「僕にだけ優しくしてよ、めーちゃん。
僕だけを特別だって思ってよ!」
「カイト、私は…んっ」
私の声はカイトの喉に飲み込まれた。
貪るようなキス、痛いくらいの抱擁に、私は息もつけない。
ツ、と糸をひきながら、ようやくカイトが離れた。
朦朧とした意識の中、このバカを引っ叩いてやろうと手に力を込めた、だけど
「めーちゃん、ごめん」
この世の終わりみたいな顔でカイトが言うから、何も出来なくなった。
「あっ…」
首筋に、胸に、カイトは沢山のキスを落としていく。
肌に荒い息を感じて体温が上がった。
今までカイトに聞かせたことのない声が漏れ出てしまう。
「あ……ゃだ…だめ……ッ!」
下着の中に手が差し込まれた。
吐息はこんなに熱いのにカイトの指は冷え切っていて
触れた冷たさに息が詰まった。
おそるおそる探って来る手付きに、余計感じてしまう。
「だめよだめよ…」
中を細長い指がうごめいて、暗がりに湿った音が響いた。
カイトだめよ、こんなこと。元の姉弟のままで別れなくちゃ。
別れる日が来ることを知って今まで必死で隠して来たのに
どうして今更こんな…
「めー…ちゃん…?」
涙が出た。
「だめよカイト…だめよ…」
このまま行ったら私、離れられなくなる。
「…ごめん」
カイトは私の涙をキスで拭って、
私の中に入り込んできた。
「んっ……!」
驚くほど熱いそれは、焦ったように私を突き上げる。
「ひっ……ん…だめっ、アッ、アッ…」
「ごめん、ごめん…」
ゆれる視界の中で、カイトが悲壮な顔をしている。
私は手を伸ばしてカイトにしがみついた。
さらに深く繋がって、混ざり合う。
これだけ深く繋がれば、覚えておいてくれるかしら?
「アッ…アンッ…ああっ…」
このバカ頭の中に、私の声を残しておけるかしら?
カイトの顔を引き寄せて、耳元でささやいた。
声がかすれる。息が苦しい。
「カイト、わたしを…忘れ…な…い…で…」