マスターがリンとレンを購入した。  
今日はインストール後初めての調教だ。  
リンは俺とMEIKOとミクに任せるといって、マスターは俺たちの隣の部屋にレンと共に消えていった。  
 
目の前ではMEIKOとミクによる調教という名前の百合プレイの真っ最中だ。  
最初は俺も混じっていたが、小さなリンの体に3人も群がると1人はなんとなく弾き飛ばされてしまう。  
MEIKOとミクを押しのけることなんてできないし、俺としては百合プレイを邪魔したくはない。  
しかし、一人何もしないでいるのもそろそろ限界だ。  
3人のあられのない姿を見て、俺も臨戦態勢ができているし。  
隣でレンの調教をしているマスターのところでも行くか。  
 
隣の部屋を開けると、まさにマスターによるレンの調教がクライマックスを迎えていたようだ。  
素っ裸に剥いたレンの腰の上にまたがったマスターが、容赦なくレンを調教している。  
「もっとリズミカルに!」  
「スタッカートを効かせて!」  
「ずっと同じ調子じゃなくて、強弱つけるのよ」  
マスターの言葉に必死に応えようとして腰を動かしているレン。しかしマスターはまだ満足していないようだった。  
「また手がお留守になっているわよ!」  
「マ…マスター…ボク…僕はもう…」  
レンはたしかまだ経験していなかったはず。そうするとマスターが初めてか…。  
俺でも辛かった鬼のようなマスターの調教では、初めてのレンがマスターの満足できる動きができるはずもない。  
腰の動きに集中するあまり、マスターの胸への愛撫がおろそかになっても仕方がないだろう。  
しかし、マスターは容赦しなかった。まさに鬼マスターだ。  
 
かろうじてマスターの胸に添えられていただけのレンの手を取って、自分の胸に押し当てた。  
と、同時にマスターの腰の動きが激しくなる。  
今まではレンの動きにあわせていただけのマスターの体が、レンの体の上で跳ねるように腰を打ちつけ始めた。  
容赦ないマスターの責めに、レンから悲鳴が上がる。  
「マスター!マスター!ああっ!」  
「わかった?一番盛り上がるところはこれくらい激しくするのよ」  
「あ…僕もう出ちゃうよ!マスター!…あうっ!」  
レンは一声高く叫んだかと思うと、マスターに腰を深く突き上げ果てた。  
しばらく二人の荒い息の音だけは部屋の中を満たす。  
静止していた二人の体も、マスターが動くことで時間が動き出した。  
レンの腰の上から立ち上がったマスターの中から、レンのものがずるりと抜ける。  
仰向けになって動けないレンの横にマスターが座り、優しくレンの頬をなでる。  
「よくやったわレン。初めてでここまでできれば上出来よ。これからもっと調教を繰り返せばよくなるわ」  
「マスターごめんなさい。僕だけが先にイっちゃって…」  
「大丈夫よ。練習を繰り返せばレンと一緒にイけるようになれるわ」  
「でも、マスターがまだ満足してない…」  
「気にしなくてもいいのよ」  
先ほどの鬼のような調教とは一変して、慈母のごとく優しくレンを慰めているマスター。あのギャップは反則だ。  
俺も体験してきただけに、今のレンの気持ちが手に取るようによくわかる。  
マスターはアメとムチの使い方がよくわかっている。  
 
マスターの魔の手に落ちたレンを哀れんでいると、マスターと目が合った。  
「さっきから見学とはいいご身分ねKAITO。リンの調教はどうなったの?」  
嫌な予感がする。俺の背中に冷たい汗が流れる。  
「リンはMEIKOとミクが二人がかりで調教していますから俺の出番がないです」  
思わず敬語になってしまう俺。  
「そう…」  
ぽつりとつぶやくと、マスターは艶やかな笑みを俺に向けた。  
「じゃあKAITOは私の相手をして。レンに先輩としてテクニックを実践で教えてあげて欲しいの」  
マスターが俺に手を伸ばす。俺たちボーカロイドを奏でるマスターの白い手に俺は誘われた。  
 

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