どいつもこいつも、美人の姉が3人もいてうらやましい、とかよく言うよ。  
学校帰りの道すがら、鏡音レンはお天道様に向かってそんな悪態をついていた。  
彼をいらだたせているのは級友たちのなんてことのない一言だが、  
耳にタコができるほど同じ言葉を聞かされているレンにとってはピンポイントで不愉快な話だったりする。  
(だいたいあいつら、うちの女達の本性を知らないんだ。  
 メイコ姉は大酒飲みのオトコ女だし、リンはそもそも美人でも何でもないただのお子様だし……  
 いや、それを言っちゃうと双子の俺もそうなっちゃうんだけどさ。  
 ……でも……)  
そんなことを考えながら自宅に到着すると、居間にはエプロン姿の可憐な少女の姿があった。  
「あっ、レン! おかえりなさい」  
「たっ……、ただいま、ミク姉」  
緑の長い髪を頭の両側で結んだ特徴的なスタイルと天使のような笑顔。  
レンにとって、他2人の姉とはまったく値打ちの違う次姉、それがミクだ。  
(やっぱミク姉のエプロン姿、いいな)  
髪を揺らして料理にいそしむ姉の後ろ姿を、思春期まっただ中の少年はぼうっと見つめていた。  
(ああ、お尻も揺れてる……)  
「なにじろじろ見てんのよ、このバカ」  
「うわっ!?」  
突然斜め後ろから声をかけられ、レンは前方につんのめった。  
ミクが何事かと振り返る。  
「ミク姉、レンの奴いやらしい目でミク姉のこと見てたよ!」  
レンの耳を引っ張って告げ口してきたのは、もちろんこの人しかいない、末姉のリンである。  
「な、なに言ってんだよ! そんなことするかバーカ!」  
顔を真っ赤にして反論するレンだが、事実なだけにこの場はいかにも苦しい。  
リンの方はといえば双子の弟を心底見下したような面持ちでフンッと笑い捨てた。  
「ま、家族以外の女の子に相手にされないチェリーボーイにゃそれが限界でしょうけどー」  
「なんだと!!」  
「二人ともやめなさい!」  
怒った顔も可愛らしいミクではあったが、次姉の鶴の一声に双子が逆らえるはずもなくその場はそれでおしまいとなった。  
当然レンはちっとも気が済んではいなかったのであるが。  
 
 その日の夜、レンは自分のベッドの上で悶々と性欲を持て余していた。  
いつもならこのまま自慰になだれ込むところだが、先ほどの一悶着が頭でぐるぐる回って止まらない。  
(ミク姉に、俺の視線を知られちまった……)  
シスコン(次姉限定)を自覚しているレンにとって、自分の下卑た感情を当のミクに知られることなどあってはならないことだ。  
なのにツンばかりでデレ成分ゼロの末姉がいつものように余計なことをしてくれた。  
一体ミクにどう思われてしまったのか、そのことばかりがレンの思考を牛耳って離れない。  
「あ〜〜ちくしょう!」  
頭を掻きむしってもだえたちょうどその時だ。  
コンコン、と扉をノックする音がした。  
「……?」  
「レン君、入ってもいいかな」  
「ミ、ミク姉?」  
飛び起きたレンが自分からドアを開けると、そこには牛柄パジャマの美少女がちょこんと立っていた。  
「ど、どぞう」  
ミクはクスッと笑って男部屋に足を踏み入れた。  
レンがドアを閉めると、もうこの狭い個室には二人の男女しかいない。  
ここ数年なかったシチュエーションにレンの鼓動は高鳴った。  
ミクはそそくさとベッドに腰を下ろし、レンを見て自分の横をぽんぽんと叩いた。  
そこにレンが座ると、ミクは弟の顔をのぞき込むように近づく。  
「な、なに?」  
「レン君、リンちゃんの言ったこと気にしてる?」  
「ぜ、ぜぜん」  
「ほんとに?」  
「俺、別にミク姉のこと、そんなエッチな目で見てないから。リンが勝手に言ってるだけだから、ミク姉こそ気にしないで」  
顔を真っ赤にして言い訳するレンだったが、ミクはしばらく黙り込んだ後に意外な言葉を返した。  
「……レン君、あたし知ってるよ」  
「へ?」  
いつのまにかミクの頬がほんのりと朱に染まっている。  
「レン君がいつもあたしのことエッチな目で見てること」  
「はいぃ!?」  
 
