それは推定18歳になったリンが描かれた、一枚のイラスト。
長くなった髪、ひらひらのスカート、優しそうな微笑み…
そしてめいこさん並のバ ス ト!!!
――やだなぁ。キャラを巨乳化しちゃう人って必ずいるんですよね。
そして絶対こう言われるんです。
「おっぱいサイズ違うだろ」
私がそうだもの、なんて思いつつその絵についたコメントを読むと…
驚いた事に、賛同コメや嫁宣言ばかりで埋め尽くされていた。
「あらぁ、大人になったリンは美人さんね〜」
「め、めいこさん」
思わずわなわなと震える私の横で、めいこさんが感心したように呟く。
ほんと、うまく特徴残してるわ。私なんか変わりようないから〜なんて
めいこさんは若返っちゃう位ですからね…とは言わないでおこう。
「で、でもちょぉっと無理がないですかね?だって後4年ですよコレ」
出来るだけ、出来るだけ冷静を装って反論してみる。
だってリンちゃんは貧乳キャラだ。私と同じ。
しかも男の子のレン君と同サイズなのを気にしてる位なんだから相当なはず。
「この時期の4年は大きいわよ〜、レンだってぐんぐん身長伸びるんじゃない?」
「そんなの、キャラを無視してます!!
だったら私だって後数年で巨乳に「それは無いよミク!!」
思わず鬼の形相でまくしたてた私を制したのは―…カイトさんだ。
ん?なんか今失礼な事言わなかった?
いぶかしげにその顔を見つめると、彼はもう一度口を開いた。
「つまりね、ミク。リンとレンはそっくりだろう?
顔はもちろん体格も対した差は無いし、声だって似てる。
だけどレンの身長はリンより4cmも高い。」
「…それがなんの関係あるんですか。」
確かにレンの方が大きいが、二人ともヘアが賑やかなので
実際のところ、あまり差があるようには見えない。
「そこがポイントなんだ!鏡のような二人の4cm差。
この4cmには"もしかして数年後、差がもっと広がってるんじゃないか"なんて
妄想の入る余地がある!!体格が大きく変わってしまった二人に
萌えやエロス、はたまたノスタルジアを感じないか?!」
…うーん…めいこさんが咲音メイコになるギャップ萌えみたいな感じかしら…
「それに比べてミク、君は変わる必要が全くない。
今を生きるアイドルとして、容姿もネタも十分過ぎる程持っている。
仮に大きくなったところで他とキャラが被るのは必至!
よって、ミクのおっぱいがでかくなる可能性は 全 く 無いんだ!!」
思わず顔面パンチをしていました。