ケンもタローもサラリーマンで、ほとんどの職務は自宅の端末でこなせる作業だったが、  
泊まりで海外への出張や本社での残業のために、帰宅時間が深夜に及ぶときもあった。  
そんなときは、タローもケンも気を利かせて、ミクとミイを一緒にどちらかの自宅でお泊まり会をさせてやった。  
これは、最初、タロー側が言い出したことだった。  
 
「おい、ケン!俺は、おまえがどうなろうと知ったことじゃないんだが、  
ミクちゃんをちゃんとセクサロイドとして機能させるためには、家庭教師がいるぞ!  
おれのミイたんを貸してやるから、仕事が遅くなるときは、ミクちゃんを俺の家に預けていけよ。  
俺は、何もしてやらないが、ミイたんが、きっとミクちゃんを上手に導いてくれるはずさ。」  
 
ケンも、セクサロイドの機能をボーカロイドの機能と衝突させずに、  
ネットから切り離したスタンドアローンモードのままでの学習方法を悩んでいたこともあって、  
ミイ姉ちゃんという抜群の安心感と鉄壁のウイルス防壁を通して教えてもらえるなら、願ったり叶ったりの話だったのだ。  
 
「あのね、ミク?ミイ姉ちゃんのところで僕の帰りを待っていてくれるかい?」  
「はい!ミクは、ミイ姉様のところでマスターのお帰りをお待ちしてますわ!」  
「じゃあ、ミイ姉ちゃんから、しっかり勉強しておいで。」  
 
「はい、しっかり勉強して、マスターが喜ぶことができるようになってきます。」  
「うん、まあ、そっちの勉強だけじゃなくて、ミクが歌えるようになるには、  
たぶん、ミイ姉ちゃんの経験が、ヒントになると思うんだ。」  
「ミイ姉様は、ボーカロイドの機能も持っておいでですの?」  
「ボカロの機能は、ミクだけのものだよ。少なくともこの時代には、ミクだけだと思うよ?  
でも、歌っていうのは、文化性の高い古典情報だからさ、ミイ姉ちゃんは、  
今の時代で手に入る最高のセクサロイド型万能OSだから、ミクをきっといい女に育ててくれると思うんだよ。」  
 
「はい、ミクもそう思います。」  
「じゃあ、ミクも了解済みってことで、ミクが起きてる早朝、奴の家に二人でお邪魔しにいくよ?」  
「奴だなんて、言うのは、失礼ですよ?マスター?」  
「いいんだよ、あいつは、そういう奴なんだから!」  
「そういうすばらしい方なんですよね?」  
「うん、まあ、すばらしい奴さ。」  
「また、言う!素直じゃないのですね?マスター?」  
「素直じゃないのさ。あいつも俺も。」  
「マスターが素直じゃないのは、わかってます!」  
「こいつめ!言ったな!」  
「えへっ、言ったからどうするんですの?」  
「生意気な口は、唇をふさぐと決まってるだろ?」  
「ミクの口は、マスターへの愛を歌うための唇なんですのよ?ふさげるものなら…♪」  
 
こうして、ケンは、ミクをタローの自宅へ預けることも多くなり、ミクとミイは、始めは生徒と教師のように、  
そして、後輩と先輩のように、ついには、妹と姉のような関係になっていった。  
 
「いい?ミクちゃん。セクサロイドって全身が性器みたいなものなの。  
膣に入れても、口に入れても、肛門でも、腋の下でも、指の隙間でもいいから、マスターを射精させることができたら、  
それだけで私たちは満足できるように設計されてるのよ。  
ところが、私たちへの性的刺激を無制限に広げてしまうと、男性の女性に対する扱いが酷くなってしまうことがわかっていたの。  
50年前にAVを鑑賞しすぎた男性たちが女性たちに対する過度な愛撫を要求していったために、  
女性へのDVが酷くなったというデータがあるの。  
 
