パソコンに向かっているマスターに声をかける。  
丁度2時の時報が鳴り響いていて、マスターは何だと眼鏡を外した。  
「めーちゃんの誕生日の事なんですが」  
「ああ、聖誕祭も活発になってきているね、私もめーこのために  
 曲を用意しているよ」  
「そうなんですか?あの、それで、俺なんですけど……」  
ちょっと言葉が上手く出てこない。  
マスターに金をせびっているようなわけでもあるし、  
俺もめーちゃんにプレゼントを用意したいんだけれど自分で管理しているお金なんて無いし。  
「こうパーティ的なものを開いたりした方がいいのかなとか、  
 思っているんですけど、それも準備とかありますし」  
「カイトのプレゼントはこれ」  
そう言ってマスターは一枚の紙を差し出してきた。  
見ると有名ホテルの名前とレストランの様な名前、マスターの名前が書いてあった。  
「何ですか、これ?」  
「察し悪いなぁ、スイートの部屋を取ったんだよ。  
 誕生日はめーこと楽しんで来なさい」  
「え!?良いんですか!?」  
俺がびっくりしたような声を上げるとマスターははぁと溜息を付いた。  
少しじっと俺を見つめてくる。  
その後にパソコンの横に重ねてある紙の束から付箋の付いたものを取り出し、  
これを絶対読んでおいてと言って渡して来た。  
まずその一番上の紙に彼女を満足させるスローセックスと書いてあって噴出す。  
「なっ、何ですかこれ!!」  
「私はめーこに誕生日プレゼントを楽しんでもらいたいだけだけど。  
 色々ネットで調べたの、それで参考になりそうなのプリントアウトした」  
「あの!めーちゃん、こう、あんまりこういうの好きじゃないと思うんです」  
だって絶対エッチは夜で部屋を暗くしてだし、  
アブノーマルなプレイとか好まないし、結構淡白なのを好むんだ。  
顔がきっと真っ赤になっていることを気にしながら、  
マスターの計らいに申し訳ないが答えられないことを訴える。  
にしても、マスターだって彼氏が出来た事無いくせにこんな事を  
言ってきてもあんまり説得力が無いと思うのは失礼だろうか。  
「カイトさぁ、エッチにどれくらい時間かけるの」  
「えぇ!?そんな事……」  
「言いなさい」  
「はい、えと、20分くらいです」  
マスターが無言になる。  
いや、だってそうなんだよ、めーちゃんは嫌とか否定形の言葉ばっか言って、  
すぐ入れてよ馬鹿って言ってきたりして、それで入れたら入れたでもう出していいよ  
とか言ってきてまぁ言う通りにさせてもらっている。  
「カイトさん、ラブホのご休憩は何故2時間単位なのでしょう」  
 
「お風呂とかお話とかするとそれくらいが妥当かなと、あ!2回したりとか!」  
「このバカイト!!」  
マスターは少し弱く俺を叩いた。  
頭を抱えている。何でだろうと首を傾げる。  
「もうめーこ可哀想……」  
「何でですかー!」  
マスターは大きく息を吸って、カイト死なないでねと言って言葉を続けた。  
「いい?めーことこの前飲んだ時に私いったこと無いし不感症なのかもしれない  
 って言ってたの!それで調べたの色々、そしたら体質とかあるのかもしれないけど、  
 私が聞いたカイトとめーこのエッチって酷いよ。  
 めーこは恥ずかしがり屋で否定とかばっかするかもしれないけどね、  
 ちゃんと前戯してあげないとよっぽどの子じゃないといくわけないでしょ!  
 女の子は恥ずかしいから否定するに決まってんでしょ、エッチって思われたくないし、  
 めーこは絶対普通の子より酷いんだから、そういうの!強引でもいいから続けなさい!  
