「今日も雨、か……」
窓の外は今日も雨。8月に入ったというのに梅雨明け宣言もまだ出ていない。
やはり先日、ミクやリンたちのやらかした雨ごいのせいだろうか。毎度の事ながら死ぬかと思った。
「ん?」
冷凍庫を開けてみると、アイスのストックがなくなっている。蒸し暑い時期だから皆にツマミ食いされてしまうのは仕方ないか。
仕方ない、コンビニにでも買出しにいくか。
「〜♪」
廊下に出たところでご機嫌なリンとすれちがった。ん?雨ガッパ、というかポンチョ?
「リン」
「なにカイ兄?」
「出かけるのか?」
「うん。おやつの買出し。芋けんぴばっかりじゃ飽きちゃうし」
「だったら、ついでにアイスを買ってきてくれるか?」
「いいよ」
うんうん、素直ないい子だ。お釣りはお駄賃にしてもいいからな。
サイフから札を取り出してリンに渡す。しかし、イメージカラーのせいか黄色いポンチョがよく似合ってるなこいつ。
このままケロHディスティニーでも歌いだしそうだ。
「それじゃいってくるね」
「ああ」
ふと俺は、なにかを思い出して反射的に歌を口ずさんでいた。
♪伯方さん、伯方さん、伯方さん、は・し・た・ない♪
条件反射で踊るリン。曲げた腕によって持ち上げられたポンチョが翻り、リズミカルに振られる腰。
どう見てもはいていません。ありがとうございました。