現在の俺、ベッドの上で、壁際に追いつめられている。  
現在のミク、俺の目の前で正座し、こっちを潤んだ瞳で見ている。  
現在のミクの格好、俺の上着1枚。  
 
 
 
……いったいなにがおこってるんですがおしえてますたー!!!(混乱中)  
 
 いやいやちょっと待てちょっと待て落ち着け落ち着くんだ俺!  
 確か俺は風呂から上がって、モナ王をかじりつつ部屋に戻って来た。うん、そうだ、口の中にまだ  
ほのかに残る甘味、これはまさしくモナ王だ。それで明日歌う予定の楽譜を見ながら予習をしていた  
ら、控えめなノックが聴こえた。姉さんも双子もノックなんてしてしないようなものだから(しなが  
ら入って来るとかノックの意味がないと思うんだ)ミクだって俺はすぐに分かった。ミクと俺は、先  
日、兄と妹のような曖昧な関係から、恋人同士になったばかりで、せっかく同じ家に住んでるんだか  
ら、夜にふたりきりで話をすることくらいあってもいいなって、思ってたから嬉しかった。それで、  
おやすみのキスなんかしちゃったりして…なーんてことも考えた。うん、正直に言う。  
 ……だけど、俺の上着一枚の姿でやってくるなんて、そんなの、想像もつかないって!!!  
 
「…お兄ちゃん……?」  
 
 ミクは頬を薄紅色に染めて、俺の事を呼ぶ。あぁもう可愛いよ、ミクは可愛いからやめて!その格  
好でそんな風に小首かしげないで!確かに今日の俺の仕事は裸マフラーだったから、上着は部屋に置  
いて行ったけど!帰って来たらなかったから、誰かが洗濯でもしてるんだろうと、軽く考えていた俺  
が悪かったよ!だってまさかミクが着るために持って行くだなんて、考えもしないじゃないかっ!!  
 
「お兄ちゃん、こういうの、嫌い…?」  
 
 うるっと目をさらに潤ませて、ミクは俺に問いかける。  
 その顔が今にも泣き出しそうで、俺はぶんぶんと首を振った。  
 
「て、ゆかね、ミク。なんで、俺の上着…」  
「女の人に、自分のYシャツだけを着せるのは、男のロマンだって言ってたから…お兄ちゃんのYシャ  
ツって見つからなかったから、上着にしたの。…やっぱり、Yシャツじゃなきゃだめなの!?」  
「いやいやいやいや、あのねそうじゃなくて…って、誰が言ってたの!?」  
「前に、お姉ちゃんが」  
 
 ねーさあああああああん!!!  
 あんたミクになんてこと教えてるんですか!きっとまた酔って変な事口走ったんだなああもう!!  
 
 姉さんに後で中止しておかなければなんて考えていると(確実に聞いてくれないけど)ミクの鼻を  
すする音が聴こえた。泣かせた!?え、俺泣かせちゃった!?  
 
「……やっぱり、マスターにYシャツ借りて来る……」  
 
 ミクは呟く。その目に溜まった涙は、今にも零れ落ちそうだ。  
 ミク自身も、恥ずかしいのだろう。そりゃそうだ。いくら姉さんにそそのかされたからとはいえ、  
こんな格好で俺の部屋にくるなんて、相当勇気がいったのだと思う。まぁ、Yシャツじゃないからダ  
メとか、そういう観点がおかしいのはまた別の話だけど!!  
 
「ミク!」  
 
 立ち上がり、俺の部屋から出て行こうとするミクの手を慌てて掴む。驚いたように身体を震わせた  
ミクは、ゆっくりと振り向いた。その大きな瞳に俺の姿が映ると、涙をぼろぼろと零した。  
 
「おに…ちゃん……」  
「そんな恰好しなくてもいいから!」  
「でも…ひっく…Yシャツ……」  
「Yシャツはいいの!第一、俺はミクにマスターの服を着て欲しく無いです!」  
 
 Yシャツだろうがなんだろうが、重要なのは「自分の服」を「彼女が着る」というところだろう。  
マスターのYシャツを着たら、ミクがマスターの恋人みたいじゃないか!…って、そうじゃない!  
 ひっくひっくとしゃくりあげているミクを、ぎゅっと抱きしめる。  
 
「ミクはミクのままでいいんだよ。どんな恰好してても、俺はミクがミクなら、好きだから」  
「ほんとう…?」  
「本当です」  
 
 涙をすくうように、目許にキスをする。髪、額、頬と辿ったあと、唇に口付けた。  
 
「……わたしも、お兄ちゃんなら、どんなお兄ちゃんでも好き」  
 
 恥じらうようにミクが笑う。あ、やばいと俺は思った。  
 なんとか紳士的に振る舞ったとはいえ、俺もオトコなわけで。ミクは俺の好きな子なわけで。  
 ……そんでもって、こういうシチュエーションを想像したことがないわけではないのであって。  
 
 まるでばりっと音がしそうなくらい、勢いよくミクを引きはがした。突然の事に、ミクもきょとん  
と目を丸くしている。  
 
「それじゃあミク、そろそろ寝ようか!」  
 
 動揺を悟られないようになんとか笑う。気付かれるな俺!気付くなミク!  
 すると、さっき笑ったのが嘘のように、ミクは表情を歪ませた。みるみるうちに涙が溜まっていく。  
 
「み、ミクっ!?」  
「や、やっぱりYシャツじゃないからダメなんだぁ…っ!」  
 
 まだそこにこだわるの!?  
 
