それは、リビングでミク、リン、レンがテレビを見ていた時だった。
ミクは、軽い気持ちで発した次の一言が、こんな事態を引き起こす事になるとは、思いもよらなかった。
「最近芸能人も普通にテレビでラブラブアピールするよね」
「ま、俺とルカのラブラブっぷりには敵わないけどな」
「えー?絶対リンとがっくんのがラブラブだし」
(( ゚,_ゝ゚)バカジャネーノ)
「いや、俺達だね。ルカとか仕事終わったらレンで充電しなきゃとか言ってそれはもう凄まじく甘えてくるんだぜ」
「何それ基本じゃん。こっちは寝るまで、むしろ寝ても離してくれない時あるもんね!」
(テレビ聞こえないし。音量上げよう)
音量 ||||||||
「いやいや、普段ツンだからデレると貴重なんだよ!がくぽなんか普段からデレッデレじゃねーか!」
「普段はデレッデレだけど二人っきりだともっとデレッデレだし!もうね、南極をも溶かす勢いなんだから!」
(うはww地球温暖化の原因www身近すぎwwwwww)
音量 ||||||||||||
「何だよその例え。そういうのは芸がなくてつまんねーんだよ!」
「芸はなくても愛があるもん!」
「愛ならこっちのがあるに決まってんだろ!もうな、太陽の光ですら強める勢いだかんな!」
(ちょwwwwテラオゾンホールwwwwwルカ、パネェwwwwwwww)
音量 ||||||||||||||||||
「ツンデレなのにぃ?」
「だからこそだろ!溢れる愛情の裏返しがツンとなって俺に愛の鞭を振るうんだよ!」
「要するに、やっぱりラブラブじゃないんじゃん!」
音量 |||||||||||||||||||||||
「違ぇよ!ラブラブだよ!ミクもそう思うだろ?」
「(あたし?面倒くさいな)あぁ、うん」
「ミク姉、リン達のがラブラブだよね!?」
「(だから、なんであたしに振るかなぁ?)あー、そうかもね」
「ほらぁ!やっぱりこの勝負、リンの勝ちだね!」
「んな訳ねぇだろ!ミク、俺達のがラブラブだよな!?」
「(駄目だこいつら早く何とかしないと)そうかもねー」
あまりの喧しさに、ミクは二匹のバカ共を飼い主に引き渡そうと、席を立った。
(あ、いたいた)
「だから、あの生意気な物言いが可愛いのよ!少し放置してから優しくすると、いきなり素直になるんだから!」
「そのような事をせずともリンは素直なのでな!あの、子猫のように纏わりついてくる可愛らしさと言ったら、ああもう筆舌に尽くせぬわ!」
「(こっちもかよ)あのー、リンとレン君が」
「あら、丁度良いところに。ミクも、レンの方が可愛いと思うわよね?」
「いやいや、リンの方が可愛いだろう?」
「(もう駄目だこいつら)ドッチモカワイイトオモイマスヨ」
ミクは諦め、PCでテレビを見られるソフトを検索し、しばらく部屋に籠もったという。