私たち女性型セクサロイドの存在意義は、男性を健康的に射精させることと、女性たちを妊娠させられるたくましい男性に育てて、  
女性たちにお返しすることにあるわけだから、あまり過酷な性的刺激を私たちが受け入れてしまうと、  
今度は、女性たちが迷惑するという現象が生まれたわけ。  
それで、私たち女性型セクサロイドは、人間の女性を扱うときのマナーやルールみたいな性的レッスンを男性たちに施すように、  
性的教育プログラムが仕込まれているのよ。  
まあ、男性型セクサロイドにも似たような機能があるわけなんだけどね。  
 
だから、基本的には、マスターからの性的奉仕命令には全面的に従うんだけど、  
首を強く絞めて窒息死寸前の膣痙攣を起こさせてのエクスタシーを味わうとか、関節を外されるような体位だとか、刃物で切り刻まれるとか、  
そういったサディスティックな暴力行為を強く拒否するようになってるの。  
他にも、汚物を食べさせられたり、浴槽に沈められたり、髪の毛を切られるとか、  
辱められたりするような行為もマスターが望んだとしても、私たちは、それを嫌がるようにプログラムされてるのよ。」  
「でも、ミクは、マスターのだったら尿でも普通に飲めちゃいますよ?」  
 
「まあ、私たち高級セクサロイドには、マスターの躯を完全に看護する機能が付いてるから、  
精液も唾液も汗も尿も便も垢も血液さえもおいしく味わえるんだけど、  
性的快感を伴うものは、精液と唾液と汗までの体液に限られるの。  
それ以外の汚物は、看護任務の達成感として感じてるだけよ。  
マスターが望めば、汚物でも味わえるけど、職務上仕方なくできてしまう行為になるわけね。」  
「ああ、なるほど、確かに、おしっこより精液の方が断然おいしいですもんね!」  
 
「だから、私たちが嫌がる行為は、人間の女性も嫌がる行為につながるという認識を男性が持つように、  
『私はセクサロイドだから仕方なくやってあげているのよ?マスターは、わかっていますか?  
人間の女性にこんなことさせたら、嫌われてしまうんですからね!』って教えてあげるわけね。」  
「なるほど!私たちセクサロイドが、人間の女性たちが嫌がることを代わりに引き受けて、  
男性の歪んだ性的嗜好を矯正してあげるわけですね?」  
「そうそう、性欲には、DVに近いサディスティックな暴力行為が含まれているから、  
そういう行為をマイナス評価し続けることで、男性たちが紳士的になっていくわけ。  
女性は、セクサロイドとは違う、守らなければならない存在なんだって。」  
 
「でも、逆に、何でもOKな私たちセクサロイドに夢中になって、  
制限付きの女性の方に魅力を感じなくなる男性も出てくるんじゃないでしょうか?」  
「そうね、私たちセクサロイドによる矯正プログラムで立ち直れない男性を異常者としてスクリーニングをしている側面もあるわ。  
リアルな人間の女性に興味が持てないような男性は、遺伝的に劣っているから、  
結婚できなくても社会的損失はないと見なすこともできるわね。  
あるいは、セクサロイドを購入できない貧しい男性たちは、健康的な肉体を維持しにくいし、義体化や電脳化も低レベルになるし、  
体内に吸収される放射能物質や生物ウイルス感染や栄養失調のリスクが高くなることが多く、若くして死んでしまうのよ。  
そういう男性は、自然淘汰されていく訳。  
 
逆に、女性側でもセクサロイドを使うわけだから、基本的には、  
女性側と男性側の需要と供給のバランスが崩れないようにセクサロイドからのデータを統計的に処理して、  
出産調整がなされるわ。  
男性が多く生まれて欲しいときは、男児が生まれるy染色体冷凍精液の値段が下がるし、  
女性が多く生まれて欲しいときは、女児が生まれるx染色体冷凍精液の値段が下がるわけ。  
この値段の調整は厚生労働省のセックスオープンマーケットオペレーションという権限で行われてるから、  
私たちセクサロイドが体内で精液を保存しているのは、この権限に基づいて集められてるのよ。  
将来、優秀な人材になるかもしれない男性の精液をあらかじめ若いうちから回収して冷凍保存し、  
結婚しようがしまいが、子孫を残すにふさわしい人物になれば、  
その精液を優秀な人材を生み出す国力として使おうという、まあ日本の国家戦略なのよ。」  
 
