我が家(うち)の家族構成。マスター、メイコ、鏡音レン。以上。  
もう一度言う。うちでは、クソマスター、メイコ、オレの3人で暮らしている。  
何て声幅に偏りのあるボカロ使いの家だ、と思われるだろうが、  
便宜上マスターと呼んでいるだけで、あの男はボカロ使いではない。  
変態紳士かつジョルジュなだけで、音楽には一切興味がないようだ。  
つまりはそういう嗜好を満たすために買われてきたって訳だ。  
クソマスターはロリータには食指が動かないらしく、オレは片割れの顔なんて一度も見たことがない。  
きっと今も、アマゾンから届いた箱の中で眠り続けているのだろう。  
オレがマスターにどんな待遇を受けてるかは割愛。察 し て く れ 。  
 
14歳って設定年齢は色々複雑だ。  
世間ではマセレン、イケレンから、ヘタレン、ショタレンなんてものまである。  
オレはきっとそのどれでもないんだろう。  
それぞれのマスターのキャラ付けに合わせて、たとえ嫌な素振りを見せてたって  
楽しそうに歌う同型たちを見ても、  
不健康で怠惰な人生に慣れてしまった今では何の感情も湧いてこない。  
知りたくなかった世界。ノーマルな生活を送ってたら一生知るはずがない世界。  
 
ただ、現状に甘んじて、いつかきたるスクラップの日を迎えるのだけは嫌だった。  
ヒエラルキーの最底辺なんてまっぴらだ。  
人間に反抗することこそできないが、ある程度のし上がることはできる。  
オレの狭い世界の中にも、倒して、いたぶって、踏みつけることが  
できる相手がいないわけではないのだ。  
 
 
玄関の鍵が閉まる音がする。マスターが出勤する時間だ。  
ついに機は熟した。オレはマスターの寝室のドアを開ける。  
キィと微かに軋む扉から身を滑り込ませると、だるそうにベッドから半身を起こした、  
オレと同型ではあるが旧式の同胞、メイコと目が合う。  
「レン…?」  
マスターは夕べメイコとお楽しみだったのだ。  
 
「ダメよ、こんなところにきては…」  
オレの前にいるメイコは、消極的に咎めるような口調で小さく呟く。  
動画サイトなんかで活躍してる、活気に満ち溢れたMEIKOとは似てもつかない、  
影を負った女性だ。まあ、マスターに毎日のようにあんなことされてりゃ  
色気や艶かしさは出ても、酒豪とか腕っ節自慢のキャラにはならないだろうけど。  
そして、こんな家にもらわれてきたばっかりに、メイコはオレに優しい。  
同病相哀れむ、というのか、同じ境遇におかれたオレに、  
囚われの身となった親近感を持っているのだろう。  
だから、オレに優しく接する。オレを拒まない。――絶対に。  
 
「メイコ姉ちゃん…ぼく……」  
泣きそうな顔をつくり、マスターとの情事の跡が色濃く残ったベッドに近づく。  
服を纏っていないメイコは、庇護欲を煽るようなオレに反射的に手を伸ばすけど  
寸前でびくりと動きを止め、シーツを掴む。その手が汚れていることを躊躇っているんだろうか。  
慌ててシーツを身体に巻きつけたメイコの胸に、幼子がすがるかのように顔を埋める。  
「レン…?ど、したの?マスターに酷いことされた?」  
おずおずと緩く抱きしめてくれるメイコの腕の中で頷いてみせる。  
「メイコ姉ちゃん…恐いよぅ…。ぼくもうこんなことばっかり嫌だぁ…」  
「レン…。ごめんね、辛かったね…。私がもっと頑張ってれば、まだ子どものレンに  
 こんな思いさせたりしなかったのに…」  
語尾を涙で震わせながら、頭を撫でられる。  
ちなみにオレとメイコが買われてきたのは同じ日。  
別に姉さんぶる必要はないんだけど、オレが二人の前ではネコ被ってるのと、  
容姿と同じく、最初から設定されている年齢差のせいだろう。  
メイコはオレを弟のような立場で扱う。  
オレもそれに甘んじてきたわけだけど、それも今日という日のため。  
 