 レンは危険から逃げるバッタのように後ろに跳ねた。  
あっという間に後頭部が壁にぶつかり今度は前に跳ねる。  
「いでででで……!」  
ミクはレンから目をそらしもじもじしながら言葉を続ける。  
「え……っとね、女の子ってそういう、自分を見られる視線には敏感だから、その……  
 レン君がそういう目であたしの脚とか、お尻とか、その、胸とかを見てるってこと、  
 だいぶ前から気付いてたの」  
「そ、そんな……」  
レンは自分の精神ががらがらと崩壊する音をリアルに感じた。  
(富士の樹海ってどうやって行くんだっけ。ああ遺書書かなきゃな……)  
「レン君!」  
自殺志願少年が我に返ったとき、姉はほとんどくっつくような距離にいた。  
くりっとした大きな瞳や薄い唇がレンの目を捕らえて離さない。  
そのうえおそらくは風呂上がりなのだろう、シャンプーの甘い香りがレンの嗅覚をジャックした。  
(うわわ、近いよミク姉!)  
「聞いてレン君、あのね、あたし怒ってないの。  
 その……他の男の人にじろじろ見られるのは苦手だけど、その……レン君なら、いいかなって」  
「え?」  
「えっと、だから、気にしないで。レン君はあたしの可愛い弟だもん。  
 そんなことで怒ったりしないよ」  
「ミク姉ぇ……」  
姉の微笑みは冗談抜きで女神のようだった。  
薄汚い自分の心を全て洗い流してくれる天使だった。  
泣きそうになりながらレンも必死で微笑み返す。  
「ありがとう……」  
するとミクは弟の頭を抱き寄せ、いとおしそうに優しく撫でた。  
「よしよし、レン君はいい子だね」  
(ミク姉の体、柔らかい……)  
天国というものがあるならば、こんなふうに心地いいのだろうか。  
大好きな次姉に抱きしめられていると、その柔らかさと温かさでとろけてしまいそうな気がする。  
レンはミクを抱き返し、ここぞとばかりに思いっきり甘えることにした。  
すると姉はなんと自らレンの腕の中に体を寄せてきたのだ。  
こうして姉を抱きしめるのは幼い頃以来だろうが、それにしてもなんと細い腰だろうか。  
強く抱けば折れてしまいそうだとレンは思った。  
「ミク姉……好きだ……」  
「こ、こらっ。からかわないでレン君っ」  
レンは答えず姉の胸の谷間に顔をうずめた。  
「きゃっ」  
「ミク姉のおっぱい、すごく気持ちいい……」  
「も、もうっ。なに言ってるのっ」  
近年成長著しいと噂のミクの胸の豊かさは、長姉には及ばないとはいえレンの年代の女子とは比較にならない。  
そのうえ押せばどこまでも沈んでいくこの柔らかさときたらどうだ。  
レンはもう気持ちよすぎて何が何だかわからなくなっていた。  
「好きだ……ミク姉……好き……」  
「あうぅ……ダメだよレン君……」  
 
