カイトとメイコの退場に、一同はしばらく呆気に取られていた。
「あたし、着替えてくるっ!」
最初に我に返ったミクが真っ先に飛び出して行き、処理を任されたがくぽは途方に暮れた。
残るは鼻血&気絶のレン、さっそく次のネタを考え出しているマスター、ふてくされているリン、だ。
レンは放っておけばその内気が付くだろう。問題は、マスターとリンだ。リンは現在の格好を恥じる様子もなくマスターの腕に絡み付いている。
「マスター、もう終わり〜?つまんなーい」
「ちょっと待ってろ、今次の案練ってるから」
「やりぃ!マスター最高!」
このままではカイトに顔向けが出来ぬと意を決しがくぽは割って入る。
「お二方、もうよした方が…」
ジロリと向けられたマスターの視線にがくぽは思わず言葉をなくす。主人の差し金により燃え尽きた前回までの経験が警鐘を鳴らしていた。
すると、マスターの頬がニヤリと緩んだ。おもむろにリンとがくぽに視線を巡らせ、口を開く。
「いま巷ではがくリンが台頭しつつあるらしいな」
がくぽの顔面が蒼白になった。
「そ、それは…問題では」
「本番なしなら構わんだろう。リン、行け」
「イエッサー!」
ノリノリモードのリンはさして疑問も持たずにがくぽの前にしゃがみ込む。
「口でオッケー?」
可愛らしい顔と声でそんな事を言われ、がくぽの思考はショートしかける。しかもリンの格好はサスペンダー水着のまま。
しかし倫理観や世間の声などを考え、リンの体から遠ざかろうとするが。
「ああ。おいがくぽ、抵抗しようなんて考えるんじゃないぞ」
脅しに近い宣告にがくぽがどうしたものか決めかねていると、さっさと着物の前がくつろげられ、リンの小さな手ががくぽの一物を引きずり出す。
「ふーん、割と立派」
ペロリと先端を舐め上げられ、がくぽは勃起を抑えられなかった。年齢に似合わず巧みな舌遣いに、このままリンに抜かれてしまうのも悪くないとちらりと思った瞬間――
「あれ?がくぽ、包茎?しかも何コレ大きさ変わってないし」
「ぎゃはははは!!まじかよ!これなんてデシャブ?」
マスターは腹を抱えて笑い出す。
がくぽの後頭部から煙が上がり始めた。メイコの時の恐怖がフラッシュバックする。
「うーん…」
意識が戻ったらしく、ごそりと音を立ててレンが起き上がる。ぼんやりとした頭が、片割れの置かれた状況を見て、一気に覚醒した。慌てて声を上げる。
「おいリン、何やってんだよ!」
「レン、これならレンの方がマシよねぇ?」
「お前、いつ見たんだよ。適当な事…」
レンはリンに近寄り、その後ろからがくぽの股間を覗き込む。目が一瞬点になる。
「え、勃起してコレ?ないわー」
「おwwまwwえwwらww」
プスプス…
「もー!マスター、あたしもう…ってみんなして何やってんの?」
「あ、ミク姉、見てコレ」
「んー…えっと、がくぽさん、ドンマイ」
プスプスプス…
「あ、真っ白になってる。マスター、もうやめて良い?」
「おう、仕方ないな。お前ら、ちゃんと歯磨きして寝るんだぞ」
「「「はーい」」」
がくぽは2日間真っ白なままだったと聞く。