自重とは難しい。特にその人の好きな物に関しては―
夜、俺はがくぽの付き合いでネットサーフィンから帰ってくるとリビングには
アルコール臭と酔いどれメイコ、所謂ダメイコがまた空の酒瓶を抱えて寝ていた。
幸せそうな顔して大の字で。
―とうとうやっちゃったか。
皆に誓いをたてて一ヶ月、一日二杯と決めて悪酔いする程飲まなくなり、皆して感心したのだが…。
ミク達は俺がネットサーフィンしに行くのと同時にレコに行った。今回のレコは夜通しになり、帰宅は明日との事。
皆がいないのをいい事に飲んでいるうちに、深酒してしまったのだろう。
俺は仕方ないなと苦笑しながら、部屋のアルコール臭を消す為にリビングに
繋がる台所の換気扇をつけ、窓を開けた。
ひんやりと心地良い夜風が部屋に入り、アルコール臭を消していく。
「―くしゅんっ!」
メイコがくしゃみをして起きた。
「ふあ…カイト、おかえり…あっ」
己の失態にやっと気付いた様だ。
「とうとうやっちゃったな、メイコ。」
俺はメイコの横に座り軽くデコピンする。
「うぅっ…見逃してよ。皆やマスターには黙っててくれる?
今回は誰にも迷惑かけてないんだし。」
メイコは目の前に手を合わせ、お願いと懇願する。
「誰にも迷惑かけてないって考え、それがいけなんだよ。」
お説教するか、と考えていると
「お願い、何でもするからぁ。」
と、メイコから出た言葉に俺の加虐心が首をもたげた。
―何でも?エッチな事でも?
今回の悪酔いを知っているのは俺だけだし。
「ほんとに何でもしてくれるの?メイコ。」
俺は邪な笑みを抑える事が出来なかった。
メイコは「しまった」という表情をしたがもう遅い。
「うっ…こ、今夜だけ、よ…」
交渉成立。俺はリビングの窓を閉め、メイコを抱き上げると俺の部屋へ直行した。
ベッドにメイコを座らせ、どう料理しようかと舌舐めずりをして考える。
「痛いのは勘弁してよね。」
わかってる、傷跡になる様な事はしないよ。…決めた。
「調教プレイ、やってみようか。」
俺は近くにあったスポーツタオルを取り、ズボンのベルトを抜いてメイコの両手
を拘束する。タオルの上からベルトで縛れば後にならないだろう。
縛られていく両手を見つめるメイコの瞳は次第に潤んでいく。
お次はベストのチャックを全開にし、胸を露にさせ、下は全て脱ぎ剥がした。
う〜ん…いい眺めだが、なんか物足りないなぁ…そうだアレだ!
俺はメイコの部屋に行き、鏡台にあるロック系のアクセサリーの中から、
犬が着ける様な首輪と鎖を取り出した。
もうお分かりだろう。メイコに着けて完成。
「う〜ん似合ってるよ、メイコ。」
俺はコートとマフラーをハンガーにかけ、椅子に座りニヤニヤしながら眺めていると
「…変態。」
と、メイコが毒づいたので俺はメイコを押し倒し、秘処に指を入れた。
「ひゃうっ…」
「もうビショビショに濡らしてる淫乱さんに言われたくなぁ。」
調教はもう始まっている。俺はメイコを見つめながら指を二本に増やし、中を掻き回す。
「やあんっ、はぅ…ああん…」
俺はメイコの首輪の鎖を引っ張り、逃亡を阻止する。
拘束した両手を上に上げさせ、互いの舌を絡める。その間も下を掻き回し、淫らな水音を奏でる。
「ふあ…んくぅっ、あぁんっイクっ…」
メイコが震えだし、イク寸前に俺は指を抜いた。
「え…?」
メイコは期待を裏切られ、切なそうな顔をして俺を見つめる。