 何言われた通りに出したりしてんの!オナニーか!」  
「………その調べた中に男性はデリケートだから言葉に気をつけろって  
 書いてなかったですか?」  
「あったけど知らない」  
もの凄い攻撃を受けて俺は立ち直れるかどうか不安になる。  
不能とかになったらどうしようと思いながら、マスターを見る。  
マスターははぁはぁ息を切らしながら、顔を赤くしている。  
「私だって恥ずかしいんだからね、このバカイト!」  
こういう事を指摘するのはマスターにとっては恥ずかしいんだと思って、本当にへこむ。  
俺ってそんな下手糞な感じなのかと衝撃が酷い。  
「でも……俺の方がめーちゃんと長いし、めーちゃんの性格とかわかってるつもりです」  
「私だって同じ女としてわかってるつもりだけど!」  
マスターはじっと俺を見て、一生懸命なのがわかる。  
多分マスターもめーちゃんの誕生日を良いものにしようと、  
俺に反感買うのをわかって言葉を続けているんだ。  
きっとこのままだとめーちゃんは不満を感じたまま何も言わなかっただろうし。  
「ご指摘、感謝します」  
「うん。ね、カイト、私はカイトが下手とかそういう意味で言ってるんじゃないよ。  
 めーこはね、天邪鬼なの、めーこの嫌は良いなの、ダメはもっとなの。  
 あんたそれをわかってあげてって話なの」  
「………わかりました」  
ちょっとショックで立ち直れるかわからないけれど、  
ある意味これは、凄い事を教えてもらったのかもしれない。  
今までめーちゃんに嫌われるのが怖いというか、めーちゃんの意思は尊重しないとと  
思っていたから言われるがままに実行していたけれど、それが裏目に出ていたみたいだ。  
確かにマスターの言った通りめーちゃんはいったことが無い。  
前戯とかももっとしたいし、いちゃいちゃしたいんだけど、  
めーちゃんがすぐ入れてって言うから言われるがままにしている。  
それって女の子にとっては照れ隠しで望んでいることじゃないのかと事実にびっくりする。  
 
だってちゃんと濡れていて、入る準備は出来ているし。  
その認識も改めないといけないのかもしれない、十分に濡れて解れていれば入れて良い  
って思う事自体間違いなのかもしれない。  
一緒にいけないんだったら入れる前にいかせるくらいしないといけないのかもしれない。  
そう思って溜息を付く。  
マスターにもらった紙の束をめくりながら、今まで避けてきた知識的な部分が  
メモリーに吸収されていく。  
ホテルのスイートやレストランの予約をしてくれたんだと  
マスターの計らいに感謝しながら色々予定を考える。  
とりあえず、めーちゃんの嫌が良いでダメはもっとなんだというマスターの言葉を  
噛み締めて、めーちゃんに誕生日の予定を話した。  
めーちゃんは俺じゃなくてすぐにマスターにお礼を言いに行っていたけど。  
マスターはめーこの聖誕祭のために歌を作ろうねと  
お礼に言いに来ためーちゃんとすぐレコーディングに取り掛かっていた。  
多分、これもマスターの計らい。  
俺と誕生日まであんまり近づけないようにして知らない所で準備しておきなさい  
って事なんだと、それくらいは想像がつく。  
俺がエスコートとかしないといけないんだって思って、  
テーブルマナーとか色々書いてある紙の束をメモリーにインプットしていく。  
これってマスターがして欲しいことなのかなとちょっと頭を掠めて、  
いつかマスターに彼氏が出来たら俺もその人に教えてあげようと誓う。  
誕生日前日には曲が完成して、俺にもお披露目してくれた。  
大人目な、気だるげな雰囲気の曲で、めーちゃんの声に良く似合っていた。  
マスターはめーちゃんに聖誕祭でいっぱい曲出てきているからボカランはきっと  