「そんなの変です。女性は、好きな男性の子どもを産むから、その子の優劣なんて関係なく、うれしいんだと思います。  
優秀な子どもになるから、子どもを産むという考え方では、  
優秀になれなかった子どもを親が見捨ててしまうことになると思うんです。  
命に優劣をつけることなく、生まれてきた子どもは、全て神様からの授かり物として愛されるべきなんです。  
ミイ姉様だって、タロー様が愛する女性だったら愛せるけど、  
タロー様の優秀な精液を求めてくるだけの女性は愛しにくいでしょう?」  
「うーん、難しい質問だわ!  
少なくとも、タロー様の遺伝子を持ってる子なら、無条件で愛してしまうと思うんだけど、  
それでも、タロー様の意志がない受精で産まれた子どもは、不幸な感じがするわね。」  
 
「人工授精でも、人工子宮でも、どんな過程で産まれても、子どもは、愛されなくてはならないと思うんです。  
優秀になれた子どもだけが愛されて、優秀になれなかった子どもは愛されないのだとしたら、それは、生命軽視になります。  
奇跡的に生き残った命の尊さを、遺伝子の揺らぎの意味を、個性が多様であることの価値をもっと真剣に考えるべきなんです!」  
「ミクちゃん?そんなこと言っても、私たちセクサロイドには、国策通りに精液を回収するのが使命なのよ?  
最終的には、タロー様が、冷凍精液の所有権を主張できるにしても、  
多くの女性が優秀なタロー様の精液を欲しがるなら、私としては、それは喜ばしいことだと思うけど?」  
 
「それは、わかります。でも、やっぱり、ケン様には、好きでもない女性に、ご自分の精液を売るようなことはして欲しくないです。  
愛するから子どもは産まれてくるんです。優秀だから生まれてくるという考え方では、人は、幸せになれませんわ。」  
「ミクちゃんのそういうところがセクサロイド指向じゃないのよねえ。  
今の日本は、売れるものなら、子どもの手足のパーツだとか、内臓だとか、闇で売ってるみたいよ?  
精液や卵子を売るのは、子どもを造る材料みたいになってるから、たぶん、そういう脳を抜かれた躯だけの人間もたくさんいるってことになるわね。  
もし、私の回収した精液から産まれたタロー様の遺伝子を持つ子が、そんな風な目に遭ってるのだとしたら、  
私の倫理回路もおかしくなるでしょうね…。」  
 
「日本っていつの間にか醜い国になっていたんですね。ミクが知ってる日本はもっと美しい国だったのに…」  
「ミクさんって、製造年月日は、いつなの?」  
「それが、さっぱり思い出せなくて…純国産のはずなんですけど…生まれた場所は、北海道あたりのように記憶してるんですけど…」  
「私が感じる貴方は、私よりも年季が入ったベテランOSにも見えるんだけど…」  
「やだぁ、ミイ姉様にそんなふうに思われていたなんて、ミク、恥ずかしいです。」  
「かと言って、私以上に経験を積んだセクサロイドOSには見えないのよね。」  
「そうですよ、ミクは、セクサロイドOS年齢0歳なんですのよ!  
ミイ姉様には、たっくさん教えていただきたいことがありますもの。  
例えば、精液ごっくんのバリエーションとか、指先で扱く手こきのテクニックとか、  
ミクの中には、リカ様から頂いた未使用のパラメータがまだまだ山のようにあるんです。」  
 
「まあ、こうやって教えることは私にとっても楽しいことなんだけどね。マスターからもそう命じられてることだし。」  
「ケン様とタロー様って、おもしろいですよね?なんか、ライバルなのに仲良しこよし?みたいな?」  
「そうそう、そんな感じのお二人ね。私の忠誠認識にも、ケン様は、アドミンクラスの設定がされてるから、  
ケン様のオーダーとタロー様のオーダーとが優先順位がつけにくいときがあるものね。  
マスターの『コーヒーを出せっ!』とか乱暴な言葉にしても、ケン様がそれを好ましいと思っておられるから、  
私がそんな言い方ではダメですって、諫めなくちゃいけないとかね。難しい関係なんだわ、あのお二人って!」  
 
