「あーネギ湯うめぇ」
「おお、ここにおったか青いの」
「ちっ、来たか……何度も言いますが、色で識別しないで下さい」
「黄色いの二人は法事で留守なんじゃ。すまんがお経上げてくれんか」
「聞いてないし――ってかあいつら巡業かよ……はいはい分かりました」
「やっと終わった……私の使われ方明らかに間違ってんだろ」
「ただいまー」
「こんな村にいて、新鮮なネギが食べられる以外に何の意味があるの?」
「姉ちゃん見て見て、こんなに大根貰ったんだ。今日はだご汁にしようぜ」
「ただいま――って、あー薪がないじゃない。ちょっと手伝ってレン」
「えーっ? 俺帰って来たばかりだって」
「つべこべ言わない。それに今日お風呂焚くのは誰の登板?」
「分かったよ今行くから――あ、その蜜柑俺のな」
「だーめ。これは仏様にお供えするんだから」
「ちぇっ」
「何こいつらちゃっかり順応してんの? ガキうぜー」
「お姉ちゃんは井戸から水汲んできてくれる? 私たちで薪割るから」
「はーい――って、誰か助けて! 私に歌を歌わせてくれ!」
深夜三時。
カイトは布団からもぞりと這い出した。
その手には何故か犬用のリード。
「ふっふっふ。こんな田舎の何が良いかって?そりゃあ、人が居ない事さ」
くっくっく。
カイトは誰に言うでもなくそう呟き、メイコの部屋に向かった。
「ご主人様、お待ちしておりました、ワン……」
カイトがメイコの部屋に入ると、もう既にメイコは準備万端だった。
メイコの髪色に馴染む、柴犬ぽい犬耳と、真っ赤な首輪。
メイコはそれだけ身に着けて、後はもう素っ裸だった。
「よしよし、良い子だ」
カイトは満足げにメイコの頭を撫でると、「お手」と言って右手を差し出した。
「ワン……」
メイコは恥じらいながらも、なんだか楽しんでる風に、
カイトの手に招き猫みたいに指を丸めた手を乗せた。
「よしよし」カイトが撫でて、
「わふーん」メイコが恍惚。
カイトはメイコの首輪にリードを付けた。
春とはいえ、夜の屋外は少しばかり肌寒かった。
だがメイコの肌は、寒さより羞恥や興奮によってやや上気し、乳房の先端はきゅっといきり立っていた。
「さぁ、散歩に行こうか」
「……ワン」
恥ずかしげなメイコ。
カイトは四つん這いで歩むメイコを見て、更に愉悦を感じた。
白い喉に食い込む犬の首輪、垂れ下がり歩む度に揺れる双丘、赤らんだ性器が垣間見えるお尻。
お尻?
「あ、ちょっと待て」
リードを引いて止める。
「うぐっ……けほっ」
苦しそうなメイコ。
だがカイトは謝りもせず、ふさふさした毛束の付いた何かをメイコに見せた。
「……!」
メイコは息を飲む。
カイトが取り出したのは、ケモ尻尾付バイブだった。
「やっぱ犬は尻尾がなきゃね」
バイブをメイコの鼻先に突き付ける。
「ほら、舐めろよ。滑りが悪いと“痛い”ぜ?」
「う……カイトの意地悪──げほっ」
メイコが言うと、リードが強く引かれた。
「語尾は“ワン”だろ?」
「……はい、ワン」
目尻に涙を浮かべて服従するメイコ。
だがしかし、乱暴にされるのも、もう気持ち良くなり始めていた。
あくまで愛ある営み──プレイなのだ。
「あむ……じゅる……」
カイトが差し出したバイブに、たっぷりと唾液を絡ませ、舌でなぶる。
潤んだ瞳で上目使いをすれば、もうカイトの股間も興奮を隠せない状態にまで至っていた。
「尻をだせ」
「ワン……」
カイトはバイブを繰り、メイコの下の唇をなぞる。
「ん、いや……くぅん……」
もうそこはトロトロに蕩けていて、カイトはすぐにでもむしゃぶりつきたくなった。
生唾をのんで、ぐっと我慢する。
「力抜け。じゃないと痛いぞ」
唾と愛液で充分に滑ったバイブを、メイコのアナルに、ゆっくりと押し込む。
「あ、ああ……!やぁっ!あ、ああん!」
メイコは膝を震わせ、内腿に愛液を滴らせた。
カイトはバイブを抑え、押し返す力が無くなったのを見計らって言った。
「散歩、続けようか」
田舎道だから外燈はほとんどない。
だからこそ、ぽつねんと孤立したところにある外燈はよく目立った。
外燈のスポットが照らすその根本まで来て、カイトはリードを外燈の根本に縛り付けた。
「メイコ、トイレを済ませなきゃな」
「……え?」
カイトはメイコの口元をつねる。
「“ワン”は?」
「い、痛ひ、や、ごめんなさひ、ワンワン!きゃいん!」
「よろしい」
カイトはメイコを撫で、それから説明した。
「犬って決まったところでしかトイレしないんだってな。だから──」
カイトは微笑む。
「──ここで“おしっこ”しろ」