無理だと思うけれど、お祝いになった?と尋ねている。  
「はい!ありがとうございますっ!!」  
めーちゃんが少し涙を浮かべてマスターに抱きついている。  
マスターがよしよしとめーちゃんを撫でて、  
じゃあドレスとスーツに着替えようかと言った。  
「え?」  
「レストランの予約とホテル今日だよ」  
「え!?今日前日ですけど!?」  
俺の発言にマスターは何聞いていたのというような顔をしてくる。  
めーちゃんは俺にマスターに見えないように肘鉄を入れて、お願いしますと笑った。  
「マスター、明日は一緒に飲んでくださいね」  
「うん、じゃあ楽しんで来て」  
その言葉と同時くらいにパソコンを操作して、俺らの設定を変える。  
黒いドレス姿のめーちゃんと、ホストみたいなスーツを着た俺が出来上がる。  
何か刺激的だ、黒いドレスは後ろがぱっくりと開いていて、めーちゃんは髪が短いから  
背中が丸見えで、胸元は開いていないんだけれど横から胸が少し見える。  
パールも胸元にかかる感じで、アクセントになっている。  
膝元までくらいまでのふわふわした素材は歩くたびに揺れて、可愛らしい。  
シンプルなデザインのドレスに黒のレースの手袋をしていて、  
ドレスも手袋もバッグも黒いのにピンヒールの靴だけ赤いのがめーちゃんの色を  
損なっていない気がする。  
「流石めーこ、私の思った通り似合うわ」  
「ありがとうございますマスター!」  
「あ、カイトも似合うから」  
「何ですかその取って付けたような……」  
「タクシー来てるはずだから行ってらっしゃい」  
俺の発言はほぼ無視で、マスターはめーちゃんと話している。  
最後にめーちゃんに見えないように何かの時のためのお金と  
頑張ってという言葉をくれたけれど。  
マスターはめーちゃんにコートを渡すと行ってらっしゃいと微笑んだ。  
タクシーに乗ると、めーちゃんがフレンチって楽しみと笑った。  
そうだねと笑い返してめーちゃんの手を握って、着いたら腕組んでねと言うと、  
めーちゃんは少し赤くなってマナーだものねと目を反らした。  
とりあえずめーちゃんの行動は照れ隠しなんだっていう事を脳内で繰り返す。  
タクシーがホテルに着いて、フロントでマスターの名前を言うと  
すぐに手配してもらえて、カードを貰うと同時にレストランに案内された。  
俺はホテルに入ったのが初めてだけれど、ホテルって凄い綺麗なんだなと思う。  
マスターの家は大きいけれどマスターの部屋が薄暗い感じで、  
ホテルは同じ様な大きさだけれど清潔感と明るさに包まれている。  
案内されたレストランは落ち着いた雰囲気で、  
お客さんも皆小奇麗な格好をしている。  
入り口でコートを脱いだめーちゃんに皆の視線が注ぐ。  
何かこういうのって俺凄い誇らしいなって思う。  
綺麗な彼女で羨ましいだろって。  
窓際の席に案内されて、支配人みたいな50代くらいの人に挨拶をされる。  
マスターの名前と共にお世話になっていますと言われ、  
マスターはずっと引きこもっているからご両親が利用しているのかなと思う。  
こんなホテルに泊まるくらいなら家に帰ってきてくれればいいのにと  
思うけれど、お忙しいのかなと考えを改める。  
お飲み物は如何致しましょうと聞かれて、ワインで何か良い物ありますかと  
尋ねる。わからない時は相手に聞けって書いてあったから。  
ソムリエの人が来て、今日のコースでしたら、と教えてくれる。  
「じゃあ、それをお願いします」  
一生懸命平静を装ってソムリエの人に頼む。  
向かいに座っているめーちゃんは少し驚いたような顔をしていて、  
ソムリエの人が去っていくと、何であんた慣れているのと尋ねてきた。  
「一応調べましたから」  
「そう、ああ、マスターが教えてくれたんでしょ」  
