ボーカロイドの役目は歌うこと。だがその対象は人間に限らない。
牧場にギターの調べが奏でられる。KAITOのギターだ。
そして彼と一緒に歌うのはMEIKO。もーもーと泣く牛さんに二人で唱和しながら歌っていく。
『お肉がいっぱい肉にの』
お肉いっぱい食べたいな
あなただけのお肉だから
あなたはもうお腹がいっぱい?
耳もとでささやくの
肉にのを言ってる
あー、お肉 肉 肉
もう一度肉
お肉 肉ニノ みんなのお肉
肉 肉 野菜 肉 肉にの カレーのお肉は全て人肉 ホントだよ?
ああ、どうしてあなたはお肉じゃないの?
わたしはこんなにも肉にのなのに
あー、お肉 肉 肉
何度でも肉
愛の結晶 誰より愛するあの人に
食べてほしい 食べさせたいの
だ・か・ら?
肉を求める大冒険 愛を探す旅立ち
お肉がほしーい!
そ・れ・で・?
お肉がいっぱい肉にの
わたしのお肉
お肉がいっぱい肉にの
あなたのお肉
お肉がいっぱい肉にの
でもね
あなたの肉はもうないの
どうして?
「もー」「もー。もー」
KAITOとMEIKOの歌を聴きながら、喜びの声を上げる牛さんたち。
歌を聴いて影響があるのは人間だけではない。良い歌を聴けば植物はよく育ち、家畜はとり母乳を出す。
そして肉がよりよくなり肉にのとなる。
それが即ちお肉がいっぱい肉にの。ボーカロイドの歌を聴いた牛さんは上質の肉にのとなり、市場に出荷されるのです。
最後の仕上げとばかり、KAITOが両腕を交差し必殺技を放つ。
「電磁エンド!」
びしっ! 電撃の直撃を浴びた牛さんが倒れ、一瞬で絶命する。傷一つなく。
「もー」「もー。もー」
今日も牧場は平和でした。
一仕事終え、サイドマシーンに乗って自宅に戻る二人。KAITOが運転し、MEIKOが右側のサイドカーに座ってバランスを取っていた。
ボーカロイド社の用意した社宅で二人は共同生活を営んでいる。ただ一緒に過ごすだけの平和な日々。
だがその日は少し様子が違った。
「MEIKO、何かがいる」
先に気付いたのはKAITOだった。自宅の玄関前に大荷物を背負った少女が座り込んでいる。
豊かなツインテールが特徴的な細身の少女。
「ミク!?」
初音ミク。KAITOとMEIKOの後輩機。すぐさまサイドマシーンから降りて
MEIKOが駆け寄る。
ミクも二人に気付いて、大荷物を背負ったまま立ち上がり、MEIKOの胸に飛び付いた。
むにっ。ミクよりもずっと豊かな感触がする。
「ふええええーん」
「あらあら」
いきなり泣きだすミクを抱きしめ、MEIKOは背中に手を回そうとして−
その背中にある大荷物に気付いた。
「と、とりあえず、荷物を置いて。内に入りましょ」
「ふええええーん」
くしゃくしゃの泣き顔を上げて、頷くミク。MEIKOはよしよしと頭を撫でながら、後ろを振り返る。
サイドマシーンに乗ったままのKAITOは、どうしたもんかと肩をすくめていた。
(女の子が泣いてるんだからなんとかしなさいよ)
相変わらず不器用で甲斐性なしのKAITOにそっとため息を吐く。
「はい。落ち着いた?」
コーヒーを出しながら、なんとか泣き止んでソファに沈み込むミクにMEIKOは笑顔を向ける。
落ち込んだ人を励ますのは何より笑顔だと知っているから。それはボーカロイドでも変わらない。
家の中に入れて、荷物を置かせ、とりあえず話を聞いてみる。
「はいぃ。ありがとうございます」
涙声で−それでも澄んだ美しい声で−ミクがお礼を言い、コーヒーをすすった。
「あー。俺には?」
向かい側のソファに座りギターを構えるKAITOが遠慮がちに言う。
「なに? KAITOも飲むの?」
「できれば」
「ふーん」
それ以上は何も言わずMEIKOは台所に戻っていく。
「あ、あの」
見ていたミクがこちらも遠慮がちに聞いてきた。
「何?」
「お二人は、とっても仲が良いんですね」
ふっと肩をすくめるKAITO。そして可愛い後輩にニヤッと笑みを向けた。
「喧嘩でもしたか?」
しょぼーんと下を向いて黙り込むミク。
こりゃ深刻だな。と思ってるとMEIKOが戻ってきた。
「はいはい。難しい話はあと」
KAITOと自分の分のコーヒーカップを置いてMEIKOも座る。KAITOの横に。
ごく自然にKAITOの横にいるMEIKOを、ミクは上目遣いで見ていた。