俺はメイコの目の前で掻き回した指をゆっくり舐めながらこう言った。
「気持ち良くしてほしいなら、まず俺を気持ち良くさせろよ。」
俺はズボンのチャックを降ろし、下着ごと脱いだ。
天上を指す様に勃起している凶々しい俺自身をメイコの前に晒す。
メイコはいつもの様にしゃぶりつこうとしたが俺は
「待て、ベッドから降りて舐めろよ。」
と指示し、ベッドの端に腰を降ろした。
ベッドから降りたメイコは俺にひざまずく様な体制で舐めだした。
「んっ、んくぅ…」
俺はメイコの髪をすく様に撫でながら言葉攻めをする。
「ん…ほら、メイコが今舐めてる処、凄い張っているだろ?そこでメイコの中を
目茶苦茶引っ掻き回すんだよ。想像してごらん。」
「んぅ…」
メイコは内股を擦り合わせる様に可愛いらしく尻をふった。
「次は胸で挟んでみて。」
「うん…」
メイコは立て膝をし俺に寄り掛かり、肘で器用に胸をよせ俺のを挟み、はみ出た
先端を舌先で擽る。淫らな事をしているのに、まるで何かに祈る様な姿だった。
ふにふにと不思議な感覚と先端の刺激によって絶頂が近づいてきた。
「くっ…メイコっ…」
「え?ひゃっ」
メイコが口を離した途端、俺の欲望がメイコの顔に吐き出された。
ごめん、と謝ろうとしたがその必要はなかった様だ。メイコは口の周りの精液を
舐め取り、恍惚の表情を浮かべていた。
「一生懸命やってくれたからご褒美だよ。」
俺はメイコをベッドに寝かせ、足を広げさせる。秘口は俺を欲しがる様に蠢き、
先程の言葉攻めで膝まで愛液を零していた。
「だ、だめぇ…」
メイコはか弱く抵抗するが、それは俺の加虐心を煽るだけだ。もっと言葉攻めしてみるか。
「想像してこんなに濡らすなんて本当にいやらしいなぁ。おまけに下の
お口をこんなにパクパクさせてさ、そんなにコレが欲しいのか…淫らな牝だ。」
「…違う、違うもん…」
涙声で否定するメイコの濡れた秘処に吐息をふっと吹き掛けるとメイコの身体が跳ねた。
「どこが?我慢しないで素直になれよ。」
俺は秘処をゆっくり、じっくりと舐め上げた。
「だめっ、きゃうぅ…あぁっ!」
身体を弓なりにしてビクビク震えるメイコ。どうやらイッたらしい。
顔を覗き込むと、精液まみれで荒い吐息をはいていた。
さて、ちゃんとご褒美をあげないとね。
俺はメイコの足を掴み身体を割り込ませ、自身を垂直にしてメイコの秘処を塞ぐ様に擦りつけ、焦らす。
「あひっ、は、早くぅ…」
違う温度差を感じ、腰を上下に動かして懇願するメイコに俺は意地悪する。
「俺の何をどこに欲しいか、詳しくちゃんと言いなよ。」
その間も焦らし続けるとメイコは辛そうな声をあげる。
「意地悪…しないでぇ…」
「だって[今夜だけいう事聞く]んだろ?ちゃんとやらなきゃあ駄目だよ?」
子供に話す様な優しい声で諭す。
暫くしてメイコは小さな声で言った。
「カイトの、その立派な…おちん、ちんを…
あたしの、エッチなおま…んこに、入れて下さい…」
後半は涙声で聞き取り憎かったけど、よしとしよう。
「よく言えたね。ご褒美だ。」
メイコの愛液でたっぷり濡れた自身の先端を秘口にあてがい、一気に挿入した。
「はあぁんっ!」
メイコは大きな嬌声をあげ、身を激しくよじる。
「メイコの中、凄い熱い…ドロドロだ。」
暫く身体を動かさずにメイコの中を味わっていると、メイコが腰を動かしだした。