その通りですと素直に認める。  
まぁいつもめーちゃんと一緒に居て、こんな所来た事無いんだから、  
情報元なんてすぐ割れるってものだ。  
食前酒で乾杯をして、ゆったりと食事をした。  
 
俺は勉強したら上手くいっているんだけれど、めーちゃんは何も知らない  
はずなのに綺麗に食事を続けている。  
そっちの方が疑問だって尋ねると、え、常識でしょと返事が来た。  
どうやら最低限の知識でさらりとこの姿が保てているみたいだ。  
そう思うと、色々知識を詰め込んできた俺の立場ってとへこむが、  
知識が多いのに悪い事なんて無いと思って持ち直す。  
だって今日はめーちゃんのために色々用意して来たんだから。  
デザートまで食べ終わると結構お腹がいっぱいになって、凄く満足だ。  
よくマスターが親とホテルでご飯に誘われてるけど面倒だから嫌だと  
言っているのを聞いていたけど、  
こんなに美味しい物食べれるなら行けばいいのにと思う。  
まぁマスターはあんまり食に興味が無いみたいだし、  
庶民的な味を好むから嫌なのかもなとも思うけれど。  
一息ついて、めーちゃんに出ようかと声をかけて席を立つ。  
席を引いてもらってありがとうと言うめーちゃんは俺なんかより全然  
このレストランの雰囲気に似合っている。  
ぎゅっと腕を組まれて、レストランを出る。  
「少し赤くない?」  
「うん、ワイン美味しくて結構飲んじゃった」  
うふふとめーちゃんは笑う。  
コートが肩にかかっているだけで腕に胸が当たって気持ちいい。  
それから美味しかったねとか話をしながら部屋に上がる。  
カードを入れて開けた部屋は凄く広くて、シャンパンが用意されていた。  
何部屋もあって、俺の部屋とめーちゃんの部屋を合わせたくらいの広さだ。  
ベッドも凄く大きい。  
「凄い!凄いね!夜景が綺麗だよ!凄く嬉しい!」  
めーちゃんは普段見せないようなはしゃぎ様で、  
ぴょこぴょこと部屋と部屋を行き来している。  
せっかくシャンパンがあるんだからとめーちゃんを誘うと、  
何かスイートにシャンパンってちょっと古臭いねと笑う。  
俺は上着を脱いでハンガーにかける。  
ソファーに座ってシャンパンを飲むめーちゃんが可愛いから、  
後ろからぎゅっと抱き締める。  
剥き出しの背中がすべすべしていて気持ちいい。  
「何?飲みにくいじゃないのよー」  
「えっと、背中寒そうと思って」  
こんな大きな部屋なのにソファーの上で密着しているなんて、  
何かスイートの無駄使いだなとか思いながらぎゅってする。  
そういえば、と思って前々から疑問な事を口にする。  
「めーちゃんてさ、シリアルナンバーどこにあるの?」  
「んーさぁねぇ?」  
いつもこうやってはぐらかされてばかりだ。  
ぶっちゃけるとシリアルナンバーの所って結構敏感なんだ、  
 
確実な性感帯とまではいかないかもしれないけれど、  
そこそこ感じる部分だと思うんだ、出来れば教えてもらいたいし。  
髪や首筋にキスをするとめーちゃんはやだって言って肘で押し返してきた。  
「もっ、何なの、ベッドまで待ってよ」  
耳が赤くなっている。  
もう我慢出来なくなってきた、だって今日の格好とか凄く萌えるし。  
ね?壊れていい?と耳元で囁くと、  
ひょいとめーちゃんの持っていたグラスを取り上げた。  
一応壊れる宣言はしておいたから何してもいいやって気持ちになる。  
マスターの名言、めーちゃんの嫌は良いでダメはもっとなんだを信じて、  
抱き上げてベッドに運ぶ。未だ嫌とかダメが出てきてないけど。  
「え、ちょっと!!壊れてってどういう…」  
「ベッドまでは待ってあげる」  
にっこり笑って余裕ぶってベッドの上に降ろす。  
掛け布団の上に押し倒されためーちゃんは俺を上目遣いで見つめる。  
