俺がまだ今ほど名が売れてなかった頃。  
 
メイコは歌で忙しくて知識を集める暇などなく、俺が来てから代わりにネットで  
知識を勉強し、彼女に教えるのと同時に[心]を少しずつ勉強させた。  
特にコミュニケーション。今まで一人ぼっちで歌うだけだった彼女には斬新だった  
様で、歌の為に経験を積み、早く心を知ろうと貪欲だった。  
日に日に彼女の感情は成長したが、彼女はKYなところがあった。  
時折、俺が傷つく様な事を口にし、俺を一時的にフリーズさせたりする事があった。  
俺は怒りを抑え、子供に諭す様に注意し…俺の中の、彼女への想いを抱きながら  
彼女を見守っていた。  
当時の彼女を騙して強引に奪うのはたやすかったろうが、自分の心までは騙せない。  
彼女が俺を想うまで自分の想いを抑えていた。  
 
そんなある日、彼女の明日歌う歌詞内容の調べ物で調べ損ねた箇所があり、それ  
が原因でケンカになった。その時メイコが言った台詞、  
 
「なによっ、販売元から失敗作と言われてるクセにっ!」  
 
その一言で…今までの怒り、疲れと共に俺はキレた。  
 
俺は彼女の腕を掴み逆手を取り、床へ押し付け跨がった。今まで彼女に手を上げた  
事はなかった。力と体格差なら俺が上だ、と言わんばかりに手首を強く握り、  
ドスの効いた低音でメイコに怒りをぶつける。  
「お前に…お前に何がわかるんだ、歌えない辛さ…分かるのか?」  
「カ、カイト…?」  
 
メイコが今まで聞いた事がない俺の声を聞き、驚愕する。  
「望んだ結果が出なくて[失敗作]呼ばわりされている俺の気持ち…俺が来るまで  
歌うだけだったお前に…何が分かる…」  
俺の言葉にメイコは危険を感じとったのか、段々と脅えていく。  
「カイト…ごめん。だからお願い、手、離して…」  
怒りと想いで黒くなった俺にはもうメイコの声は届かなかった。  
「やだね。」  
俺は決めた。彼女を奪うと。  
片手で器用にマフラーを外し、メイコを後ろ手に拘束した。  
その間メイコは暴れて抵抗したが、それは無意味なものだった。  
「カイトっ、やだっやだっ許してっ、ごめんなさい許してっ」  
何度も許しを請うていたが、俺はもう聞く耳を持たなかった。  
「壊してやるよ…」  
メイコの背中を預かる様に抱いて耳元で囁き、後ろから服に手をかけるとメイコは  
震え、止めて許してと泣き出した。  
ベストのチャックを下ろして、たわわな胸を晒し鷲掴みすると  
「ひゃんっ」と可愛い声をあげた。  
その可愛いらしい嬌声は俺の加虐心を煽り、エスカレートさせた。更にメイコの  
嬌声を求め、耳たぶ、首筋を舐め上げる。  
そして手を秘処へ移動させるとメイコは「止めて、お願い」と、か弱く首を振り  
懇願する。  
そんなメイコの願いを聞かずに俺は本能のまま手を下へ移動させスカートを  
托し上げ、足を絡ませ下着越しに秘処を弄る。  
「あっ…や、やめ…」  
びくんとメイコの身体が跳ねる。何度か秘処を擦っていると、じわりと布地が濡  
れだした。  
 
「フフッ、やらしいなぁ。もう濡れてる…」  
低い声で耳元で囁くとメイコは身体をよじらせながら否定する。  
「違う、違うの…あんっ、やぁっ…」  
言葉攻めに弱そうだ。俺は下着の中に手を入れ、直に触りだす。  
「こんなにビチャビチャじゃあ説得力ないなぁ…淫乱が。」  
俺は秘処に指を二本入れ掻き回した。  
「いやっ、ひゃあん…あっ、ああんっ」  
涙を零し、ビクビク震えるメイコ。俺しか知らない君を見たい。俺色に染めたい。  
「こんなに俺の指を締め付けて、感じてるんだろ?喜んでいるくせに。」  
耳元で囁き少し乱暴に指を動かす。  
「いやっ…駄目っあっ…あああぁっ!」  
身体を激しく震わせ、俺にもたれ掛かった。どうやら絶頂を迎えたらしい。  
淫水まみれの指を抜き、耳元で音をたててしゃぶるとメイコは「いや…」と  
力無く顔を背けた。その態度が俺を煽っているのに気付いてない。  
俺はメイコの前に周ってスカートと下着を脱がし秘処を目の前に晒した。  
そこは綺麗なピンク色の花びらが濡れている様で、秘口は別の生き物の様に蠢いていた。  
「ごめんなさい…お願い、許して…見ないで…」  
泣きじゃくりながら譫言の様に言うメイコ。本当に可愛いくて美味しそうな俺の獲物。  
ちょっと味見。  
両足を掴み身体を割り込ませ、蜜が溢れる花びらを味見した。  
「いやぁっ…やだ、汚いよぉ…」  
「メイコは汚くないさ。」  
汚いのは[メイコの全てを奪う]気持ちで渦巻いている俺。  
 
