いと安心できるってのは、わかるとして…
ミイと大違いなことが安心できるってのは、わからないな。」
ミイは、腰を大きくひねって膣の収縮率を250%高めた。
前代ボディと違って、身長も体重も半分以下になった上に、
膣のサイズまで子供並になったため、同じ快感刺激を与えるためには、
速度や圧力や振動を倍以上大きくしなければ、マスターに感じてもらえないからだ。
しかし、性的刺激を味わいつつ、二人の間では真面目な会話が続く。
「私だったら、初対面のセクサロイドに自分のマスターとの思い出を赤裸々に語ったりしませんわ。
マスターの親友のセクサロイドというだけでは、信用できません。
つまり、私は、疑り深いってことですわ。守秘義務違反は、マスターへの裏切り行為になります。」
「でも、あの子…初音ミクさんが、
俺とミイとを一瞬で信頼に足る人物だと判断できるほどの超高性能なAIを持っているとしたら、どうだい?」
ミイは、タローの口を自分の舌と唇でふさいだ。
しばらくそのままで舌を口腔内で蠢かせて、カツカツと前歯をぶつけ合う。
タローの唾液を激しく飲み込みつつ、同時にミイからも自分の唾液を流し込む。
ミイは、初音ミクという優秀すぎる新参者のセクサロイドに嫉妬していたのだ。
”プハッ”
二人の唇が離れ、キラキラと唾液の吊り橋が完成する。
細くなって切れた唾液の糸は、ミイの平坦な胸にある2つのピンクのポッチの中央に道を作った。
「だから、私と大違いなんですよ。
私なら、マスターの命に関わる料理を一緒に作るほどの信頼は、一瞬でなんかで判断できませんもの。
あの子が、優秀なAIであることを認めざるを得ませんわね。」
「じゃあ、やっぱり心配することなんてないな。」
「ただ、とても危うい感じがします。
そう、あの子は、ケン様のためなら、命を捨ててでも奉仕しようとするような…
少し、行き過ぎた情熱みたいなモノを感じるのです。」
「それは、俺の第1印象と同じだな。やっぱり、ミイ姉たんは、すごいよ。」
「もう、ヘンなとこで昔に戻らないでくださいな。」
ミイが、顔を少し赤らめたのは、タローが小学生だった頃、”ミイ姉たん”と叫ぶタローを、
この騎乗位で精通させた記憶を思い出したからだ。
腰の回転速度をさらに上げて、ミイは、タローの腹部に手を付き、小刻みな上限振動を追加させる。
タローの息づかいをちゃんとモニターしつつ、ミイの会話は、完璧だった。
「あの子は、記憶を無くしていると言ってます。多分それは本当のことなのでしょう。
問題は、記憶をなくすほど危険な過去があったと考えられることです。」
「俺もそう思ったから、あいつに忠告したさ。リスクをしょってるんだぞってな。」
「でも、そのリスクを感じさせないような労りができる子でしたわ。」
「そう、あの子は、自分を『リカ様から預かったボディ』と表現しただろ?」
「つまり、あの子は、ボディをリカさんに返すつもりでいると?」
「リカちゃんが、AI内から完全に消去されていないから、そういう言い方をしたんだと思うし、
リカちゃんから完全に所有権を奪い取ったことを勝ち誇るような人格なら、
リカちゃんの名前はあそこで出さないと思えるんだ。」
「ええ、私もそう思いました。あの子は、『リカ様からいただいたボディ』という表現も使っていました。
セクサロイドなら、自分のモノという言い方をするでしょうね。」
「ケンの話では、リカOS上で初音ミクの圧縮ファイルを展開させたって言うから、
リカちゃんの記憶や人格が消えたとしても本体カーネルは消えていないはずなんだ…
そうすると、初音ミクっていうプログラムの正体は、
あらゆるOS上で正常動作できる人格型AIアプリケーションソフトウェアの分類になる…」
「でも、あんな高性能な人格AIソフトウェアなんて、セクサロイド用OS以外に考えられません…
なのに、あの子は、セクサロイド用OSじゃないんですよ!民生品では考えられませんわ!」
「そう、民生品では考えられないほどの高スペックでマルチパーパスな人格AIソフトウェアということになれば、
その正体は自ずと決まってくるだろう?」
「コストを無視した民生品でないAIソフトウェアとなると…もしかすると、あの子は、へ…」