ちょっと羨ましい。そして憧れる。
「かくかくしかじか」
コーヒーを飲んで落ち着いてから、かくかくしかじかと説明するミク。
「なるほど。よく分かったわ」
うんうんと頷いてからMEIKOは立ち上がり、ぽんとKAITOの肩を叩いた。
「じゃ、私は準備してくるから。ミクを慰めて」
「え? 慰めてって……どうやって?」
「そんなこと自分で考えるものよ」
ぺろっと舌を出してMEIKOは工作室へと消えていく。
「はぁ」とため息を吐いても事態は変わらない。
KAITOは居住まを正して、ちょこんと座るミクと向き合う。
「あー……。それはまあ、なんというか大変だったな」
それからあのプロデューサーも甘くなったもんだと呟く。昔は超音波笛を吹きながら、
ハカイダーショットを撃ちまくるような男だったのに。
「うん。まあ」
ギターを置いて、自分の横をぽんぽんと叩くKAITO。
「こっち座れよ」
ミクは躊躇った。さっきまでMEIKOが座っていた場所。そこはMEIKO専用のような気がして。
ふと自分の居場所にずばずばと乗り込んできたリンを連想する。
「ああ、MEIKOなら気にしなくていい。慰めろって言ったろ」
「はぁ」
おずおずしながらも、ミクはやはりちょこんとKAITOの横に座った。
「うん」
しゅるしゅるとKAITOのマフラーが勝手に動き、ミクの首に回った。
「きゃっ」
「慌てない」
同じマフラーを首に巻き、KAITOの手がむき出しのミクの肩を抱き寄せる。
「ほら。あったかいだろ?」
「は、はい……」
KAITOの体温を直に感じ、ミクはうっすら頬が熱くなるのを感じ下を向いた。
そのままKAITOはミクの肩を抱き、頬に触れるツインテールのくすぐったい感触を感じていた。
「ん。ミクいい匂い」
「や、やだ……」
つい恥ずかしくなって離れようとする。でもKAITOのマフラーと手は離さない。
「ミ、ミク、ネギの匂いしませんか?」
「そんなことないよ」
わざとらしくくんくんと鼻を嗅ぎ、
「ミクはとっても爽やかな香りがする」
爽やかな清涼感。それはミクが感じるKAITOの匂いでもあった。
「KAITOお兄ちゃんも……いい匂い」
「そうか」
不意に言われ、KAITOも照れくさそうに笑う。そんな反撃を受けるとは思ってもいなかった。
「なんだったら、ずっとここに住んでもいいぞ」
「そ、そんな……お邪魔しちゃ悪いです」
KAITOは思わずクスッと笑う。
「いいさ。その為にここに来たんだろ?」
正面からミクに向き合い、しっかりと目を見つめて続けた。
「ミクは大事な妹だから」
「妹……」
呟いて、その口に指を添える。なんだか嬉しい。
「で、でも……やっぱりご迷惑ですし……」
「迷惑じゃない」
口に添えた指をどかし、KAITOがいきなり唇を押し付ける。
むにっ。
「!」
口に触れる爽やかな香りにミクは目を見張った。びりっと痺れる爽やかな電気の味。
「はわわ〜」
さっと口を離す。真っ赤な顔で。その顔を間近に見ながら、KAITOは屈託なく笑う。
「はじめて?」
「ええええ、え〜と、違いますけど〜」
「そう」と言ってもう一度チュッ。
「きゃー」
ますます赤くなるミクに、くすくす笑うKAITO。マフラーで繋がれ逃げることもできない。
「あ、あの。KAITOお兄ちゃんは、その、MEIKOお姉ちゃんの恋人さんじゃないんですか?」
「ああ。MEIKOとは一緒に住んでるだけだよ」
「はぁ」
一緒に住んでて恋人ではない。その関係がいまいちミクには分からなかった。
もっともミク自身、プロデューサーとは一緒に住んでるだけだが。
「だから」
KAITOの顔がまた近付く。今度は唇に触れる寸前で止まった。
「ミクもたくさん可愛がってあげるよ」
「うう〜」
恥ずかしさでただただ真っ赤になるミク。
「可愛いな」
KAITOの手がツインテールを撫でながら背中に回る。そして優しくソファに倒していった。
「あっ」
背中に柔らかいソファを感じ、視線はまっすぐ天井に向けられ。そして天井との間にKAITOの顔がある。
きゅっと脚を閉じるミク。だがすぐに力を抜いた。
「はぁ……」
すぐ前にあるKAITOまで届くような熱い吐息。潤んだ瞳で兄を見上げ、そして目を閉じた。