「あ、あひっ…やんっ」  
身体をくねらせ俺から逃げようとするが、俺は彼女の足を掴み執拗に舐め続けた。  
舐めれば舐める程メイコの愛液が湧き出てくる。嬉しいがこれではキリがない。  
蜜を吸うのはこれくらいにし、俺も服を脱ぎ、生まれたままの姿になった。  
自身は天井を指す様に先を上げ、まさしく凶器と化していた。  
男の凶器を初めて見たメイコは「ひっ…」と短い悲鳴をあげ、目は俺の自身に釘付け、  
恐怖のせいか身体を震わせている。まるで蛇に睨まれた蛙だ。  
「ごめんなさい、カイト、止めて…あたし、まだ…」  
恐怖と絶望を目に湛え、少しでも俺の凶器から離れようともがく。  
そんな彼女に俺は頬を猫みたいに一度舐め、意地悪な笑みを見せ、  
「欲しいんだろ?挿れてやるよ…」  
と、メイコを見つめながら自身を秘口に当てがい、無理矢理挿し入れた。  
「!だめっカイトっ!ひぎっ…いやあっ!」  
破瓜の痛みに悲鳴を上げ、首を横に振り、身体を震わせるメイコ。  
自身を引き抜くと少量の血がついていた。  
「やっぱり初めてか、俺もだけどさ。」  
俺はフフッと笑い、再びメイコの未開の地に自身を入れ、押し広げていく。  
「うぅ、痛いよぉ…あふっ…あん…」  
メイコの鳴咽をBGMにして自身を挿し進めていくと、先端が子宮口にゴリッとぶつかった所で  
、揃えた様にぴったりと収まった。  
「ひぅ…」  
俺のが奥にぶつかると、メイコは可愛い嬌声をあげた。  
本当によく出来た身体だと感心する。まさかここまで考えて開発されたのかと思うと、  
俺達を開発した奴らの一部は変態だと想像してしまう。  
まるでトドメを刺す様に、俺はメイコの首筋を甘く噛み、ゆっくり腰を動かした。  
「嫌っ、や…ああっ、やぁんっ」  
理性と本能が葛藤し、珠の様な汗を零しながら表情を歪ませているメイコに俺は優しく囁く。  
「そのうち…嫌と言えないくらい、気持ちよくなるよ…」  
 
「だめぇ…あぁ、いやぁ…はうぅっ」  
もはやメイコが墜ちるのも時間の問題だろう。  
メイコの中は本当に気持ちよかった。俺をこれでもかと締め付け、先端が子宮口  
にぶつかる度に頭脳回路が焼け切る様な、ゾクゾクした気持ちイイ衝撃が走る。  
これが[快楽]という物なんだろうか?  
―もっとメイコと感じたい―  
メイコの中を激しく掻き回したい衝動を抑え、見つめながら胸を揉み上げて  
ゆっくりとスライドさせる。  
「らめぇ…もう…ああんっ」  
メイコの表情が次第に淫らな牝へと変わっていく。  
「気持ちイイんだろ?アヘ顔でヒィヒィよがって、アソコを淫水まみれにして俺の  
をこんなにキュンキュン締め付けてさ…そろそろイクんじゃないのか?」  
「ち、違…あぁんっ…」  
感じながらも否定するメイコ。  
「素直になりなよ。」  
俺はメイコの首から肩へと花びらの様な痕を散らし、胸を愛撫しながら執拗に腰  
を動かし続けた。  
「だっだめ、同時に弄っちゃ…はあぁんっ!!」  
メイコの身体がビクビクと跳ねたところで俺は自身を引き抜いた。  
「はあ…あ、ぁん…」  
何故抜いたのという表情で俺を見つめるメイコに  
「もっと楽しみたいだろ?」  
と、涼しそうな笑みを浮かべてメイコに囁くと、恍惚の表情で弱々しく小さく頷いた。  
メイコは墜ちた。もう為すがままだ。俺はメイコの両手の拘束を解き、四つん這いに  
させ、後ろから盛りついた獣の様に激しく腰を振り犯した。  
 