「あぁん、早くぅ、早く突いてぇ…引っ掻き回してぇ…」
全く、本当に可愛い過ぎる。
だから…誰にも奪われたくない、自分のものにしたい、一つになりたい、
支配したい、ちょっとだけ意地悪したい…
「人に何か頼む時、そういう風に言うのか?違うだろ?こんなに俺のを締め付けてさ。」
俺は首輪の鎖を引っ張った。
「ああん…お願い、します…め、目茶苦茶に、して…下、さい…」
これ以上じらすのは苦痛だろう。もっと楽しみたかったけど。
「ふふっ、いいよ。」
俺はメイコの両手の拘束を解き、強く抱きしめ腰を動かした。
「はぁんっ、カイトぉ…奥に当たって、あぁんっ」
「メイコ…メイコっ」
こうなると俺達はボーカロイドではなく、ひとつがいの獣と化す。
「ひっ…カ、イト…あぁんっ凄いっ、くぅぅ…もっと、激しくぅ…」
自身でメイコの中を引っ掻き、これでもかとメイコをよがらせる。
優しく、時に激しく腰を動かしメイコを貪り、快楽を共有する。
「あぁん、イイっ…もう…あぁあぁっ!!」
メイコが絶頂を迎えたが、俺は先程出したせいか余裕がある。
俺はメイコを強く抱きしめ耳元に囁く。
「足りない…もっとメイコが欲しい…」
ごめんメイコ。今夜だけ、俺は君に餓えた狼になる。
狂おしいくらい君が好き―自重出来ない俺の思い、形にしたい―
「ああんっ、イったばかり…ひいんっ」
もがく彼女を俺は力付くで抑えつける。
「だめぇ…壊れちゃう、カイト…はあんっ」
「俺の手で壊れるメイコ、見てみたいな。」
激しく腰を動かしながら優しく微笑む。…意地悪にしか見えないだろうな。
「意地悪ぅ…も、もう、許してぇ…」
「…涙声でその台詞、逆効果だよ。」
興奮した俺はメイコの腰をしっかりと掴み、自身を子宮口へぶつける。
「あんっ、あぁ…許して、下さい…はあぁ…」
段々力が抜けていくメイコと位置を変える。俺が下になり、メイコを上にして腰をしっかり捕まえ突き上げる。
「カイトぉ…あひっ…やぁん…あぉっ…」
メイコは涙と涎、精液まみれの顔でよがりまくっている。
「表情がいやらし過ぎるよメイコ。身体、起こして。」
「ん…」
なんだかんだ言って素直に言う事を聞く。自分に素直な子。
ここはメイコだけ動いてもらおうか。
「カイト…?どうしたの?」
「メイコ、自分で腰を動かしてごらん。俺を気持ち良くしたら動いてやるよ。」
俺は首輪の鎖を持ってメイコを見つめる。
「そんな…恥ずかし、ひゃうっ」
ウダウダ言ってるから下から突き上げる。
「ほら、コレが欲しいんだろ?早くしろよ。」
俺は意地悪そうにクスっと笑った。
「はうん…あああ…」
メイコはよがりながら身体を上下に動かし始めた。
結合部を見ると俺自身が見え隠れし、そこはいやらしい水音が溢れ出す。
チャームポイントの一つでもある豊かな胸もユサユサと揺れ、何とも壮観だ。
もはや発情した牝と化している。
「はひ…はあん、カイトぉ…おぉっ!」
時折下から突き上げる。
「カイトぉ、駄目ぇ…おかしく、なっちゃうぅ…」
「おかしくなっちゃえよ。」
そろそろだな。腰を捕まえ、下から強く突き上げてやる。
「メイコのエッチな処、俺を凄い締め付けてる…気持ちイイよ…」
「ひぃんっ、あうっ…くぁっ、カイトの…あひっ、突き上げて…あぉんっ」
腰をガクガク震わせるメイコはもう快楽で脱力状態だ。
身体を起こして座位にし、下から再度突き上げる。