あったかい唇が触れ、芯から暖める。それはただ口の粘膜と粘膜が触れるだけの行為だけど、
なんだかとても神聖な儀式のように感じられた。
しゅるる。首のネクタイがほどかれ、シャツがはだけられる。
「あっ……」
胸が露になり、直接空気が触れるひんやりした感じにミクは怯えた。
「寒い?」
ふるふると首を横に振る。さっきから燃えるように熱い。ぽっかぽかに。
「あ、あの……」
「ん?」
目を開けて見上げると、そこにはKAITOの、兄の優しい眼差し。
「や、優しく……してください」
「ああ」
妹にこんなセリフを言われて。KAITOの男がギンギンに勃起する。
ほっぺにキスし、淡く膨らんだ小振りの乳房に手を乗せた。
「あっ……」
手の平に収まる可愛い乳房。それでももみもみと揉むととっても柔らかい。
「……やぁ。感じちゃう……」
はぁと熱い吐息とともに切ない声が漏れる。MEIKOの豊乳とは違うミクの小乳にKAITOはたちまち夢中になった。
小さな胸を手の中で形が変えるほど揉み、こねていく。
「あっ…! いたっ!」
「わ、悪い……」
優しくすると言ったのに。KAITOは夢中になった自分を叱咤する。
「だ、大丈夫……です」
首に巻かれたままのマフラーにしがみつきながら、ミクは精一杯の微笑みを見せた。
可愛いなぁ。
慣れない小乳への愛撫にKAITOは手段を変えた。手を離し、今度は口で吸う。
「あんっ」
赤ちゃんのように乳首を吸われ、そしてしゃぶられミクの背筋に力が入る。
ピンクの乳首を舌でころころ転がしていくと、膨らんでいくのをはっきりと感じた。
ボーカロイドはよく出来ている。
「あんっ。あっ、あっ、あんっ」
ちろちろと舌で転がす度、ミクは喘ぎ、マフラーを引っ張った。
首をぐいぐちと引っ張られながら、KAITOは勃起した乳首を甘噛みし、そして引っ張る。
「あんっ!」
びくっと背筋を仰け反らせるミク。KAITOは乳首から口を離し、ピンと指で弾いた。
「ア……はぁ」
マフラーを必死に掴み、ミクはせがむような視線でKAITOを見上げた。
ソファの上で折り重なるようにミクを覆いながら、KAITOの手がミニスカートの中へと忍び込む。
あおあいて直接パンツの中を撫でた。
「くんっ!」
鼻にかかった甘い声。KAITOの手がパンツの中の湿った割れ目をまさぐり、
そしてパンツをずり下ろしていく。
「あっ……あふぅ……」
太ももに力が入りミクの脚が自然に上がる。その細い脚の膝までパンツがずらされた。
今日のパンツは水玉模様。
「やぁ……」
すーすーと直接外気の流れる股間に、KAITOはまた人差し指を伸ばした。
「きゃんっ」
熱く爛れる肉の感触。入り口はずにゅっと抵抗なく指を受け入れ、熱い膣内まで導こうと吸い付いてくる。
そして湿っていた。
「もう……こんなに濡れて」
「やだ、言わないで」
本当に恥ずかしいのか、ミクはぱたぱたと首を振る、ツインテールも一緒に揺れて顔を打った。
「うん。よく開発されてる」
ミクのまだまだ青い、だがしっかりと開発された肢体に満足し、プロデューサーの手腕にあらためて感心する。
ずいぶんと性格は甘くなったが、腕は落ちていない。
ミクの調教具合を確認し、KAITOはじーとズボンのチャックを開けた。
「きゃっ」
飛び出た黒い肉棒から思わず目を背ける。レンの可愛らしい小振りのちんことも、
プロデューサーの熟成した渋味のあるちんことも違う。荒々しい若さを具現化したような暴れん坊の若い男性器。
それはあたかも凶器のようで。
「しゃぶってみる?」
「え、えええ?」
なんのことだか分からずミクは困惑するばかり。
「んー。これを口でするのは教わらなかった?」
「い、いえ。あんまり」
「そうか」
まあ口を封じるとボーカロイド最大の特徴の声が出ないからな。KAITOは少し残念に思いながら、体の下に感じるミクの両足を大きく広げ、その股間に注目。
「あ、あぁ……」
局所をまともに見られ、ミクの目に涙が溜まっていく。悲しいからじゃない。
恥ずかしさでもない。なんだろう、この胸をぎゅっと握りつぶす切なさは。
二人の首を繋ぐマフラーをぎゅっと握り締めるミクを見下ろし、その頬をそっと撫でる。
KAITOはゆっくりと腰を進め、ミクの入り口まで先端を寄せた。
