「んぅ…カイトぉ、いっぱいしてぇ…」
「解ってる。俺も限界…」
貪る様な口づけを交わし、カイトは一度あたしから離れて下着ごとズボンを脱ぐと、凶々しい肉杭がすでに天井を指していた。
(よく見ると凄い…ギンギンになってる…)
[あの夜]の怖さはなかった。むしろ早く欲しい。カイトのを見てると身体全体が疼いていく。
あたしは本能が命ずるまま自ら足を開き、淫水まみれの秘口を指で広げる。
「挿れて…カイト。」
「こんなに濡れて、そんなに寂しかったか…ごめん、気が付かなくて。」
カイトはあたしに軽くキスをすると、痛い程疼く秘口にギンギンな肉杭を一気に差し込む。その途端、あたしの身体は歓喜に震えた。
「ううぁっ、ひあっ…はあぁあんっ!」
あの時の様にビクビクと跳ねるあたしの身体をカイトが抱き締めた。膣内がキューっとなってカイトの硬い肉杭を感じていく。
あたし、こんなにもカイトが欲しかったんだ…
「はぁ…あたし、イッちゃっ…たぁ…」
「まさか挿れた瞬間にイクなんてな。こんなに吸い付きやがって…」
自分でも思わなかった。まさかカイトの肉杭が挿った瞬間にイクなんて。あたしの中にあった寂しさが、カイトによって安堵感
へと変えられていく。
「カイトの…いっぱい感じるぅ…もっとぉ、あぁっ」
「俺もだよメイコ。もっと感じさせてやるからな。」
カイトが優しく、ゆっくりと、でも確実にあたしのイッたばかりの膣内を突くように腰を動かすと、再びあたしの身体に快楽が走った。
「あんぅ、カイトぉ気持ちイイよぉっ、はぅっ…もっと、もっとぉ…」
何故だろう、[あの夜]の時よりも凄く感じる…歌を貪る様にもっとカイトが欲しい、あぁっ…あたし、どうにかなっちゃう、なっちゃうよぉ…
「いいんだな?どうなっても知らないぞ。」
そう言ってカイトはあたしを四つん這いにさせて、腰を掴んで最奥を激しく突く。 凄い、凄い気持ちイイ…カイトもあたしも性に餓えたケダモノだった。
「ひっ!ひいぃっ!あっうあぁんっ!おっ、奥気持ちイイッ!コンコンしてぇっ!あああっ!」
「ああ、突き上げてやるよ。」
カイトは意地悪そうに言いながら、あたしの最奥を更に突き続ける。あぁ、またあの感覚が…あたしは枕にしがみついた。
「はひぃ、うあぁっ、イッイク、イクイッちゃっ…うああぁんっ!!」
「おおっ…くっ…ああっ!」
カイトも同時にイッた。あたしの中で激しく脈を打ちながら、熱い欲望を迸らせた。
「あぁん、カイトの…凄いいっぱい…」
快楽で痙攣する身体が、カイトの欲望によって少しの疲労感と大量の充実感が駆け巡る。
一息ついて、カイトがあたしから離れると、秘口から欲望が零れていくのを感じた。やだ、離れないで。もっと、もっとカイトが欲しいの。
「カイト…もっとおちんぽ頂戴…」
あたしは肩で息をきっていると、カイトは優しい笑顔を浮かべて、あたしに肉杭を見せつけた。あたし達の白い愛液にまみれたギンギンおちんぽ。凄いいやらしい…
「一ヶ月もお預けだったんだ、まだまだやるからな。その前にこれ、舐めてくれよ。」
あたしは頷き、カイトのおちんぽをそっと手にとった。血管が浮き出て、杭みたいになってて凄いグロテスク…これであたしの
膣内を掻き回して気持ちよくしちゃうんだ。
「凄い、もうこんなに硬くなってる…」
まず先端を猫の様にチロチロと舐めてみる…不思議な味。何度か舐めて、思いきって杭の部分まで口の中へ呑み込んだ。
「くっ…」
「んっ…んう、く…んふぅ…」
舐める度にカイトのおちんぽがビクビクして可愛い。今度は出来る限り奥までくわえてスライドさせてみる。
「う…メイコ、あぁ…」
吐息混じりのカイトの喘ぎ声があたしの聴覚を擽る。駄目ぇ、カイトの喘ぎ声で身体が熱くなっちゃう…再び秘口がカイト欲しさに