「ああん…カイトの、熱い…溶けちゃうぅ…」
そんなメイコをぎゅっと抱きしめて首筋をゆっくり舐め、口付けする。
「メイコ、愛してる…」
「カイトぉ、あたしも、愛してる…」
淫らな行為の中、純粋な言葉を交わす。そろそろ仕上げるとするか。
俺はメイコを引き倒し身体を回転させ、再び正常位に戻す。
「ふあ…カイト、あたし…もう…」
メイコの絶頂が近い様だ。
「わかった。」
俺はラストスパートとばかりに激しく腰を動かし、メイコに快楽を与える。
「あぁんっ、激し…駄目っ、イっ、イっちゃ…」
俺も絶頂が近い。
「一緒に…イこう…」
トドメを射す様に激しく、二人して絶頂へと駆け登る。
「カイトぉ…!」「メイコっ…!」
互いの名を呼びメイコは果て、俺はメイコの中に熱い欲望をぶちまけた。
「カイトの、熱いのいっぱい出てるぅ…」
メイコの中で脈打つ余韻を感じながらメイコの頭を優しく撫でる。
少しの脱力感と征服感、そして愛する人との充実感に包まれる。
「もぅ…カイト、激し過ぎ…」
「ごめん。」
ちょっとやり過ぎたかなと反省する。
「でも、凄いよかった…」
「俺も。今回は凄いよかったよ。」
軽くキスしてメイコの顔を拭こうとサイドテーブルにあるティッシュに手を伸ばした―
そこへバンッ!と部屋のドアが勢いよく開かれ、現れたのは拡声器を持ったミクと
カメラのシャッターを切ってるリン。
「はい、そこまでっ!ボーカロイド01タイプ・メイコっ、同じくカイトっ!
あなたたちは完全に包囲されてるっ!速やかに投降なさーいっ!」
ミクの声とリンのシャッターに抱き着いて固まる俺とメイコ。
俺達、裸でしかも情事直後なんですけど…ミク達、レコじゃなかったのか?
そんな事、無問題とズカズカと部屋に入る二人。
ミクがニヤニヤしながら説明する。
「これね、最初はお姉ちゃんが誓いを守っているかどうかの調査だったの。でも
お兄ちゃんが早めに帰ってきたから、お兄ちゃんもちゃんとお姉ちゃんのお酒を
監視してるかどうか調べよう、ってマスターがw」
…がーっ!!やられたっ!!あの鬼畜エロマスターっ!!しかしもう遅い。
「リビングにカメラ仕掛けてあって、マスターの所から監視してたんだよ。
音声もバッチリwお姉ちゃんもお兄ちゃんもいけない大人だなぁ〜w」
リンもニヤニヤしながら説明。つかそのカメラ没収。
「ミク姉、証拠の空瓶見つけたよ〜。」
廊下からレンの声。レン、お前もか…
メイコは俺に抱き着いて密着し、身体を隠してる。だが、その感触を味わう余裕はない。
「おK。レン、バスタオル二枚持って来て。」
バスタオルを待ってる間、二人は俺達をマジマジと見て
「お兄ちゃん、お姉ちゃんの顔にケフィアを☆スプラッシュしたの?」
「おまけに首輪に鎖を付けてマニアック〜wやらしい〜www」
そんな事言われているうちにレンがバスタオルを持ってやってきた。
「はいよバスタオル。全く、盛り過ぎだよ二人とも。」
もう何も言えない。
「…あたしのせいよね?ごめんねカイト。」
「いや、俺も悪いし…」
共犯者であるメイコの言葉が唯一の救いか。
「はい二人ともシャワー浴びて。すぐマスターの所に連行するっ!」
この3人、ノリノリである。
とにかく俺とメイコはシャワーを浴び、マスターの所へ連行された。
―自重とは難しい。とくにその人の好きな物に関しては―