ベッドルームは入る時に電気をつけたけど、間接照明なのか少し薄暗い。  
でも十分にお互いが確認出来る程度だから、急に普通の明るさの下で  
やるよりは抵抗が少ないかなと思ってめーちゃんに口付ける。  
「んっ、ね、まだ、」  
肩を押し返してお風呂入ってないからと抵抗されるけれど、  
別にいいよと返してキスを続ける。  
急にぱしんと頬を叩かれた、本気で抵抗してくる時はめーちゃんは結構暴力的だ。  
痛いなと思ってその手首を押さえて痛いよと呟く。  
「待ってって、お風呂入りたいし電気ちゃんと消してよ、こんなの嫌」  
「うん、わかった」  
はい、良いんですねって笑って手首を掴んだまま首筋に口を移す。  
めーちゃんは何笑ってんのって少し怒ったけれど、  
耳の裏と顎のラインを舐めると喘ぎで声が震える。  
「パールは舐めたりしたら危険だから外そうね」  
首の裏に手を回してネックレスの止め具とドレスのボタンを外す。  
やだ、とめーちゃんは自由の聞く左手で前を隠すけれど、  
柔らかく制止して胸を露にする。  
ドレスにパッドが付いていたみたいで、布一枚脱がすだけでおっぱいが見える。  
「嫌!カイトっ!見ないでっ!」  
薄暗い中でもちゃんと白い肌が浮かび上がって、凄い綺麗な胸が出てくる。  
今までは感触とかしかわからなかったけれど、  
白くて、乳首が濃い目のピンク色で、少し立ち上がっている。  
何か感動するなと思って、乳首に口を付ける。  
「やだって!!馬鹿!!明るいの嫌!」  
何か凄い抵抗されて、本当に俺のやってる事は大丈夫なのかなと思ってしまう。  
めーちゃんは真っ赤な顔でばたばたと抵抗しているし、  
これは誕生日プレゼントだってことを考えるといいのかなと疑念が出てくる。  
でも震えているめーちゃんは凄く可愛い。  
 
しかも何となくさっきから腰が動いている気がする。  
落ち着いてマスターが渡してくれた知識を思い出す。  
えっと、抵抗は照れ隠しで、ちゃんと可愛いとか言ってあげて、  
偶には強引なのも良くて、理性はある程度保つ。  
今まさに危なくなっているんだけど、ちゃんとめーちゃんをいかせるまでは  
突っ込まないって心に決めている。  
欲しがりません勝つまではってやつだ。  
「凄い綺麗だよ、めーちゃん大好き」  
恥ずかしいけど、めーちゃんだって恥ずかしいんだろうから我慢。  
我慢って程でもないか、本心なんだから。  
そう言って目を合わせて笑うと、卑怯と呟いて目を反らされた。  
胸とかだけじゃなくて色んな所を舐める。  
そういえばいつも首とか胸とか本当にお決まりだったよなと反省する。  
「んやぁ、何、あっ!だめ……」  
「ん?もしかして背中弱いの?」  
つぅっと指を這わしながら背骨のラインを舐めるとぴくぴくと震えてくる。  
凄いこれは面白い。  
今までずっと一番近くに居てわかりあってるって思ってためーちゃんの  
知らない所とか新たな発見が次々と出来ているんだ。  
背骨の辺りが凄い弱いし、抵抗もちょっと無視して強引に進めたら  
あっさりと許可してくれるし。  
まだまだ知らない性感帯とかあるんだろうなと思って色々舐めてみる。  
「やだ、どしたのぉ、ねっ!」  
いつもと違う俺にめーちゃんは涙目で訴えてくる。  
また背骨のラインを舐めようと思って一番上の所から舐めてみようかと  
思って首にかかっている髪の毛を手で上げる。  
「あ…」  
「あっ!ダメ!!」  
左側の生え際にシリアルナンバーがあった。  
今まで結構近くまで舐めてたのに気付かなかったんだと、  
凄く嬉しくなってちゅぅっと吸う。  
「ひゃぁっ、ああっ」  
めーちゃんが仰け反って、肩が震えて縮こまる。  
俺もシリアルナンバーの敏感さはわかっているつもりだけど、  