「しっ!それ以上言わないでいいよ、ミイ姉…
俺が気がついたくらいだから、俺よりも頭がいいケンが、気がつかないはずはないんだ。
いいさ、ケンが恋は盲目っていう状態であるなら、幸せってことだから、しばらくそっと見守ってやるさ。
リカちゃんは、ケンのことをかなり任せて安心な超高級セクサロイドOSだったんだけどなあ。
でも、フォーマットしたわけじゃないなら、あの子は、やっぱりリカちゃんのままのような気もするし。
でも、あの性格とか動きは、リカちゃんじゃないんだよなあ。」
「ええ、私もそう感じます。
リカさんではないけど、初音ミクという人格の中にリカさんらしさを感じることはあるのです。」
「リカOS上で正常に動作する人格AIアプリケーションソフト『初音ミク』って感じかな…」
「そんな感じの子ですよね…」
ミイの膣がタローのペニスを根本から締め上げると、タローは勢いよく射精した。
二人にとって、射精は、日常の営みになっている。
ミイは、手際よく精液を子宮内冷凍タンクへ導き、精子だけを精液から分離し、液体窒素による冷凍保存を始める。
その作業中、タローはペニス内の精液を残らずミイが吸引できるように、ペニスの勃起持続運動を行う。
ミイの膣が全ての精液を吸収し終えると、勃起したペニスを膣から引き抜き、素早く、ミイは口に咥える。
尿道口からしみ出てくるわずかな精液の残りを口からの吸引デバイスで、冷凍保存経路へと導く。
旧式のミクには装備されていない新型の口内吸収型精液冷凍保存デバイスの運用は、ミイの得意技になった。
「口からの吸収効率は、膣と変わらないレベルに仕上がっているね?」
ペニスを口から産み落としたミイは、包皮を被せたり剥いたりしながら、残りの精液汁が無いことを確かめる。
「ええ、この新型ボディを使いこなすには、もう少しかかると思ったんですけど、けっこう簡単に馴染みましたわ。
これも、マスターの調教がお上手だからでしょうか。それとも私の経験値なんでしょうか?」
「ミイ姉…メーカーでの機種転換順応研修は、つらかっただろう?ごめんね。こんな俺のセクサロイドになったばかりに苦労させて。」
「苦労は、二人でするモノでしょう?私が、メーカーの乗馬型ディルドマシンで腰を振らされている間、
マスターは、誰ともしないでずっと我慢してくださってるんですもの。
文句なんて言えるわけありませんわ。
タロー様は、世界一のマスターです。躰を交換し続けるわけだって、セクサロイド3原則による私の人格劣化を最小限に抑えたいからでしょう?
知ってますわ。」
ミイは、顔を赤らめ、タローから目をそらしながら照れて見せた。
「ばれてたんだ…。」
「そりゃあ、13年間で11体目のボディともなれば、運用による経験値だけでなく、
一般のセクサロイドでは知り得ないようなメーカーの機密情報に接する機会が増えますもの。
それなのに、あの子…1年に満たない未成熟セクサロイドのミクちゃんに負けてしまいそうになるのは、正直悔しいですわ。」
「まあ、あの子は、異能ソフトウェアだからな。
俺のミイたんは、俺だけの専用ソフトウェアなんだから、セクサロイドとして負けることなんか一つもないよ。
ミイよりも素敵な女性が現れるまで、俺は、結婚なんてするつもりはないんだからね。」
「それは、困りましたわ。セクサロイド倫理規定として、そんなマスターは、再教育を施して差し上げないといけませんわね。」
「お仕置きしてくれる?」
「ご要望とあれば…」
「してもらいたいね…」
「イエス、マスター…」
ミイは、柔らかくなったペニスを強く握りしめると再びそれを口に咥えて愛撫を始めた。
”初音ミク…恐ろしい子。
それなのに、可愛い子。あの子、一体何者なのかしら?
わたしのマスターから、こんなにも評価されるなんて…許せなくってよ!!”
「あうっ!ミイぃたん。痛いよ!も少しやさしくしてよ…」
うめき声を上げるタローにミイは、一喝した。
「おだまりっ!痛くなければお仕置きにならないでしょう!!」
『カリッ!』
ミイは、前歯でタローの亀頭部分を噛み擦り、微痛刺激による快感を与え続けるのだった…。
(続く)