痛いくらい疼いて堪らない。
「カイトぉ、あたし、我慢出来ない…欲しいよぉ…」
「大丈夫だよ、俺の上に座って。」
カイトはあたしの頭を優しく撫でると、そのまま腰に抱き寄せて二人の愛液が溢れている秘口に先端を捩じ込んだ。
「カイト早くぅ、あたしもうっ!」
「いやしんぼうだな、ほら。」
カイトの声と同時に腰が突き上げられ、秘口から[グジュリ]と卑猥な音をたてて膣内の愛液を押し出しながら、カイトのおちんぽが挿っていく。
「あひぃぃっ…いっ、イイのぉ…」
「さっき出したヤツが押し出されて溢れているんだよ。こんなにグチョグチョにして…興奮する…」
カイトはあたしの腰を掴み、逃げられないように腰を押さえ付けると、あたしの奥底を何度も突き上げた。
「ひやぁっ、気持ちイイのぉっ!腰、腰動いちゃうぅっ!」
するとカイトはあたしを抱き締め、熱い吐息混じりで耳元に囁く。
「それじゃあ…俺の上で腰を動かしちゃうメイコを見せて。」
もう羞恥心はなかった。手を離して横になったカイトの上で、あたしは本能の赴くままに腰を上下に動かした。
「はぁんっ、カイトのおちんぽ…奥にぶつかるのぉ…くぅんっ、ああっ!気持ちイイっ!あひぃんっ!」
動かす度に結合部からグチュグチュと淫らな音が奏でられてゆく。腰が…止まらない。
「そんなに気持ちイイか、嬉しいよ…」
その時、カイトの声に張りがないのを聴覚が感じた。カイトの様子がおかしい。あたしは一度腰を動かすのを止めて、カイトの瞳を覗き込む。
カイトの瞳は寂しそうだった。
「?どうしたんだいメイコ?」
カイトの大きな手があたしの頬を撫でる。あたしはその手を両手で支える様に受け止めた。
何か、怖かった。でも、カイトを知りたかった。
「カイト…どうしてそんな目をしてるの?あたし、変だった?」
するとカイトが首を横に振った。
「違うよ。ただ…俺、ちゃんとメイコの役にたってんだなって。それが嬉しいんだ。失敗作だから。」
「…!」
その時、あたしは初めてカイトの胸のうちを知った。
人間は、残酷だ。勝手に作って、販売して、売れなかったら失敗作扱い。カイトはその哀しい重圧に耐えていたんだ。
あたしは気付かないで…あんな言葉を… ([君を奪った夜]参照) あの時、何故あんな残酷過ぎる言葉を言っちゃったんだろう…悔やんでも
悔やみ切れない。 いつの間にかあたしは泣いていた。
「カイト、ごめんね…気が付かなくて…ごめんね…」
泣きながらカイトに覆い被さる。泣いてるあたしにカイトは慌てる。
「メイコ、どうしたんだ?」
「カイトがいなかったら…あたし、何も知らない歌うだけの人形のままだったんだよ?一緒に歌う楽しさも、自然も感情も恋も
何もかも全てカイトが教えてくれた…だから…」
あたしは無力だ。カイトの[失敗作の汚名]を返上させる力すら、ない。
「だから、だから…もう自分の事を失敗作なんて言わないで…」
自分ばかり満足して、カイトの気持ちを考えた事がなかった。自分の無力さが、愚かさが悔しくて…
あたしは咽び泣いていた。カイトを癒したい。でもどうすれば…そんなあたしをカイトは幼子をあやす様に背中を優しく叩く。
「わかったよ、メイコ。もう失敗作なんて言わない。こんな俺だけど、俺は最後までメイコと一緒に歌う。だから泣かないでくれ。それとー」
カイトはあたしを強く抱き締める。
「メイコが傍にいるだけで、俺は幸せだよ?それで充分さ。」
その優しすぎるテナーに、あたしはまた泣いた。
やっと貴方を知った。嬉しかった。
「カイト、愛してる…こんな、馬鹿なあたしだけど…最後まで、一緒に歌おう…」
2007年7月末、あたし達の世界が変わる一ヶ月前の事だった。