今日も全ての仕事を終えた後、あたしは厨房へ向かう。  
この広い屋敷に住んでいるのは偉大なるコンチータ様と私と、馬鹿な召使い。  
そして<おもちゃ>が次々と訪問しては消えていく。  
 
今厨房にいるのは15個めの<おもちゃ>、  
厨房に入った私に気づくと、青いコックはそっと微笑んだ。  
「ね、もう待ちきれないの」  
「もう少しだけ待って、明日の仕込みが終わらないんだ」  
わかってるわ、困った顔が見たいだけ。  
制止を聞かず下半部に手を伸ばして、  
肉棒にしゃぶりつけばたちまち腰が砕ける。  
コンチータ様のお世話の次に、このバカ面を見るのが好きだ。  
"胎児を食べたいと、コンチータ様が言ってるの"  
その一言に騙されて幼いメイドに腰を振る、  
初潮も来てない小娘に子なんか宿るわけないのに。  
 
厨房に卑猥な音と荒い息づかいが響く。  
(これは、裏切りに値するのかしら)  
お抱えコックに手を出すなんて、きっと許されない。  
だけどこの股間からこぼれるいやらしい音は、  
まるでコンチータ様が汁をすすっている音のようで。  
罪悪感をスパイスにあたしは倒錯した愛を感じてしまう。  
 
小半刻程経ったろうか、コックは未だ達することなく腰を振り続けていた。  
ふと顔を見上げると苦痛とも感じとれる表情をしている。  
毎食の異常な食料の調理に、毎晩の性行為。  
疲れもたまっているんだろう。  
――そろそろこの<おもちゃ>も、終りね。  
そんな事を考えてると青いコックが腰を止め呟いた。  
「…駄目だ、僕らの子を料理するなんて出来ない…」  
それを聞いて思わず顔をしかめる。  
「一緒にこの屋敷から逃げだそう、  
 明日、僕は暇を貰えるよう申請してみる」  
 
…  
つい数時間前までこの場所で仕事をこなし  
愛を囁いていた男は哀れな肉の塊となっていた。  
あたしはそれをキレイに皿に盛りつける。  
「…馬鹿な男」 

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