「だ、だからそうじゃなくって!」  
「わっ、わたしはっ、おにいちゃんと…ひっく…いっしょにいたいのにぃ!」  
 
 ミクは声を上げて泣きながら、俺の服の裾を握りしめた。涙が頬を伝い、零れていく。  
 そりゃ、俺だってミクといたいけど!でも、でもねっ!!  
 さっきのように抱きしめるわけにもいかず、俺はおろおろとするばかりだ。髪を撫でたり、弁解し  
てみても、効果はない。  
 
 きっとミクが望んでいるのは、俺の部屋で一緒に話をしたりとか、そういったことなのだろう。  
ちょっと前の俺は、それだけでミクを部屋に返せたかもしれない。でも、もう今は無理なんだ。  
 
 ごくりと息を飲む。  
 
「ミク」  
 
 俺の声色が、真剣味を帯びているのに気付いたのか、ミクは声を上げるのをやめる。涙はぽろぽろ  
と零れているが、じっと俺を見ている。  
 
「俺も、ミクと一緒にいたいよ。でも、今日はダメなんだ」  
「どうして…っ」  
「俺は、男だから。わかる?」  
 
 言った直後は意味が分からなかったのだろう。小首を傾げたミクは、ふと気付いたように視線を下  
に移した。ズボンの中でも分かるくらい怒張したそれが、ミクの目に映る。かああっとミクの顔が一  
気に赤く染まった。  
 
「……そ、そういうわけだから。今日は…」  
「………いいよ」  
「…………え?」  
「わたし、お兄ちゃんなら、いいよ」  
 
 赤い顔のまま、ミクが言う。そして、自分から俺に抱きついた。  
 
「で、でもっ」  
「いいの、いいもん!わたし、お兄ちゃんと一緒にいたいもん」  
「だけどミク…」  
「わたしも、お兄ちゃんと、したい」  
 
 背伸びして俺に口付ける。  
 こんな可愛いこと言われて、可愛いことされて、だめだよなんて、言える訳が無い。  
 はにかんで笑うミクが愛しくて仕方が無い。俺はそのままミクを、ベッドにそっと押し倒した。  
 
「途中で、やめられないよ?」  
「いいよ、わたし、お兄ちゃんが好きだから」  
「そっか。…俺も、ミクが好きだよ」  
 
 そう言って、ミクに何度もキスをする。啄む様な軽いものから始まって、だんだんと深くなってい  
く。舌をねじ入れると、びっくりしたのか、ミクの舌が縮こまる。だが、その内におずおずと応える  
ように絡めた。唇を離すと、どちらともつかない唾液が、シーツへと落ちる。ミクも俺も、はあはあ  
と荒い息をしていた。  
 ミクが着ている、俺の上着のファスナーを下ろしていく。想像していた通り、ミクは下着すらつけ  
ていなかった。  
 
「本当に、上着一枚だったんだね」  
「だって……」  
「もう、これからこんなことしちゃダメだからね。…俺以外の前では」  
 
 わざとらしく畏まって言うと、ミクは小さく笑った。  
 露になった胸を、包み込むように撫でる。指先が桃色の先端に触れると、ミクの身体がびくっと震  
える。胸の柔らかさを堪能するてのひらの中で、乳首がつんと主張している。それを、控えめにつま  
んだ。  
 
「ふぁっ」  
 
 鼻にかかった様な声を上げ、ミクは俺の服をぎゅっと掴んだ。  
 
「ごめん、痛かった?」  
「ち、ちがう…だいじょうぶ」  
 
 慌てて問い掛ける。ミクはふるふると首を振った。  
 首筋も、胸元も、ほんのりと赤く染まっている。ちゅ、ちゅ、と音を立てて口付け、そのまま先端  
を口に含んだ。  
 
「あ…んん…っ」  
 
 ころころと、乳首を飴玉のように舐める。ミクは喘ぎながら、俺の頭を抱きかかえた。  
 
「やっ…あっ、ああっ」  
 
 舌先で転がしたり、甘噛みしたり、吸い上げたりするたびに、ミクは息が混じった高い声で喘ぐ。  
こんなミクの声、聴いたことがない。……俺以外に、聴かせたくない。  
 唇で乳首を啄みながら、ミクの足の付け根に触れた。びくりとミクの身体が震える。  
 
