「マスター」
「なんだメイコ」
「作曲はお休みですか」
「そういやしばらくやってないな。暇ならこれでも読んでろ」
「これはなんですか」
「国語の教科書だ。中学の時の」
「なんで一人暮らしの場に持って来てるんですか」
「マスター」
「なんだメイコ」
「この教科書、ところどころ稚拙かつヒワイな落書きが施されてます」
「中学生男子とはそういうもんだ」
「マスター」
「なんだメイコ」
「子供のころの夢はなんだったんですか」
「ホテルのドアマンになりたかったな」
「かっこいいですね」
「ドアの開閉だけで給料が貰えると思ってたからな」
「そんなわけないでしょう」
「くそ、ボーカロイドに子供の頃の夢で諭されるとは」
「当時から夢がないじゃないですか」