ゴウゴウと地鳴りを伴って、黄色の巨大な車体が僕らの車を横切ります。
ロードローラーに取り付けられた夜間灯が煌々と夜を光に染め、
僕に跨がって跳ねていたメイコさんも、さすがにその存在に気がつきました。
ロードローラーの方を見ようとするメイコさんを、僕はとっさに抱き締めます。
あんな恐ろしいものを彼女に見せるわけにはいきません。
「やだ、見られちゃうよ」
みじろぎして僕の抱擁から逃れようとするメイコさんを、僕は更に、ぎゅっ、と抱き締めます。
「ん、はあ」
メイコさんの、艶めいた喘ぎ。
メイコさんの中で達した僕のそこは、達した余韻に浮かされたまま、
まだ彼女の奥を押し上げるだけ硬直を保っていました。
ゴウゴウと音を立て、ロードローラーが悠然と走ってゆきます。
まだ近い。
せめてあの、女の生首が運転する重機が去るまで、メイコさんの気を逸らしておかねばなりません。
僕はメイコさんを乗せたまま繋がったまま起き上がり、彼女をハンドルに押しつけました。
パーーーーー。
クラクションが鳴り響きます。
「痛い。カイトくん、痛いよ」
メイコさんが泣きそうな声をあげました。
でも、まだロードローラーの轟きは去りきりません。
僕はメイコさんの背中とハンドルの間に腕を入れて、少しでも彼女に負担が掛からないようにしました。
唇を重ね、視界を奪いました。
もう片手で、僕のそこを受け入れ続ける彼女の下腹部の小さな蕾を、親指で圧迫しました。
加減を心得ていない僕の仕打ちは相当乱暴なものになってしまったように思いますが、
恐ろしい重機から気を逸らさせ、こちらに気を引くのに必死だったのです。
息の詰まるせま苦しい運転席で、僕のそこは少し緩んだあと、直ぐに硬直を取り戻しました。
僕はさきほど見てしまった恐ろしい恐怖を忘れようと、必死にメイコさんを抱きました。
メイコさんが突然、きゅっ、とこわ張ります。
メイコさんの中もきゅっと締まり、彼女は全身で細かに震えました。
もうだいぶロードローラーとの距離も離れたように感じましたが、不安に駆られていた僕は、
彼女の頂点を見誤ってしまいました。
達した彼女をいたわって終えるべきだったのに、行為を続けてしまったのです。
「んんっ、んんーっ」
彼女の舌が僕の口の中で何かを訴えたげに蠢きます。
わからないまま、僕はキスと腰使いと圧迫を続けました。
その時です。
メイコさんの秘部にあてがった僕の指と、僕の下腹部に、生暖かい温度が伝って来たのです。
滴り、僕の服に染みが広がります。
メイコさんは失禁してしまったのです。
まぁ、あれだけ飲めば不思議ではありません。
僕は彼女から唇を離し、ですが下は繋がったまま、慌てて謝りました。
「ご、ごめんなさい」
メイコさんは荒い息をつきながら恍惚とした表情で言いました。
「痛いよ、カイトくん。見られちゃったかもじゃん」
「ごめんなさい」
ただ謝る僕に、彼女は言いました。
「謝らないで良いよ、私も興奮したし。ところで」
彼女はふたりの繋がった部分を見ました。
「車、私が汚しちゃったね。クリーニング代はらうよ」
一旦言葉を切って、彼女は言いました。
「身体で」
彼女はまた言葉を切って、僕にキスしました。
「私、Sっぽいって言われるけど、乱暴にされるの好きなんだ。もっと、して」
拒む理由が何処にありましょう。
僕らはUターンしてきたロードローラーがどっかにいってしまうまで、避妊具が一箱なくなるくらい楽しみました。