「ふああっ…カイトぉ、あぁん…凄い気持ちイイ…」  
よがりながら淫らに腰を振るメイコ。  
メイコの全てを奪い永遠に俺のモノにする為、激しく引っ掻き回す様に突く。  
「はあん…激しいよぉ…もっとぉ…」  
「激しいのが好きか…」  
「好き…好きぃ…」  
体勢を座位に変え、下から突き上げながら強く抱きしめる。突き上げる度に嬌声を漏らす。  
「あんっあんっ…奥にっ、突き上げて、くるぅ…」  
「…壊してやるよ…」  
「壊して…壊してぇ…」  
そのまま押し倒して正常位にし、メイコの手に俺の手を絡ませ再び貪り続ける。  
「あっあっ…カイトぉ、あたし、また…あっ…」  
メイコに三度目の絶頂が襲い掛かる。  
「イクか…俺も、そろそろだ…」  
俺もこのままイけば、メイコは…そう思うと興奮し激しさが増した。  
「イク、イッ…イッちゃ…」  
快楽に震え出すメイコ。  
「イけ…」  
…俺のモノだ。  
「はあぁんっ!!」  
「くあぁ…っ!」  
メイコが果てるのと同時に、俺は欲望をメイコの中にぶちまけた。  
メイコを完全に奪った、俺のモノだ。  
 
失神したメイコの髪を手櫛しながら、俺は…次第に後悔しだした。メイコに酷い事をした。  
俺はどうしてあんな事でキレたんだ、我慢しなかったんだ、許してと泣きじゃくる  
彼女を力付くで無理矢理奪ったんだと。  
俺が壊したのは、彼女が抱いていた俺への信頼…もう元に直せない、戻れない。  
 
最低だ、俺は。嫌われたな…  
 
俺は服を着て部屋から出ようとするとメイコが目を覚ました。  
「カイト…」  
凛としているが、どことなく弱い声音。  
「…起きた?メイコ。」  
今、目を合わせたらメイコはきっと昨晩の事を思い出し、傷つくだろう。だから、  
背中を向けたまま話した。  
「メイコ、昨晩…」  
「カイト、ごめんなさい。あたし、カイトに酷い事言っちゃった…ごめんなさい…」  
メイコの涙声での謝罪。俺がもっと酷い事したのに…純粋なメイコに自分がした  
罪が重くのしかかる。まるで真綿で首を閉められる様な感覚。  
「悪いのは俺だ。我慢出来ずにキレて、嫌がる君を無理矢理奪った。  
それは許されない事だから…だから、これからマスターに事実を話して…俺を  
アンインストールしてもらう。」  
傷つけた俺がいなくなれば、メイコの傷が少しでも癒やせるだろうと、償える  
だろうと思った…でも違った。  
「嫌…嫌よっ、そんなの嫌っ!」  
悲鳴に近い声だった。驚いてメイコに身体を向けると、メイコは俺の胸へ飛び込んで来た。  
生まれたままの姿で。  
「メイっ、わぁっ!」  
俺はバランスを崩しメイコに押し倒された。  
倒れた俺にしがみつき、身体を震わせ泣きじゃくるメイコ。  
「嫌…もう、一人ぼっちは嫌っ…何処にも行かないでよぉ…」  
 
―思い出した。  
俺が世に出て暫くすると不具合が見つかり、バージョンUP兼メンテナンスの為  
2、3日留守にした事があった。  
帰宅するとメイコが大粒の涙を零し、固まっていた。  
マスターの話では俺がいないのを知るや否や、涙を零してフリーズ状態になった  
との事。  
俺と出会い、生活する事でメイコの[感情]が生まれ成長し、俺が一時的にいなくなった  
時に初めて一人ぼっちの怖さを知り、処理が追い付かなくなり固まったのだろう。  
その後、再起動して俺がパソコンに入るとメイコは「何処行ってたのよっ  
バカイトッ!」と泣きながら俺をボコった。  
 
メイコが一番傷つくのは一人ぼっちになる事だった。俺はたとえ消えても残された  
メイコをこれ以上傷つけたくない。アンインストールしてもらうのは諦めた。  
「…わかった、一人ぼっちにはさせないから。」  
 
俺は上半身を起こし、メイコの背中を赤子をあやす様にゆっくり優しく叩くと、  
「絶対、絶対よ。」  
メイコは泣き止み、まるで安心した子供の様に抱き着いた。  
俺はあんな酷い事をしたのに、君はこんなにも信頼してくれるのか。嬉しかった。  
 
そういや…してなかったな。  
 
順序は違ってしまったけど[どんな時も君を想い、必ず君の傍にいる、一緒に歌おう]  
という誓いを込めて、ゆっくりと唇を重ねた。  
突然の事に驚き硬直するメイコに、俺は今まで抑えていた気持ちを伝える。  
 
「遅くなったけど俺、会った時からメイコの事―」  
 

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