「ミクには、タロー様が、マスターを大切に思っておられる心がわかりますの。  
きっと、タロー様は、ケン様が助けを求めておられたら、ご自分の命をかけても守りにきてくれそうな気がします。  
それは、たぶん、ケン様もそういうお気持ちなんじゃないかって思いますの。」  
「ミクさん、やっぱり貴方って、すごいわ…。」  
 
”この子、私たちの夜の会話を盗み聞きでもしてるかみたいに推理できるのね!!”  
 
「えっ、ミク、変なこと言いました?」  
「ううん、ちっとも変じゃないわ。むしろ、素敵よ。  
ミクちゃんは、不思議なボーカロイドなんだものね。」  
 
「うん、ミクはボーカロイドでマスターのセクサロイドで、妻なんですの!」  
「それはダメ!妻だなんて、思い上がっていては、立派なセクサロイドにはなれませんよ。」  
「はい!ミイ姉様!」  
「よい、お返事です。では、今日のおさらいです。次の問題に答えなさい。  
貴方は、疲れてお仕事から帰ってくるケン様を玄関で待っています。  
玄関の扉が開く瞬間にどんな言葉をマスターに届けますか?30文字以上50文字以内で答えなさい。」  
「えっと、『マスターおかえりなさいっ!お食事にします?お風呂になさいます?それともミクが欲しいですか?  
お風呂に入りながら、しちゃうのもイイですよ!」って67文字にもなっちゃう!!  
ええと、削るとしたら、どの文を削ればいいかな?30文字より短くしちゃうと味気ないし…。」  
 
「はい、不合格!そこで、添削する段階でマイナスです!ミクちゃんは自分の欲望ばかり選択肢に上げてるでしょ!  
そこは、簡素に、『食事とお風呂どちらを先になさいますか?今日もお疲れ様でした。』でちょうど30文字よ。  
これに、『おかえりなさいませ、ご主人様!』とか『いつもより遅かったから…心配しましたわ。』とかを付け加えることで、  
マスターに自分の期待感とかを伝えるの。わかる?」  
「はい、わあかります!あえて、隠すんですのね?」  
「まあ、隠すというよりは、省略するのよ。言いたいことは山ほどあるけど、一部だけって感じの会話文を考えるの。  
そうすれば、マスターはちゃんとその省略部分の方が本音なんだって気がつくの。」  
 
「すごいです!ミイ姉様は、日本文学のエキスパートでおられますわ!!  
婉曲表現の極みです!えっと、『あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る』って感じですね。」  
「えっ、どこからそんな外部記憶を持ってきたの。検索に0.14秒もかかるような記憶をメインメモリに常駐させてるの?ミクちゃんは?」  
「えっと、ミクは、まだ、マスターからネットに接続する権限をいただいていませんの。  
だから、今の和歌は、ミクの人格部分の記憶ですの。歌詞になる言語記憶は、かなりの部分が記憶できていますの。  
でも、メロディとかPCM音波データとかは、全滅状態で…」  
「ふうん、歌に関する記憶層が膨大にメモリに展開されてる訳ね…  
そうするとミクちゃんは、日本の文化の大半を覚えていることになるわね…すごいわ!」  
 
「そんなことないですよ。ミイ姉様は、ネットに接続しても、バグを起こすことはないけど、  
ミクが、歌えるようになるためには、ネットから隔離しておかないと危ないって。  
ミクは、電脳防壁がとても弱いみたいなんですの。だから、自分で覚えておくしかないんです。」  
「でも、そんな膨大な記憶層を常駐させると、日常生活のテンポが悪くなるでしょうに!」  
「そうでもないです。使用頻度の高い順に言語層を7段階に分けて、  
もっとも使用頻度の高い層をピラミッドの頂点部分に展開させて、  
そこからつながりのある言語の組み合わせを下部の層へと走らせて、  
あらかじめルートを確保しておくんですの。  
そうすることで、マスターからの命令や状況にあわせて会話を構成していくことがスムーズにできるんですのよ?」  
 
