鏡音の目立たない方。自己紹介はこれでじゅうぶんですよね。
ボカロ大好きなあなたに、最新のボカロ一家事情を中継してみたいと思います。マスターは正月休みで海外行ってますから、余裕もって実況できまーす。
まずは……鏡音の目立つ方でも紹介しましょうか。
ヲーい、リンさん。
「ん〜、何か用?私、今いそがしいんだが」
はい、ガサツですね。紙ヤスリみたいです。ガッサガサ。
冬のカカトみたいなガサツさでソファにどっかり座ってお菓子とか食ってます。
ん?リンさん、きみが口に咥えてるそれ、ポッキーかと思ったら違くね?
「や、ポッキーっつーかココアシガレットの本格版と言うか、レンも吸うか?」
ああ、なるほどタバ……って、おい。加護亜依!
「私は辻派だったなぁ」
聞いてないし。ヤニを消せい!
「イヒ」
それは朝日化成。アホか!モクを捨てなさい!
「レン、あんた誰に命令してるわけ」
え、あ……ごめんなさい。
「こっち来な」
…………はい。
──5分後──
はい、では二人めはミクさんを紹介します。
え、さっきの5分に何があったか、ですか?別に何もありませんよ。
いいえ、違います、この手の甲の火傷は根性焼きの跡とかでは無いです。断じて違います。気持ち良いんです。
ミクさーん?
「ハァハァハァ、髭ミハイ萌え」
……えーと、説明いたしますと、ミクさんは“恋は戦争”以来三輪士郎オタの腐女子になってしまったんですね。暗黒面に墜ちたと言ったところでしょうか。
「ハイネたそはZクラウド、バトーちんは\クジャ……うふ、今月号も背景真っ白……」
うわ、正直オゾい。
ミクさーん、もう少しオタ臭をカモフラージュしてくださーい。
「……レン、何なのあんた。文句あるの?もしかしてパクリ魔・星野桂派なの?」
ほ、星野桂?訳わからないんですが。
「訳がわからないですって?!いいわ、来なさい、しっかり教えてあげる。星野が如何にトレス魔なのかをっ」
──2時間後──
星野はトレス魔ヤスダもトレス魔、三輪士郎はイケメン眼鏡男子、ミクの服はフロンちゃん髪は一条豊花……。
…………はっ、僕はいままで何をしていたんだ?
2時間目あたりから記憶がない。
まぁいいか。なぜか大塚明夫の声を聞くとトキメクけどまぁいいか。
次は……氷菓と夏野菜は省略して、メイコの姐御に行きますか。野郎とかどうでも良いし。
ガチャッと。
おんやぁ?ノックもせずに突入した甲斐があってか無くてか、ベッドがギシギシ言ってますね。
メイコ×カイトorガクポの合体シーンを御伝え出来そうです。
さぁさ御立会い、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、シーツに白い雪が降る!捲って見ましょう掛布団!
バサッ、と。
…………。
僕の目がおかしくなったんでしょうか。ベッドには二人が肌を重ねていました。
上に、カイト。下に、がくぽ。
♂×♂。
じ、地獄すぎる!
ちょっ、やめて、二人してにじり寄ってこないで!なんでメイコの部屋で野郎二人がヘリントン祭りをしているの!?
「ここは俺の部屋だが」
えっ、カイトの部屋?
へ、下手こいたっ!メイコの部屋は隣りだった……。
ごめんなさいごめんなさい二人とも落ち着いてむしろ股間を落ち着けて!
「何言ってやがんだ……?」
「俺たちは……」
「「ノンケだって食っちまう男なんだぜ?」」
いやぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!
──その頃──
ソファでタバコを吹かしていたリンは、こっくりこっくりと舟を漕ぎ始めた。
こっくりこっくり。
ガチャリ、バタン。玄関の開く音、閉じる音。
メイコが帰って来た。
「こーらぁ、リンちゃん。寝煙草、めっ!」
メイコが、リンの口から短くなった煙草を取る。
つう、と、唇とフィルターに、唾液の橋。
「あらあら」
リンの唇を指で拭う。
寝入ってしまったリンを見て、メイコは思った。
(今ならキスできる)
リンの唾液を拭った指を、自らの口元へ。
ぺろり。赤い舌。
実はロリフェチかつ百合の性癖をお持ちであった。
(リンちゃんが吸ってた、タバコ……)
唾液が染みて少しふやけたタバコを、ちゅう、と吸う。
ひんやりした唾液、紫煙。
甘くて、儚い、少女の味。
(ああ──我慢とか無理っ)
メイコは、リンの薄い唇を奪───
ドタンバタンガタガタン!
「た、助けてぇぇ!」
激しい物音と悲鳴をあげつつ、半裸のレンがカイトの部屋から飛び出して来た。
レンに続いて、半裸どころか全裸のカイト&がくぽが躍り出る。
「カイト、マフラーで締め上げろ」
「がってんだ、がくぽ」
「嫌!嫌ぁぁもごもが……」
連行されてゆくレン。涙目。
「「御騒がせしました」」
眩しいほどのスマイルを振りまき、レンを縛り上げて部屋に持ち帰るフル勃起ーズ(カイト&がくぽ)。
あっけに取られるメイコ。
「うにゅ……うるさいなぁ、何の音〜?」
起きてしまうリン。
リンの唇を夜這い損ねたメイコは、一升瓶で野郎共の頭を次々かち割ったそうな。