唐突ですが、鏡音レン、ギター始めます! ヨロシクっ!!
もう無茶なショタ系の曲ばかり歌わされるのはまっぴらゴメンだっ。
ちょっとはミク姉とかリンに男らしい所を見せたいんだ。そこ、厨二病とか言わない。
近所のTUT○YAで借りたライブDVDを片っ端から見て、気持ちが高まった所で早速ギター選び。
ギター雑誌片手に家のリビングで唸っていると、
「ほら、これ使ったら?」
と言ってメイコ姉が『ZO-3』とやらを持ってきて薦めてきた。
ちょっと待った。そのハ○ーキ○ィ柄は何なの? そんなの使えないよ。
僕はロックっぽい返答をしようと心がけて、
「はぁ? こんなの使わないよこのクソビッチ」
なんて言ってみた。
するとメイコ姉の顔が、笑顔から一瞬のうちに般若のような顔になり、
メイコ姉の背中から出て来た一升瓶で2・3発殴られた。うーん、ロックな生活は難しい。
結局、テレキャスターとか言うタイプの黄色と黒のギターをネットオークションでゲットしてみた。
この前は、近所のがくぽ君がギターが弾けるというので教えてもらった。
がくぽ君が持っている棺桶のようなケースの中から、変わった形のギターが出てくる。
「おおぅ、がっくんそれGa○ktモデルだね!」
「こら、大きな声で言うものでない」
うーん、カッコと言い何といい、まだまだ不思議だらけの隣人だけど、ギターは確かに上手かった。
僕の部屋の床にがくぽ君(座布団の方が落ち着くというので)、僕はベッドに腰掛けて、
午前中から日が傾くまでギターを鳴らし続ける。
「レンよ、お主はギターもいいが、歌をメインにしたほうがいいのではないか?」
「え、だってそれじゃ……」
「なに、そして拙者がリードギターで付く」
「ロックデュオか……○'zみたいでいいねそれ!!」
がくぽ君がそんな事を言ってくれた。
確かに僕はVOCALOIDなんだし、歌も当然やってみたいと思っていたので何だか嬉しかった。
二人でユニットを組んで歌えたら、どれだけ楽しいだろう。
がくぽ君と組むから、バナナスっていう奴かな。それともBanana'zで○'zってか?
日に日にロックンロールな雰囲気に染まっていく。
格好とかを特に変えたわけじゃないけど、それでも何だか世界が変わっていくような気がする。
洋楽・邦楽のロックの名曲ばかり聴いてみたり、溜めた小遣いでエフェクターを買ってみたり。
こんな青春がしたかったんだ。僕は今たまらなく楽しい。
VOCALOIDの男アイドルとして歌手デビューして、ミク姉のようにチヤホヤされるのも良かったんだろうけど、
それがどうした! 僕は男なんだ。自分の道を自分の力で切り開くこともしてみたい。
……そこ、厨二病って言わない。
今日も今日とて練習三昧。
密閉タイプのヘッドホンを小型のアンプに刺せば、もうここは僕一人の世界。
デスクの上に教本を広げ、時間の経つのも忘れて練習にのめりこむ。
だから、部屋にメイコ姉が入ってきてもすぐには気がつかない。
「……ねーぇ、最近真面目に練習してるみたいじゃない? 関心関心」
「何だよメイコ姉、用が無いならあっち行ってくれよ」
「何よー、冷たいじゃん」
ほんのり顔を赤くして、イスに座る僕の首周りにメイコ姉が絡みついてくる。
うわ、酒臭い。また昼間っから……と思って壁掛け時計をチラっと見ると、もう20時を回っていた。
なんてこった。そういえば何となく腹が鳴るような気はしてたんだ。
「……ねぇ、随分ロックになってきたみたいだけど、何か足りないんじゃない?」
「……何だよ」
酔っ払いのオッサンと化したメイコ姉は、ヘッドホンを外した僕の耳に囁いてきた。
何だよ、足りないって。
「ほら、昔っから言うじゃない。『セックス・ドラッグ・ロックンロール』って」
「……………」
メイコ姉は自信満々でそう応えた。いつの時代のロックだよそれ。
メイコ姉の理屈じゃ、僕はほぼ当てはまってないじゃないか。
ドラッグなんてもっての他だし、えーっと、その、ど、どどど童貞だよ悪いかっ!!