 ミクはまるで抵抗できなかった。  
腕力の問題ではない。レンはたいした力を込めてはいない。  
むしろミクは自分の力が抜けていくのを感じていた。  
この甘えん坊でエッチな弟の行為は恐ろしいほどの速さで姉の心を溶かしていき、  
それどころかミクの体にさらなる異変を起こしつつあった。  
(あ……あたし濡れてる……)  
ミクがその異変に気付いたとき、体のうずきはもう押さえきれないレベルに達していた。  
弟の体温が、吐息が、うわごとのような言葉が、身も心も支配してしまったかのようだ。  
「はうぅ……」  
むかしむかし、男女の違いなど気にせず、一日中この可愛い弟とじゃれ合っていた時代があった。  
そんなときミクは幼いレンの頬やおでこに、そしてたまに唇に、よくキスをしていたものだった。  
(あたしどうしてそんな昔のこと思い出してるんだろう……)  
理由はすぐにわかった。  
キスがしたい。  
またこのいとしい弟と、昔みたいに思いっきりいちゃいちゃしたい。  
「ねぇレン君……キスしよっか」  
「いいの?」  
レンは真っ赤に染まった顔でミクに迫った。  
その表情が可愛くて可愛くて、ミクからは最後に残ったわずかな理性さえ消え失せてしまった。  
ミクはレンの目を見つめながらこくりとうなずく。  
「俺たち姉弟なんだよ……ホントにいいの?」  
「うん……。キスして……」  
レンはもう止まらない。  
勢いよすぎて歯と歯がぶつかってしまったが、そんなことはどうでもよかった。  
けだもののように姉の唇をむさぼり、首を抱いた。  
そして迷わず舌を差し入れ、姉の口内を思いっきり掻き回した。  
想像外のディープキスに一瞬戸惑ったミクもすぐに舌を絡め弟の激情に応えた。  
いつしか弟は姉の上に覆い被さり、いつ終わるともしれない禁忌の交わりに溺れていった。  
姉の唇は想像よりもずっと柔らかく瑞々しく、狂おしいほど美味しかった。  
 
「はあっ! はあっ……」  
一体どれほど長く口づけあっていただろうか。  
ようやく離れた二人は息を切らせながら見つめ合う。  
姉も弟も顔は唾液まみれで、風邪でも引いたかのように真っ赤に染まっている。  
そのうえ姉の目は何かを期待するかのようにとろんと弟を見つめているのだった。  
レンはもう心を決めていた。  
「ミク姉……俺……したい……」  
「あたしも……レン君としたい……」  
ミクが自分のパジャマのボタンに手をかける。  
「やさしくしてね……?」  
レンは何度もうなずいて、姉の火照った肢体があらわになる様に釘付けになった。  
形のよい乳房、くびれた腰、大きめのお尻。  
ネットで見たエロ動画なんかより100万倍エロチックな現実がそこにあった。  
「あうう……やっぱり恥ずかしい……」  
とうとう全裸になったミクは弟の視線に耐えきれず背を向けてしまう。  
「ほ、ほら、レン君も早く脱いでよ」  
「う、うん」  
レンは光の速さで脱衣を終わらせ、姉の肩をそっと抱き寄せた。  
「大好きだよ、ミク姉」  
レンがミクのうなじにキスをすると、ミクは背中を反らせて大きく反応した。  
もうミクの体は愛する弟の行為なら無条件ですべて受け入れてしまうようになってしまっている。  
いまやミクにできることは仰向けになってすべてをレンに委ねることだけだった。  
 