「あ…っ」  
 
 ミクのそこは十分に濡れていた。指を動かすたびに、くちゅくちゅと音がする。  
 
「ひゃ!…あ、んんっ」  
「ミク、声我慢しないで。全部聴かせて」  
「で、でもっ…ふああっ、はずか、し…よぉっ」  
 
 顔を真っ赤にして唇を噛み、必死で声を押さえてるミクも確かに可愛い。でも、そんなことしてた  
ら、唇を傷つけてしまうだろうし、なにより俺が、ミクの声をもっと聴きたい。  
 額に軽くキスをして、脚を持ち上げる。ミクが慌てて両手で隠してしまう前に、俺はミクの脚の間  
を覗き込む。ひくひくと震えるそこに舌を這わせると、ミクは一際高い声を上げた。  
 
「やあっ!…だめっ、おに、ちゃんっ!き、汚いよっ」  
「綺麗だよ、ミクのここ」  
「あっ、ああっ、だめぇ!だめな、のぉっ!」  
 
 奥から止めどなく零れ続ける愛液を、すくうように舐めていく。指を差し込こんで、かき回す。視  
線を動かすと、うわ言のようにだめ、だめ、と喘ぐミクが見えた。  
 ぷっくりと主張する陰核にちゅっと口付け、俺はミクのそこから顔を離した。  
 はあはあと荒い呼吸をしながら、熱情に染まった瞳でミクは俺を見る。無意識のうちに、太ももを  
すりすりとこすり合わせている。俺は、ミクの髪を撫でながら、ズボンを下ろして下着をずらした。  
 
「いれるよ、ミク」  
「おにいちゃん……、あの、あのねっ」  
「ん?」  
「手、握って」  
 
 ミクの手が、俺の手をきゅっと握りしめる。俺は、わかった、と笑って、握り返した。  
 
 先端をミクの入り口に宛てがう。ミクが、息を飲むのが分かる。  
 大丈夫だよ、と呟いて、そのままゆっくりと挿入した。  
 
「あ、ふぁっ」  
 
 狭い。奥へと進めるたびに、ミクの中が異物を拒むようにきゅうきゅうと締め付ける。思わず果て  
てしまいそうになるのを堪える。ミクも、つらそうに表情を歪めている。繋がった手の力が、強くな  
っている。  
 ほとんどがミクの中に収まって、俺ははぁっと息を漏らした。  
 
「ミク、大丈夫?」  
「だいじょ、うぶ」  
「本当に?無理しなくていいから」  
「へいき、おにいちゃんとひとつになれて、わたし、うれしいもん」  
 
 つらそうな顔のまま、ミクは笑う。頬がかぁっと熱くなるのを感じた。ミクが可愛くて、愛しくて、  
たまらない。  
 そっと唇にキスを落とすと、俺はそろそろと動き出した。  
 
「あ、ぁああっ!」  
 
 ミクの身体をいたわるように、なんて考えていたけど、情けない事にそんな余裕はなかった。ミク  
の中は気持ちよくて、ミクの口から漏れる声がもっと聴きたくて、俺は腰を打ち付ける。  
 ベッドのスプリングが軋む音、肉と肉がぶつかり合う音、ぐちゃぐちゃという淫らな水音、ミクの  
嬌声、俺の荒い息。全てが、俺の興奮をかき立てていく。  
 
「おに、ちゃんっ、へん…わたし、へんだ…あっ…よぅ…っ!」  
「ミク、もっと、もっと聴かせて…っ!」  
「や、ああっ、おに、ちゃんっ、おにい、ちゃんっ!」  
 
 俺を呼ぶ度、ミクの中がきゅっと俺をしめつける。俺は、くっと眉を寄せた。  
 ストロークがだんだん激しくなる。止められない、止められるわけがない。  
 焦点の定まらないミクの瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれる。俺は、何度も何度もミクにキスをした。  
 ミクの喘ぎ声が、だんだんと高くなる。  
 
「おにいちゃ、すき、すきいぃっ!!」  
「ミク…っ!」  
 
 ミクの身体が弓なりにしなり、内壁が収縮する。搾り取る様なその動きに、俺もミクの最奥で全て  
を吐き出した。  
 
 
「ねぇ、ミク?」  
「なぁに?」  
「いつまでそれ、着てるの?」  
 
 事後処理を終わらせて、ベッドでごろごろとしている間も、ミクは皺だらけになった俺の上着を着  
ていた。さすがに洗濯したいんだけどなぁ。けれどミクは、上着を渡す事無くへへっと笑った。  
 
「だって、お兄ちゃんのにおいがして、なんだか幸せになんだもん」  
 
 まさか、そんな可愛いこと言われるなんて、思わなかった。  
 そのまま、ミクをぎゅっと抱きしめる。ミクも俺の身体に腕をまわして応える。ちゅっと額にキス  
をした。  
 
「だからね、お兄ちゃん。お兄ちゃんのYシャツがどこにあるか、あとで教えてね!」  
 
 ……まだ、Yシャツにこだわるんだね。  
 
 
END  
 

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