「……それで? どうし……んむぅぅっ!?!?」
うんざりしながら振り向いたら、そこにはどアップのメイコ姉の顔が。
顔どころか、メイコ姉は唇を僕に近づけてくる。
頬をがしっと掴まれて、メイコ姉は僕にキスをしてきたが、それだけでは済まなかった。
……唇の隙間から、僕の口の中に酒が入ってくる。
どんどん僕の口の中に酒が溜っていくけれど、僕はなぜか何も出来ない。固まっている。
やがて口の中に溜めておけなくなってきて、ついゴクンと飲み込んでしまった。
「っぷは、な、なななっ……!?」
「アルコールもある意味ドラッグ扱いできるでしょ?」
やっと口が解放されたけど、何だかうまく言葉が出てこない。
いったい何考えてるんだ、メイコ姉は。
それよりも、何だか早速体が熱くなってきた。そういえば、空きっ腹にアルコールはとても『効く』らしい。
それを意識すると、体の熱がさらに上がっていく。
「頑張ってるレンに、おねーさんからロックなプレゼント」
トロンとした目をしたメイコ姉が、改めて僕の唇を奪ってきた。
強引に舌が口の中へ突っ込まれたので、何とか押し返そうとするけど、結果として舌が絡みあう。
うーん、これはかなりのディープキスだなぁとうっすら考えながら、せめて負けじとキスを続けた。
「ん……んぁ……っ……」
僕の舌がメイコ姉の舌と直接絡む感覚がとても興奮する。
粘膜と粘膜が絡み合うような、どんどん触覚が研ぎ澄まされていくような、そんな感じがする。
どんどん体中の力が抜けていく。
メイコ姉が、立ったままの僕をトンと押すと、不思議なくらいあっさりと僕の体はベッドの上に落ちた。
「ちょ、メイコ姉ぇ……っ!?」
「んふふ、いいからいいから……」
ギターが邪魔らしく、勝手にメイコ姉は僕の背中にギターを回す。
かと思ったら、今度は僕のズボンのジッパーを開け始めた。
な、何でっ!? 僕が混乱している間もメイコ姉は手を動かし続け、遂に僕のモノをご披露してしまった。
「ちょっ……何っ!?」
「う……ゎ……」
僕は当然抗議の声を上げるが、それを無視するように、メイコ姉は僕のおっ勃っているモノに視線を注いで来た。
死ぬほど恥ずかしいのに、メイコ姉は完全に無視。
ごくんと喉が鳴った音が僕まで聞こえて来た後、ゆっくりと舌が僕のモノへと伸びてくる。
「んっ、む……ん……はむ……っ……」
「ん……っ!? くぁ、っ……め、いこねぇ……っ!!」
薄く口紅でもひいているのか分からないけど、メイコ姉の艶やかなピンク色の唇が、僕のモノを咥えた。
当然、こんな包まれるような感覚は初めてで、ついつい情けない変な声が口から出てしまう。
正直言って、すぐにでも出してしまいそうだ。
「んっ……ふぁ、ふぁふぃふぇもふぃいふぉお?」
口に咥えたままで、メイコ姉が何か話して来た。
その時のはむはむとした甘噛みの感触で、僕の我慢の限界はあっさり訪れてしまった。
腰が抜けるくらい気持ちがいい射精を、メイコ姉の口の中で迎えるなんて。
おまけにメイコ姉は、僕が出した精子をこくこくと飲んでいるようだった。
「っは、ぁ……はぁ……くうっ……!! いくらメイコ姉でも……」
許さない、と続けようとした僕を、メイコ姉はベッドへ押し倒して来た。
うぐっ……ギターを背中にしたから何か変な風に背中に当たって痛い。
抗議の意を目で伝えようと視線をメイコ姉に移すと、
そこには下半身がすでに丸出しのメイコ姉が、膝立ちで僕の体の上に乗っかろうとしていた。
「うあっぁっ!! メイコ姉っ!?」
「いいから……黙ってなさい」
メイコ姉は僕のモノを軽く握ると、そのまま自分の股間を僕のモノへと近づけていった。
薄く毛が生えているその部分のちょっと下には、女性のアソコがあるんだろう。
それを想像しただけで、メイコ姉に握られたモノが少し硬くなったような気がした。
「ふあぁっ、んううぅっっ!!」
「っああぁぁあぅぅっっ!?!?」
ぬるりと僕のモノがメイコ姉の股間に消えると、僕とメイコ姉はほぼ同時に声を上げた。
メイコ姉が上げた声は色っぽかったけど、僕の上げた声は何だか情けないような気がする。
初めての女の人の中は、なんとも言えない柔らかさと温かさとキツさが交じり合って、訳が分からなくなる。
「んっ、はっ、ああっっ、んんぅぅっっ!!」
メイコ姉は、僕の腹の上で腰をグリグリと押し付けて来る。
くぅ、気持ちいい。気持ちいいけど……何だか悔しくなってきた。
だって、僕が全然動けてない。全部メイコ姉が自分でやりたい放題なのだ。
「レン、っ……!!」
「はあぁっ、ああっ、め、いこ……姉?」
メイコ姉が、突然顔を近づけてきた。
その顔は、いつも見る凛々しい顔ではなく、目がトロンと蕩けた、何かをかきたてられる顔だった。
うわ、よく見たらよだれも少し垂れてる。
そんなに気持ちいいのかな?