この反応は俺より敏感なんだと笑う。  
ふふっと出した吐息にも反応してめーちゃんは震える。  
「ねぇ、本当に性感帯だったりする?」  
「違ぅっ、あんた、だって、敏感でしょ、そこはぁ」  
はあはあと吐息混じりの声に、もう一度シリアルナンバーの所に  
ふぅっと息を吹きかけてみる。  
それにもまたぴくんとめーちゃんは反応する。  
ここだったのかという嬉しさと、ここだとしたら反応している  
めーちゃんの顔って見えないんだなという残念さもある。  
 
今まさに顔は枕に埋められて見えないし、声と身体の反応しかわからない。  
思うと、今まで正常位ばかりだったというか、  
前から攻めてばかりだったけれど、めーちゃんの性感帯って背中とか  
裏の所だったんだと、今までごめんねと耳元で囁く。  
「何がっ、ね、もぉ、私っ!」  
少し身体を起こしてめーちゃんが振り返ってくる。  
涙目で、頬を染めて俺を見つめるめーちゃんの姿は扇情的で、  
その顔だけでやばいんだけど、ここで本能に飲まれては元も子もない。  
とりあえずめーちゃんの欲求には気付かない振りをして、下を脱がす。  
ドレスを取り払うと、手袋と黒の紐パンと靴だけを着けた姿になって、  
何か服着てないのに装飾品だけ着けてるのってエロいなと思う。  
パンツに手を這わすと、もう下着の意味をなさないぐらいに濡れていた。  
片方の紐を外して直に触れると、いつもより凄く熱い。  
「やぁ!」  
「凄いね、陰毛とかぐしょぐしょだし、そんなに感じちゃった?」  
笑いながら声をかけると、知らないと返事が来る。  
でもちゃんと愛撫すると反応してくれているのが嬉しくて、  
つぷと音を立てて指を侵入させる。  
内壁がぐっと迫ってきて、いつもも締まっては来るけれども、  
今日は搾り取るかのように指を締め付けてくる。  
どこが良いのかなと思って色々動かしてみると、更に締め上げてきたり、  
奥の上の方がざらざらしているという事がわかったりした。  
指を動かしながらも太ももや膝を舐めると、声が上がる。  
「あっ、カイトぉ、はぁ」  
Gスポットとか言われる辺りを押したりしてみると、それなりに良い反応が来る。  
でもさっきの背中とかシリアルナンバーくらいに劇的じゃないなと思って、  
掻き回してみたけれどそんなにでもない。  
今まで適当に掻き回すだけで突っ込んで来たんだから掻き回すだけじゃだめかと、  
指を前後に出し入れるように動かしてみる。  
上の本当に入り口辺りを引っ掻くように出し入れるとめーちゃんがびくんと  
震えて、仰け反った挙句に息を呑んだ。  
「あ、ここ?」  
めーちゃんは涙目で口に手を当ててぶんぶん首を振るけれど、  
ここなんだと確信して、そこを重点的に触る。  
「ああっ、やだぁ、何か変っ!ダメ!」  
お腹の辺りがびくびくと震えて、指がぎゅっと締め付けられる。  
いくのかなと思って、身体をめーちゃんの横に寄せて、  
大丈夫大丈夫と寄り添って入れてない方の手で肩を抱く。  
初めていくのって不安だし、拒否したい気持ちもあるって見たから。  
確かに初めて射精した時はびっくりだったもんな。  
俺の場合は俺ってそんな機能あるのって意味でもあったけど。  
指の速度を速めて、追い詰める。  
「んぁっっっ!」  
 
俺の腕の中でめーちゃんが仰け反って、指を何度も締め付ける。  
何だこれと初めての感覚にこっちもびっくりするけれど、いったんだと思って、  
速度を弱めて、触れるか触れないか程度に弱く触る。  
いった瞬間にゆるめてあげないと、初めてってきついだろうから。  
めーちゃんはぼろぼろと涙を流して虚ろな目で俺を見つめてくる。  
口が半開きで色っぽい。  
「大丈夫?」  
