たこルカは髪の触手を器用に蠢かせ、ロードローラーの運転席横にそそり立つギアレバーに登った。  
「ふふふ、ここが気持ち良いんですか?」  
触手でギアレバーのてっぺんを愛撫する。  
──ガオーーン……!  
堪り兼ねたロードローラーがエンジンを唸らせる。  
どうやらギアレバーの“掴み”の部分が男性器の亀頭に値するらしい。  
たこルカは自らの触手に唾液を垂らし、ぬるぬるとした触手をギアレバーに滑らせた。  
猛るエンジンの回転がロードローラーの高まりに合わせて加速する。  
「まだ、イっちゃダメですよ」  
たこルカは触手でギアレバーをギュッと締め上げた。  
「口で慰めてあげますからね」  
紅い舌を覗かせ、ギアレバーの掴みをチロチロと舐める。  
触手はギュッとギアレバーの根元を圧迫したままだ。  
たこの癖に、イカせるとか奉仕するとかではなく、あくまで焦らすのが目的の、Sっぽいフェラチオ。  
亀頭のみを刺激され、ロードローラーは狂おしいほどの快感と、  
イきたいのにイカせてもらえない焦燥感に悶えていた。  
上気した頬を桜色に染め、たこルカは艶然と微笑んだ。  
「私が飽きるまで、お預けですからね」  
そういうとまた顔を伏せ、  
「チュバ」  
「ヌプッ」  
「チュポッ」  
「ジュル」  
因美な水音を発てて、熱心にギアレバーをしゃぶるのだった。  
 
 
勢いと力を込めて両端を引っ張れば、パスッと音を立てて二つに折れた。  
中から現れた軟らかに熟した実は、蜜色と白の色相が綺麗な、いかにも甘そうな姿をしていた。  
皮を剥いて歯を立てれば抵抗無く噛み切れる。  
滑らかな実が噛む毎に融け、口一杯に芳醇な香りが広がった。  
和菓子をもっと瑞々しくしたような、柿を少しばかり爽やかにしたような、とかくうまいものであった。  
「うむ、うめぇな」  
黄色い皮に黒マジックで「リンのおやつ」と書かれたバナナを、藤色のもののふがモッソモソ食っていた。  
「ただいまー」  
玄関から聞こえるリンの声。  
とてとてと足音が近付いて来て、ついにリビングに到達。  
リンはリビングで、口一杯にバナナを頬張ったハムスターみたいながくぽを見た。  
リンは柳眉をつり上げて怒鳴った。  
「ちょ、なんで私のバナナ食ってんのよ!馬鹿!野武士!」  
がくぽは怒鳴り返した。  
「馬鹿者!!!」  
馬鹿者の“ば”を発音した瞬間に、口内のバナナの三分の二が飛散。  
リンはバナナまみれになった。  
がくぽは気にせず続けた。  
「嫁入り前のおなごが“皮を剥いて口に含む”などという肉棒の如き果実を食らうなどもってのほかだ!  
太さといい反り方といい、かような卑猥極まる物を食わせる訳にはいかぬわ!」  
顔に付いたバナナ片を拭いつつ、リンはがくぽの顎をフック気味にヒットした。チンアタックである。  
がくぽは眼球の焦点が途端にブレて膝から崩れ落ちる。  
「ぐふっ……それがしの股間のバナナならば…いくらでも食べて…よいぞ」  
倒れ込みつつも下ネタは健在である。  
リンはがくぽの頭を掴んで顔面に数発膝蹴りしてその場を去った。  
 
それが10分前のことである。  
リンは腹癒せにがくぽのナスビ畑を均すためロードローラーに乗り込んだ。  
ヌルリ。  
ギアがべとべとになっていた。  
「やだ、なんでこんなにギアがヌルヌルなの……?」  
べとべとのギアを掴んで、リンは思った。  
スリスリしたい……。  
ギアレバーでの擦り付けオナヌーはリンの密かな楽しみだったのだ。  
ホットパンツを脱ぎ、少女らしいパステルカラーの下着をずらす。  
露わになった少女の蕾をギアレバーの金属部にあてがう。  
「あん……」  
ひんやりとした鉄の感触。  
ゆっくりと、腰を使って、ギアレバーに雌芯を擦り付ける。  
少女は仕返しも忘れてたった一人の情事にふけるのだった。  
 
次の日レンが土方のアルバイトにロードローラーを使おうとして叫んだ。  
「ちょwwwなんでギアレバーこんなヌルヌルなのwww根元までヌルヌルwww」  
 

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