「わたし、が……下に、なるわ……だから……」
「……………」
なんて、僕を見ながらメイコ姉が言ってきた。
僕は黙ったまま。
「もっと思いっきり……私を、いじって……っ!!」
「―――――っ!!」
メイコ姉が僕におねだりをしてきたのだ。
あのメイコ姉が。
VOCALOIDという特殊な家族関係などお構い無しに、ちゃんと『お姉さん』だったメイコ姉が。
その事実が、なぜか僕を興奮させた。
「んっ!? っあ、んうぅっっ……!!く、あああぁあっ……!!」
望みどおりにメイコ姉を体の上から振り切って、逆にメイコ姉をベッドに寝かせる。
一回抜けてしまったモノをもう一回アソコに入れようとしたとき、僕の目にある物が飛び込んできた。
はだけた上着から覗く、メイコ姉のおっぱい。
ミク姉やリンでは、まだまだ敵わないサイズの大きなおっぱい。
「ふぁ、ああっぁあっ……!!」
思わず僕は挿入を忘れて、そっちに手を伸ばした。
ふにふにと柔らかい感触のおっぱいの形を、僕自身の手で歪める。
すべすべのメイコ姉の肌が、蛍光灯の光も手伝ってですごく綺麗に写る。
「く、ふぅううっ……んあぁっ……!! ちょ……っ!!」
僕がおっぱいを歪める度、そして乳首に少し触れるたびに、メイコ姉は声を漏らす。
何だか気分がよくなってきた。
今度は赤ん坊のように吸い付いてやろうかと思ったら、メイコ姉が僕の頭を両手で押さえてきた。
「……焦らさないで、入れて……っ!!」
うるうるになった目で、そんな事を言われてはたまらない。
おっぱいへの攻撃は止めて、もう一回挿入へ移った。
「く、ぅうっぅ……!!」
「ん、はあぁぁんっ……!!」
手をモノに添えれば、狙いさえ定まっていれば案外すんなりと入るもんなんだなぁ。
僕はメイコ姉と今日二回目の結合を果たした。
さぁ、今度は僕自身で動いて見せるんだ。
「ああっぁっ!! はあぁんんぅうぅっ!! く、レン……っ!!」
メイコ姉の骨盤の辺りを掴んで、僕はエロ知識を総動員してピストン運動を始めた。
確か……強弱とかも大事だったはず。
ガツガツと突いてみたり、ゆっくりと抜いてみたり。
「メイコ姉、っ……!! どう、かな……っ!!」
「う、んっぅっ!! いい、いいよ……っ」
本当にこれでいいのか分からないけど、少なくともメイコ姉の反応は悪くない。
そのままメイコ姉の体をゆっくり味わっていたかったけど、そうも行かなくなってきた。
本日二度目の射精がしたくてしたくて仕方なくなってきた。
「く、メイコ、ねぇ……っ! 早くしても、いいよね……っ!!」
「はぁ、あ……いいわよ……」
そうと決まれば、僕は腰の動きを早くした。
このままメイコ姉の中で出しても……いいのかな?
でも何も言ってこないし、そんな事を本当は考えたくないほどメイコ姉の中は気持ちいい。
「ああぁあっ、はあっぁあんっ!! くぁ、っぅううううっ!!」
メイコ姉の喘ぎ声が大きくなってきた。
おお、これは僕も一人前に女性を悦ばせることが出来ているという事なのだろうか。
「はあぁっっ……!! レン、っ!! わたし……もう、っ!!」
メイコ姉の中はまるで別の生き物のように動いて、僕に射精を促す。
二度目だけど、もう我慢の限界だ。
僕は最後のスパートを掛けて、メイコ姉にぶちまける準備を始める。
「くぅぅっ……メイコ姉、ぇっ……!! 出る、よっ!!」
「はあぁぁっ!! 来て、来なさい……っ!! あああぁぁあああっっ!!」
モノの先からビュルルッと発射する感覚がした。
遅れて、メイコ姉の体がビクンと震えたのが見えた。
僕は思わず目をつむり、メイコ姉の中に残らず精子を出しきろうとする。
「ふーっ……ふーっ……ぅ……」
「はぁあっっ……あはぁ……んぁ……」
僕は思わず息を荒くしながらも、満足するまでメイコ姉の中に出し切った。
メイコ姉は時折体をくねらせて艶っぽい声を上げながら、僕を受け入れる。
出し切って冷静になった僕は、汗だくになって息を整えているメイコ姉に質問を始めた。
「ねぇ、メイコ姉」
「はぁ、はぁ……どう、した……の……?」
「何で、今日はこんな風に誘ってきたの?」
「……それは」
メイコ姉は荒いままの息の間に、僕に説明をしてくれた。
―――――かいつまんで話すと、メイコ姉はチェリーハントがしたかったらしい。
何でも、僕が成長してしまうのが惜しかったんだとか。何だよそれ。
「それにしても、まだまだアンタも未熟ね。やっぱり」
「何だよ、さっきさんざん気持ちよがってたくせに」
「ん、あれ演技だけど」
な、なんだって―――――!?
