「マスター…やっぱり私は人気ないのかしら」
「なんだ藪から棒に」
ニコニコ動画を見ていたら横からメイコが聞いてきた。
「だってミクやリンレンの曲はこんなにあるじゃない。それにカイトだってモデルとして人気だし」
描いてみた系のことか。
「それに比べて私は持ち歌少ないし、描かれることもあまりないし…」
どうやら真剣に悩んでいるようだ。そんな姿も可愛らしい。
「大丈夫だよ。持ち歌が少ないのは、その分力作が多いってことになるだろ?メイコの曲は名曲ばかりだし」
「うーん…でも、せめてロリ声位は出せた方がいいかしら…」
一瞬某動画が頭に浮かび上がる。折角のフォローを台無しにする気ですかメイコさん。
「いいんだよ、メイコはそのままで。他人の目なんて気にしたら負け」
それにその格好いい声に惚れてメイコに決めたんだから、と言うとメイコは軽く頬を染めてくれた。うわっ本当にかわi(ry
「それに大丈夫!メイコはあんな可愛い喘ぎ声出せるんだし!」
「……殴るわよ?」
「嫌だなあメイコのツンデぐはぁっ」
私はとりあえずマスターに裏拳をお見舞いしてその場を離れた。
まったく、マスターはいつも一言多いんだから…。折角誉められても、最終的には雰囲気ぶち壊しだからマスターに礼を告げる状況じゃなくなるのよね…。
「…素直に喜べないじゃない」
マスターに聞こえないようにこっそり呟く。
呟いた時に顔が少しにやけていたのは、きっと気のせい。