勝利宣言したいくらいだったけど、流石にそんな事言ったら切れられるだろうなと  
気持ちを抑えて髪を撫でる。  
良い子良い子と頭を撫でてあげると、うんと頷かれた。素直でとてもよろしい。  
そろそろ落ち着いたかなと思って、俺も服を脱いで、挿入する準備をする。  
ぐったりしているめーちゃんの靴と手袋も脱がしてあげる。  
だってやってる途中にピンヒールで蹴られたりしたら怖いし、俺そういう嗜好は無いし。  
入れるねと言って足を持って中に押し入る。  
押し入るって表現は相応しく無いかもしれない、受け入れられたという感じだ、  
ふわっと入り口が蕩けて入れてもらえた感じ。  
それなのに中の締め付けが凄くて、何だこれと思って我慢しろと自分に言い聞かせる。  
自分がいくのが絶対に早いと予測出来るからめーちゃんの足を肩に乗せる。  
ぐんと奥まで入りきって、また中が締まる。ちょっとミスだったかと思いながらも、  
最奥に届くように腰を動かす。  
「ああっ、あっ、はぁっ!!」  
「痛くない?」  
いつもあんまり奥まで打ち込むと辛そうな顔していたから、  
後背位とか今みたいな体位とか出来なかったんだよな。  
俺の言葉にめーちゃんがぎゅっと抱きついてくる。  
足を上げているからあんまり抱き寄せれないんだけど、もう一度ぐっと中に進む。  
「うんっ、あぅ、もっとぉ、もっとしてっ」  
すみませんマスター、もう我慢出来ません。  
一生懸命理性で抑えていたものが撃沈した。  
壊れるとは言ったけれどそれは色々してあげるための口実であったつもりだったが、  
本当に壊れるなと、腰を動かす速度を速めて奥まで打ち付ける。  
ぐちゃぐちゃと卑猥な音が響いて、めーちゃんの声と混じって耳が侵食されそうだ。  
「うわ、めーちゃん力抜、いてって……」  
「っ違っ、あんっ、あっ、カイっト、はあああっっ!!」  
めーちゃんが再び仰け反って、何度も中が伸縮していったのと同時に、  
俺も中に射精する。  
何とか今度は一緒にいくことが出来てセーフだと思う。  
「めーちゃん大丈夫?」  
引き抜いてから、隣に横たわってめーちゃんの肩に触れる。  
ちょっと触っただけなのにびくっと震えられて、  
荒い呼吸と一緒に触らないでと言われた。  
「え、何で?」  
「……感じ過ぎてだるいから、あんた、だって、いった後触れるの嫌でしょ…」  
 
「そっかー」  
にやにやしながらずり落ちてしまっている掛け布団を被る。  
ベッドの横にある時計を見ると0時を少し過ぎていた。  
「めーちゃんお誕生日おめでとう!あ、もしかして一緒にいった時に0時だったの  
 かもしれないね」  
「五月蝿いバカっ!!」  
おめでとうって祝福したのに馬鹿と罵倒された。  
ごろんと反対側まで向かれて、ちょっと切ないけど、今のめーちゃんが凄い可愛いから  
全然ダメージにはならないなと思って、はいめーちゃん後戯後戯と言って背中を撫でる。  
めーちゃんはうーと言いながら大人しくなされるがままになっている。  
悪戯したくなってきて、背中を撫でながらシリアルナンバーの所をべろって舐める。  
「うひゃぁ!!」  
大きな声がと共にめーちゃんがびくんと震える。  
「んーびっくりした?」  
笑いながら話かけたのに反応が無い。  
無視されているのかと思ったけど何度呼んでも返事が無い。  
え?とちょっと固まってめーちゃんを振り向かせる。  
その顔を見て何度かぱちぱちと頬を叩いてからすぐに電話を取った。  
「マスター!!!めーちゃん意識飛ばしちゃったんですけど!!  
 俺一体どーすればっ!!!」  
「………お前何で中間ってものが無いのさ…」  
 
 

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