「お姉ちゃん……相談があるんだけど」  
ミクがもじもじと上目遣いで言う。  
子どもだ、子どもだ。って思ってたけど、こういう仕草はどこか女らしさを感じさせるようになったのは……  
「神威さんのこと?」  
コクリと控え目に頷くミク。その可愛さったら!  
 
あのね……そうミクが切り出そうとすると、  
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!リンの話も聞いて!」  
割って入ってきたのは我が家のAKY(敢えて空気読まない)っ娘リン。  
リンの恋の相手はレン。双子なのにおかしいって悩んでいたリンを励ましたおかげで今やキスまですませたらしい。レンってば手が早い。今時の子なんてそんなものかしら。  
 
「分かったわ。恋の悩みならお姉ちゃんに相談しちゃいなさい!」  
そう胸を張ったはいいけど、私だってそんなに経験豊富なわけではない。初めて出会った男の人がカイトで、私は彼にしか恋をしたことが無いんだもの。  
 
「うわあーお姉ちゃん、それノロケ?」  
リンがニヤニヤしながら私をからかう。  
ノロケじゃないって言い返したかったけど勝てる気がしなかったので黙っておく。ノロケじゃないもん。  
 
「で、相談って何?ミク」  
「あ、その……」  
ミクが顔を一層赤くさせる。  
 
「がくぽさん、多いの」  
「え?何が?」  
キスの回数かしら。別にそれは幸せなことじゃない?  
「だから、その」  
ミクがどんどん小さくなっていく。  
 
「出す回数が」  
「Hの時に」  
 
!?^ω^;;;  
 
 
え、え、ちょっと待って。  
「それって」  
「やっだあー!がっくんったら絶倫☆」  
リン!変な事口走らないで!どこでそんな言葉覚えてきたのよ!  
っていうか!  
「い、いつから!?」  
思わずミクに掴みかかる。  
急に大声を上げた私に驚いてミクの肩がビクリと震えた。  
「え……?だって、がくぽさんと付き合ったってことはお姉ちゃんに言ったはず……」  
「〜!そうじゃなくて、その、あの、初えっ……ち……」  
改めて言うのはとても恥ずかしい。羞恥で言葉尻が小さくなる。  
頭の上でシュウシュウと湯気が立ってる気すらするわ。  
「で、でもミク、気持ちよくって何回もイッちゃって……」  
「えーえー?いつもどれ位?」  
「……5回位……」  
多すぎです。がくぽさん。  
そりゃ、気分の時は2回位はしちゃうけど!  
ちょっと切ない顔で「ごめん、もう一回」とか言われたらキュンとしちゃうというか、ジュンとしちゃうというか。  
 
『ノロケはもういいよ』  
 
ごめん´・ω・`  
 
「と、とにかく!これって変じゃないかなあ?何回もイッちゃってがくぽさんに幻滅されないかなあ?」  
うっすらと瞳に涙を溜めるミク。  
その頭を撫でてやる。長い綺麗な髪がさらさらと指の間から溢れた。  
「そりゃ、好きな人に気持ち良くされた時は何回もイッちゃうわ。それは普通の事よ」  
普通じゃないのは茄子っぽいどの性能ね。  
ミクが安心したように笑う。まるで世界中が恋に落ちてしまいそうな笑顔。  
 
「いいなあいいなあ!レンなんてさー、リンから誘わないと来ないんだよー?だからまだ4回しか」  
 
ってお前までええええ!?  
 
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  
●その晩●  
「私達ってノーマルだったのね……」  
「はあ?」  
「……もっかいしよっか」「えっ、ちょwwめーちゃん押し倒さないdアッー」  
 
 
……何故かめーちゃんが激しかったです。いや、嬉しかったけど。byカイト  
 

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