カイトがベッドの上で横になっている。メイコはそれを組み伏せていた。
「んっ、んふ」
上口蓋を舌でなぞると、鼻にかかったような声を出す。それを聞くのは、メイ
コにとって実に興味深いことだった。
「あっ、メイコ……」
カイトが甘えるような声で名前を呼ぶ。その声を塞ぐように、音を立てて何度
もキスをした。
久しぶりに重なった休みに、カイトもメイコも少し言葉を交わしただけで相手
を求めていた。短絡すぎて、体だけが目当てだと思われていないかとどちらから
ともなく考えたが、相手を愛しているからこそほしくなるのだと考え直した。
さて、ラブホテルの部屋に入ると上着をクローゼットにしまった。何となく気
恥ずかしさを感じながら、メイコはクローゼットの扉を閉めるカイトを見つめる。
カイトが振り返った瞬間に、その肩を掴んでベッドに押し倒した。
「んっ!」
驚いて声を上げるカイト。期待を含んだ声だと思ったが、カイトは肺から空気
と共に押し出される声でさえ情欲をそそる響きを持つため、声だけでは判断でき
ない。
「めーちゃん?」
カイトがわずかに潤んだような瞳を向け、メイコを見つめる。
声、瞳、ベッドに横たわったカイトの乱れた服。全ての要素が、カイトをぐち
ゃぐちゃにしてやりたいという狂暴な衝動に収束する。
合意の元にカイトの体を押さえつけながら――抵抗しようと思えば、カイトは
いつでもメイコを跳ね飛ばせるからだが――抱きついて体温と体臭を味わった。そして冒頭に戻る。
メイコは何度も執拗にキスをし、ゆっくりとカイトの服をはだけていく。カイ
トの息が上がり、苦しそうだった。ベルトを外してズボンを脱がせると、カイト
のものがつんと立ち上がっている。
そっと触れると、温かい。皮を剥くとカイトが呻く。カイトの喘ぎ声を聞いて
高ぶってくるのを感じながら、どうすればいいか、カイトの反応を見ながら、強
弱をつけて握ったり、扱いたりして愛撫した。
いよいよ鉄のように硬くなり、メイコはいつもその硬さに驚かされる。こんな
ものが中に入るのが信じられないくらいだ。比較対象を知らないので何とも言え
ないが、少なくともメイコにとっては硬くて太く、大きい。
目配せをし、ゴムを取り出す。薄っぺらいそれは、ボーカロイドと言えど事を
するときになくてはならないものだ。まるで靴下のようだと思いながら、カイト
のものに水色のゴムをつける。メイコはそれを放置して、下着を脱いだ。
メイコのそこは既に濡れていた。
無言のままカイトにのしかかり、カイトのものをメイコの中に導く。圧迫感に
耐え切れず、メイコは声を漏らした。
カイトの肩口に顔を突っ込んで、腰だけを上下に動かす。カイトは気持ち良さ
そうだが、メイコはそうでもない。カイトを羨ましく思いながら抽挿を繰り返し
た。
その内に疲れて、メイコは腰を下ろしてしまった。カイトがメイコの頭をなで、
下から突き上げる。
「んっ、あっ!」
メイコが驚いたように目を閉じ、手を握り締める。
メイコはカイトに主体的に動かれる方が好きだった。その方がカイトに征服さ
れている感じがするからだ。マゾヒストではないが、なぜかカイトにそうされる
のを好んだ。最初はいつもメイコがリードするというのに。
「あっ、あっ、あぅ……っ、んぐうぅ!」
メイコはすぐに達し、中を強く締め付けた。カイトもそのまましばらく突き上
げ、達した。カイトのものが抜かれてしまうのを名残惜しく思い、メイコはお腹
がきゅんとするのを感じた。
終わり
おまけ
「うおー、GJ!」
俺はカイト。うちのメイコは根っからの受けで、セックスはいつも俺がリード
している。だからこういう攻めメイコは憧れだ。
うちのメイコときたら、今も携帯いじって……たまにこっちを見てくる。
何なんだ、言いたいことがあればはっきり言えばいいのに。
そう、俺は知らなかった。
俺が今称賛したSSは、うちのメイコの投稿作品だということを……。