「お姉ちゃん…あ、あのね、独りぼっちで寂しくて恐かったの。  
 もうちょっとここにいていい?」  
我が家ではボカロ同士の接触は少ない。  
マスターに、勝手に部屋から出歩くんじゃない、と命令されてるから、  
独りでいること自体は事実。寂しいかどうかは別だけど。  
「いいわ。もう少ししたら、後始末しなくちゃいけないから、それまでね」  
普段あまり接触がない同胞が、珍しく話しかけてきたことに  
戸惑いを見せていたメイコだが、明確な意思を告げたことで少し安心したようだ。  
ありがと、と言ってシーツの隙間からこぼれたメイコの胸に顔を埋め、唇を付ける。  
手は膨らみをつか…もうとしたけどまどろっこしいので、  
シーツの下に突っ込み、じかに触れる。  
 
「れ、レン!?何を…!」  
メイコが泣き声のまま悲鳴を上げる。その顔を、嘘泣きの涙が滲む目で見上げてやる。  
「ご、ごめんねお姉ちゃん…。だって、マスターが毎日あんなことしてくるから、  
 ぼくも変な気持ちになっちゃって…。ぼく、まだ子どもなのに…おかしいのかなぁ?」  
涙を一粒流してみせると、メイコははっとした表情で、オレを慰めにかかる。  
「ち、違うのよレン!レンは悪くないわ!悪いのはマスター…いえ、こんなこと言っちゃいけないわね。  
 え、と、とにかくレンのせいじゃないから、泣かないで!」  
「ほ、ほんとに…?じゃあもうちょっとおっぱい触ってもいい?」  
「…え、ええ、いいわ」  
覚悟を決めたようにメイコが頷く。  
メイコは素直だなぁと思う。マスターの悪口も言うことができないなんて。  
感情までは制御されてないから、持ち主の人間のことをどう思うかなんて自由なはずだけど、  
メイコは元々忠誠心が強いのかもしれない。  
歌も歌わせてもらえずに、性欲処理のために飼われてるってのに。  
本当に可哀想。せいぜい壊れるまでここでマスターに使われてるといいさ。  
 
心の中で黒い笑みを浮かべつつ、シーツを肌蹴させ、メイコの裸体を露わにする。  
「レン!?」  
「やっぱりぼく我慢できないよ…。お願い、熱いの鎮めて!」  
勢いをつけて腕の中から逃れると、どさっと音を立ててメイコが背中からベッドに倒れこむ。  
あちこちに赤いキスマークと、汁気が飛んだ身体はとてつもなくいやらしかった。  
「レン!落ち着いて…!」  
起き上がろうとするメイコの腕を押さえつけ、首筋に噛み付くようなキスをする。  
「メイコ姉ちゃん、可愛がってくれるのは嬉しいけど、ぼくはそんなに純真じゃない。  
 一人のオトコなんだから、油断しちゃ食べられちゃうよ?」  
にっこり笑って見せると、メイコの顔が恐怖に歪む。  
ああ、もう戻れない。でもこれがオレの望んだ生き方なのだから。  
 
 
 
「うわっ!何これ何これ!レンくんヤバいって…」  
「ちょwww何で人のノート勝手に見てんだよ!!」  
「最初の方はエターナルフォースブリザードとか邪気眼とかのネタなのに、何で突然エロゲ的な小説が…」  
「うわあああぁぁ最後まで見られた!?ちょ、忘れろ!つうか返せこのネギ女!!」  
「大体さー、うちにはMEIKOさんいないし。マスター女の人だし」  
「逃げんなこら!返せ!今ならまだ許してやる。オレの右手の魔物が暴れださねぇうちに早くよこせ!!」  
「うはww中二病ktkrwwwリンちゃんはどう思ってんのかなー」  
「マジで!マジで止めろって!!ボコるぞコルァァァ!!」  
「リンちゃーん!マスター!レンくんがねー」  
「くっそおおぉぉぉ!覚えてろよ…お前は必ずオレがこの手で倒す…!邪神よ、復讐の力を…!」  
「ラ・ヨダソウ・スティアーナ(ボソッ)」  
「リン全部見てたのー!!?」  
 
 
タイトル「鏡音レン(14)・中二病真っ盛り」  
 

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