「あっ」
むにゅっと凶器のように尖った男の象徴がミニスカートの中の花弁に触れ、
ミクの股間がきゅっと締まる。
緊張を直に感じ、KAITOはミクの耳に口を寄せた。
「歌ってよ。ミク」
「あ、ああぁ……あううぅ」
口がぱくぱくと開く。だが歌にはならない。
だからKAITOから歌いだす。
「ぐるぐる」
「どっか〜ん!」
叫ぶようにミクが歌うと同時、KAITOの腰が思い切り叩きつけられ、ソファがぎしっと大きく揺れた。
「ひぎいいっ!」
ぎちっとマフラーを引き絞るミク。KAITOがいっぱいいっぱいお腹の中に入ってくる。
ギチギチの媚肉をこすり、拡げ、たちまちKAITOの肉棒がミクはいっぱいに満たした。
「あ、あはぁ……」
はぁと深い息が漏れ、水玉パンツを挟んだミクの細い脚が上に向き、ソファがギシギシと鳴る。
「うんっ」
ミクの初々しい狭い肉を存分に味わい、KAITO腰を止めた。ソファがギシギシと鳴るのは、ミクが勝手に動いてるから。
「……はぁ。やだ、やだぁ……。はああぁ」
感じる自分がなんだか恥ずかしくて切なくてミクは胸をきゅんきゅん鳴らしながら、
水玉パンツで膝を挟まれた脚をばたつかせ、KAITOの下で喘ぎ悶え、すすり泣いていく。
「ううぅん……うぅ……。くん」
マフラーを握り締めながら、涙で前が霞んでいくミク。そのすぐ前にKAITOの顔があった。
うっすらと汗を浮かべながら、ミクをただ愛しく見つめるKAITO。今にも暴れそうな下半身を抑えながら、
ただ挿入したままミクのさせたいようにさせている。
「ふあぁ……。KAITOお兄、ちゃんぅ……」
「なんだい?」
優しい声。繋がっても、結ばれても、やっぱりKAITOはお兄ちゃんだ。
「お兄ちゃん……。お兄ちゃん、あうっ、……お兄ちゃんぅ!」
徐々に声が上擦っていく。
お兄ちゃんと呼ばれる度、KAITOは自身が昂ぶって来るのを感じていた。
「お兄ちゃん! お兄ちゃんお兄ちゃん! お兄ちゃあああぁぁぁぁーん!」
ミクの腰ががくんっと下がったかと思うと反動で持ち上がり、ソファが大きく跳ねた。
「おにいいいいいいいちゃああーーーんんんん!!!」
腰に走る衝撃でKAITOは達し、ドクドクと白い汁をミクのナカに放ってしまう。
ボーカロイドのそれが人間の精子と同じかは不明だが。そして妊娠するかも未知の領域だが。
「はぁ、はぁ。……お兄ちゃん……」
ぐったりとソファに沈むミクに口付けし、KAITOは身を離した。ずるっと萎んだ肉棒がこぼれる。そして後ろを向いて、
「これで良かったか?」
「まあ上出来」
「MEIKOお姉ちゃん!?」
いつの間にかそこにいたMEIKOにミクは目を丸くする。なぜか彼女は巨大なノコギリを携えていた。
「い、いつからそこに?」
「ミクがお兄ちゃんお兄ちゃん言い出してから」
無言のままKAITOはマフラーをミクの首から外してやった。
「まあ、大したお兄ちゃんプレイじゃない」
KAITOは何も言わず、ぐっと親指を立てる。己に満足できる行動をした者だけが許されるポーズ。
「上等」
がこーん。
手にした巨大ノコギリでぶん殴り、吹っ飛んだKAITOは壁に頭をめり込ませた。
ちんちんがぷらぷら揺れています。
「はわわ。KAITOお兄ちゃん」
「大丈夫。いつものことだから」
心配して立ち上がるミクに、MEIKOはなんてことないと言い放った。立ち上がったミクの太ももを白い汁が伝っている。
「そんなことよりミク。出来たよ」
MEIKOは手にした巨大ノコギリをミクに渡す。ずっしりと重い。
「あ、あの、これは?」
「ゼロワンブースター。ミクの新しい力よ」
「ゼロワン……ブースター!」
言葉とともに自らの左肩の「01」を見下ろす。
「そう。あのプロデューサーにがつんと言ってやらないと」
「がつん?」
「そう。がつん」
「はい!」
巨大ノコギリことゼロワンブースターを構え、ミクはしっかりと頷く。
この家に来た当初の暗さは完全に吹き飛んでいた。
お兄ちゃんとお姉ちゃんのおかげで。
「ミク、プロデューサーさんにがつんとしてきます!」
初音ミクはゼロワンブースターを装備した!(ぱぱーん)
「がんばってミク」
「はい。ミクがんばります」
プロデューサーさんをがつんとしないと。
(おしまい)