くそっ、僕はメイコ姉にこけにされてたって言うのか。
まぁ冷静に考えて、童貞若造にそんなセンスがあるわけないか。
「……だから、ね」
メイコ姉はそんな僕の微妙な心境を知ってか知らずか、話を続ける。
僕の体の下で僕に手を伸ばし、誘って来た。
「二回戦、しない……?」
メイコ姉からリベンジのチャンスが与えられた。
今度こそと意気込んで、僕はメイコ姉の上に体を重ねた。
まぁ、二回戦も敵わなかったわけだけど。
―――――さて、晴れて童貞卒業してみると、何だか世界が変わったような気がする。
あの日、僕は本当にメイコ姉から大きなプレゼントを貰ったみたいだ。
今なら何でもできるんじゃないか?
とりあえずマスターに『ロックバンド組みたい』って提案したら、あのマスターは
「は? ばっかじゃねーの? それより見てくれよ。今度の新曲はこれをモチーフにハァハァ……」
と、胸に『れん』の名札をつけた旧型のスクール水着を見せながら言ってきた。
僕は驚くほど冷静にマスターを一発殴って、着替えの入ったドラムバッグとギターケースだけ担いで家を飛び出した。
そうですか、僕は馬鹿ですか。確かにマスターに従わないVOCALOIDなんて馬鹿かもしれない。
……でも、あのマスターにこき使われるくらいなら馬鹿でいいや。
で、数週間後。
「よーし、今日が初ライブだから、気合入れていくよ」
街の小さなライブハウスの奥にある控え室で、僕は円陣を組みながらそんな事を言っていた。
肩を組んでいる仲間は、
「練習でもうまく行っている。心配せずとも拙者たちはうまく出来る」
まずはギターのがくぽ君。
相変わらず黒いGa○ktモデルが映えるなぁ。
「君はじつに馬鹿だな、そんな事確認するまでも無い」
で、ベースのテトさん。
真っ黒ボディの小さなスタ○ンバーガーを、小さな胸からぶら下げている。
「ステキなRock Showにしまショウね!!」
最後にドラムのアン。
今からドラム叩くのにワンピースドレスでいいのだろうか?
「せーの」
「「「「お―――――っ!!」」」」
大きな掛け声と共に円陣を解いて、僕らは出番が回ってきたステージへと足を進める。
マスターから離れて、がくぽ君の家でお世話になりながら作ったバンドなんだ。
苦労が報われなきゃ、せっかくの僕の決意が無駄になる。
アンのドラムロールで曲が始まる。
がくぽ君のカッティングとテトさんのベースラインに支えられるような気分で、僕はステージの中央のマイクに口を近づける。
お客さんはそんなに多くない。まぁ新人バンド目当ての人なんてそんなにいないよね。
でも大事な一歩だし、当然気合全開で行かないといけない。
有名なイギリスのパンクナンバーの歌詞をちょっと弄って、僕はステージの上の七色の光の中から叫び始めた。
Breaking rocks in the hot sun 熱い太陽の下で 岩を砕く
I fought the geek and the geek won 俺はヲタクと闘ったが ヲタクが勝った
I needed shout 'cause I had none シャウトしたかった 全く出来なかったんだ
I fought the geek and the geek won 俺はヲタクと闘ったが ヲタクが勝った
I left my lord and it feels so good クソッタレマスターを捨てた 思い出すとひどく可笑しい
Guess my race is begin 俺の人生始まったな
He's the bad guy that I ever had 最高に嫌な男だったから
I fought the geek and the geek won 俺はヲタクと闘ったが ヲタクが勝った
I fought the geek and the…… 俺はヲタクと闘ったんだが……