「ア・イ・ス……カリバーッ!」  
 風の結界がほどけ、眩い光が目を焼く。KAITO・セイバーの手には輝くソーダアイスバーが握られていた。  
「そっちがその気なら、こっちだって―――」  
MEIKO・アーチャーはおもむろに手をかざし、一升瓶を創りだした。  
 その銘柄は―――  
「『魔王』だと、馬鹿なっ!」  
 稀少さ故に値段が釣り上がるような酒を、何でもないことのように、生み出し  
た。それだけで十分恐るるに足る存在であるとわかる。  
「僕は……それでも、負けられないっ!」  
 滑るアイスカリバーの柄を握り直し、KAITO・セイバーはMEIKO・アーチャー  
を睨み付けた。  
「いざ―――」  
「勝負!」  
『魔王』と対峙しながら、KAITO・セイバーはアイスカリバーに噛み付いた。  
「冷たくておいしい……」  
「くぅっ、やるわね! ならばこっちも!」  
 負けじとMEIKO・アーチャーも『魔王』の栓を開け、ラッパ飲みを始めた。  
「まだまだ!」  
 一本、二本、三本……空になるとすぐに新しい瓶が次々と現われる。  
 一体何本現われるのだろうか。MEIKO・アーチャーの無尽蔵の魔力にKAITO・セイバーは戦慄した。  
 
「何々、二人で酒盛りー?」  
 唐突にミク・ギルガミックが夜闇に姿を現す。  
「ミクも負けないよーっ」  
 ネギまエリシュの門が開かれ、無数の葱が現われる―――。  
「九条葱に万能葱、谷田部葱!?」  
 KAITO・セイバーはその膨大な種類の葱に驚愕した。見たことのない葱も数多  
くある。外国種なども含まれており、その全てを把握するのは当のミク・ギルガ  
ミックでも困難を極めるだろうと思われた。  
「全部わかるよ?」  
「「えぇっ!」」  
 KAITO・セイバーとMEIKO・アーチャーの声が綺麗にハモる。  
「ふふっ。ミクの葱は全てが宝具……つまり一人一つしか宝具を持たないお兄ち  
ゃんたちに勝ち目はない!」  
 言うなり葱をかじり始めるミク・ギルガミック。  
「それでは私が!」  
 八本の足を持つたこルカに乗ってルカ・ライダーが現われた。  
「巨大なタコ……伝説の!?」  
 MEIKO・アーチャーが目を見開く。  
 が、MEIKO・アーチャーの小刀でタコルカは刺身にされた。  
「大味かと思ったけどおいしい!」  
「Oh...実家に帰らせていただきます!」  
 ルカは新幹線で静岡に帰った。  
「お姉ちゃん、なかなかやるね」  
「ふふふ」  
「ちょっと待ったー!」  
 地響きのようなエンジンの音を轟かせながらリン・バーサーカーとレン・ランサーが現われ―――  
 
 

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