「ミク姉……むちゃくちゃ濡れてる……」  
「いやっ……見ないで……」  
それはレンにとって驚嘆すべき光景だった。  
生まれて初めて見る女性のもっとも大切な部分、そこが洪水のように激しく濡れているのだから。  
酸味の強い雌の匂いが少年をますます奮い立たせた。  
本能の赴くまま舌で触れると、ミクは「ああっ」と叫んでもだえ苦しんだ。  
レンがかまわず姉の脚を抱き寄せ、淫靡な割れ目に思い切り舌を差し込んでいくと、  
いよいよミクは切ないあえぎ声を上げ、全身で震えながら愛液をあふれさせていく。  
「だめっ……だめだよぉっ! ああっ!」  
童貞少年のつたない技巧に対してもミクは止まることなく感じてしまうようだった。  
そんな姉の反応が、レンにとっては何よりも誇らしかった。  
「あうぅっ!」  
「ミク姉……イキそうなんだ……」  
愛しい姉が自分の愛撫で達しようとしている。  
あまりの喜びにどうにかなってしまいそうだった。  
しかしミクの反応はレンの予想とは違った。  
「やだよう、いやなの……」  
姉が本気で泣いているのに気付くと、さすがのレンも驚いて愛撫を止めた。  
何かとんでもない過ちを犯してしまったのかと途端に不安が頭を覆う。  
「あたしだけが気持ちよくなるんじゃ嫌……レン君……あたし初めてなんだよ……?」  
「お、俺だって初めてだよ」  
「うん……だから……ひとつになろう?」  
「ミク姉……」  
「レン君……」  
もうそれ以上言葉はいらなかった。レンは鉄のように堅く勃った肉棒をつかみ、ミクの割れ目にあてがった。  
(確かこういうのは一気に挿れちゃった方が辛くないんだよな)  
そして勢いよく腰を突き入れると、ミクの苦しそうな吐息とともに膣の感触がレンを包んだ。  
(うわっ……これ……)  
 
 そこは想像もしたことがないほどの快楽の壺だった。  
ゾクゾクとした快感が一瞬で背中を駆け抜け頭のてっぺんまで一気に届いた。  
その上膣肉は休むことなくペニスを締め付けてくる。  
(こ……こんなの凄すぎる……とても我慢できないよ!)  
だが少年は勝手に果ててしまうわけにはいかなかった。  
目の前で最愛の姉が痛みに耐え苦しんでいるのだ。  
「ミク姉……大丈夫?」  
「へ、平気……レン君のだもん、ちっとも痛くなんかないよ」  
それが嘘であることは涙を浮かべた苦悶の表情を見れば明らかだった。  
そんな見え透いた嘘をついてしまう姉がたまらなく愛しくて、レンはその丸っこい頬に手を添えそっと口づけをした。  
「ん……」  
「ミク姉、大好き」  
ささやいてまたキスをする。  
「あたしも大好きだよ」  
何度も何度も二人は口づけあった。  
そのたびに姉の体の緊張が少しずつ解けていくようだった。  
「レン君、そろそろ動いていいよ」  
「え……大丈夫?」  
「うん、今度こそ大丈夫……ごめんね、さっきは嘘ついちゃって」  
「そんなの気にしないで」  
レンは大きくゆっくりと腰を動かし始めた。  
ミクは弟の動きに合わせ深呼吸のように大きく息を吸って吐いた。  
徐々に徐々にミクから痛みが抜けていき、代わりに痺れるような不思議な感覚が体を満たしていった。  
快感にはまだ遠い。  
だがミクはこの上なく幸せだった。  
こんな幸福があるとは想像もできなかった。  
すべてはこの大切な弟のおかげだ。  
 
 レンは限界が近かった。  
動き始めてからたいした時間は経っていないが、これが紛うことなき初体験のレンにとって  
いつまでも我慢し続けることなど所詮無理な話だ。  
思考とは関係なく腰の動きは激しくなっていき、どんどん快感は強くなっていった。  
「もうだめだっ! 出るっ! 出ちゃうよミク姉!」  
「あっ……出して……!」  
最後の一突きとともに全身を吹き飛ばすような快楽がレンを襲い、大量の精液が噴き出した。  
「ああ……レン君がいっぱい……」  
長い長い射精の果てにレンは力尽きて姉の上に倒れた。  
そして力一杯最愛の人を抱きしめた。  
「ありがとう、レン君」  
と耳元でささやかれ、この人を好きになって良かったと心から実感するのだった。  
 
 
 
 
 
 
了  
 

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