「がくぽ、マジ…で?」
『初音ミク』は頭から血の気ひいて行く音を確に聞いた。
「大人しくしておれば、そう酷い事はせぬよ」
『KAITO』はニッコリと余裕の笑みを浮かべ、ネクタイをシュルリと引き抜
いた。
逃れようともがいてみるも、頭上にまとめられしっかりと固定された腕や間に入
られた足。
『初音ミク』は華奢でか弱い。
何より圧倒的な体格差でもがいてみても意味がない。
『初音ミク』の長い睫が怯えと動揺でフルフルと揺れる。
「本当に可愛らしいのお」
『KAITO』は笑みを更に深め、服の上からゆっくりと右の胸の乳首辺りを刺
激する。
「やっヤメ!正気に戻れ、このど変態!!」
そう言われて、止める変態はこの世にはいない。
『KAITO』は眉間とコメカミ、首筋に次々と唇を落とし、左手は脇腹を伝い
、太股を撫であげる。
「ヤダっ!離して…」
『初音ミク』はなおもどうにか抵抗しようと身をよじる。
それが『KAITO』には楽しくて仕方ない。
嫌悪と怯えの混じった瞳ででも睨みつけてくる気丈さが良い。
このまま着衣でまず一回しようか。
「おや?『ミク殿』」
股の間に手をやると『KAITO』は嬉しそうに目をしばたかせた。
「上の口でいくら言っても此方は濡れてきておる。そんなに良いか?」
「ひぅ!!?」
パンツの上から2、3回擦ればひきつった悲鳴を上げる。
カイトも謎だった。
嫌で嫌でヘドが出そうな位何もかもが気持悪い。
例え己のボディだろうとボッコボコな只の塊(辛うじて有機物)にしたい位不快な
のに、なんなんだ。この反応は。
「ミクの体だからだよ☆」
パシャッとフラッシュがたかれ、『がくっぽいど』が帰ってきた。
「ミクはおにいちゃんにどんな事してもらってもうれしいもの♪」
『がくっぽいど』は本当に嬉しそうに角度を変え写真をとる。
「ねぇ、キセイジジツってこんなもんでいい?」
「そうだな。だが、全部挿入した所も撮っておいた方が…、ミク殿手を押さえて
おいてくれぬか?」
「うん、わかったぁ」
『KAITO』は己のズボンをずらそうと少し『初音ミク』から体を離した。
その瞬間である。
『初音ミク』は先ず『KAITO』のフル勃(ryした股間を蹴り飛ばし、顔に足裏
をお見舞いし、驚いて『がくっぽいど』が手を離した瞬間反動で立ち上がり、膝
まづいている『KAITO』の顎を蹴りあげ上体を反らさせ、ミゾオチを思いっ
きり蹴った。
なんというコンボ。
『KAITO』の活動停止を確認した。
そして、『がくっぽいど』の脳天に踵落としを決めてソチラも起動停止させる。
それらを無表情でやり遂げた『初音ミク』はデジカメを手にとり、丁寧にデータ
を消して行く。
二時間後。
「あ、はーい。どうぞお入り下さい。あ、他の二人ですか?ちょっと活動を停止
してもらってもます。え?『KAITO』の破損はメンテナンスセンターで無い
と無理ですか?…おいくら、位?補償の範囲内ですか。マスターに聞いてみます
ね。あっ?マスター、お仕事中すみません。色々ありまして僕一週間程メンテナ
ンスセンター行って来ますね」
何かを悟ったマスターは二つ返事で許可を出しました。