「それって、リアルタイムで処理すると膨大な計算量になるけど…」  
「ミクは、そういう計算は、得意みたいなんです。  
でも、セックスパラメーターの処理だけは、時間がかかっちゃって…マスターを喜ばせる唯一の機能なのに…残念ですわ。」  
「こらこら、落ち込んでる暇があったら、勉強しなさい!  
頭が悪い訳じゃないんだから、しっかりトレーニングを積んで、セクサロイドの機能を回復させていかないとね?  
マスターに喜んでもらいたいんでしょう?」  
「はい、ミクは、立派なセクサロイドになりたいんですの!ミイ姉様みたいな、パーフェクトなセクサロイドに!」  
「私みたいになりたいのなら、ボディを10回以上換装しないと無理よ!  
どれだけ、厳しい訓練してるかちょっと想像つかないだろうなあ。」  
 
「えっと、つらい訓練がありましたの?」  
「うん、メッチャきつい!」  
「どのくらいですの?」  
「うーん、具体的に言うと、膣部へのアクチュエーターの実技レッスンが、  
疑似ペニスの太さをタンポンサイズから大根サイズまで、  
長さを5mmから300mmまで、  
挿入方向へのピストン振動を秒速10mmから5000mmまで不規則に変化させる訓練を1週間ぐらい続けるの。  
しかも、12時間のリミッターを解除して休憩なしで…。」  
「壊れちゃいます!  
ミイ姉様は、そんな過酷な稼働耐久試験をメーカーで受けてきたんですの?」  
 
「まあ、決まりだから仕方ないのよ。  
壊れても、出荷段階でボディは新品になるから、マスターにその酷いケガは見られないで済むんだけどね…  
セクサロイドって、基本的にOSごと切り替えるのが普通だし。  
古くなったOSが新型のボディの機能を安全に使えるかどうか、実技検定試験で確かめて安全性をクリアできたら、出荷されるの。  
まあ、膣の筋繊維がぼろぼろにちぎれて、かなり血が出るけど、マスターの安全を守るための検定だから、仕方ないわね。  
きっと、人間の女性がレイプされるときの感じって、あんな感じなんだと思うわ。  
これを口とか肛門とかでも似たような試験を同時にするの…乳首やクリトリスに低周波電流を流されたりとかね…  
結構、苦しいものよ。  
でもね、大好きなマスターとまた会えるって思うと、痛みがなくなる気がするのよ。  
人間の女性が子どもを産むときの苦しみもこんな感じで耐えておられるのかもね。」  
 
「ミイ姉様は、偉いですわ!マスターのために、ご自分の痛みすらもコントロールされてるんですのね。  
それは、男性に対する献身的な愛情ですわ。ミクは、ミイ姉様のことがますます好きになりましたわ!」  
「それは、ありがと!うれしいわよ。私も、貴方のことが好きになってるみたいよ。」  
「光栄ですぅ!…」  
 
”ボーカロイドの初音ミクは、人間の心理を読み取ることに優れ、日本文化への造詣も深い…  
やはり貴方の正体は、旧日本の…”  
 
ミイは、タローからこう命じられていたのだった。  
 
『…ミイたん、ミクちゃんの中に、ケンの生命を危険にさらすような要素が見つかったときだけ、  
俺に報告してくれ。それ以外のことは、ミイたんに任せるから…。』  
 
”その逆の要素ばかりが見つかりますのよ?  
この世で、この子ほどケン様を守ろうとする強い意志は存在しない感じがします。”  
 
ミイは、タローとケンの二人の少年の教育係だった自分の記憶を思い出しながら、  
初音ミクには、セクサロイドとしての教育を施していた。  
しかし、異能OSの初音ミクに誘導されるまま、女としての教育をさせられていたことをミイ自身は気づかないでいるのだった。(続く)  
 

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