砂浜にて。  
huk〇eさんちのブラック★ロックシューター(初音ミク)はふて腐れていた。  
 
「ねー!ますたぁ、なんで泳いじゃダメなのぉ!」  
「ダメなもんはダメだっつの。小麦色したブラック★ロックシューターなんて格好つかんだろ」  
「んうぅ……あたしも泳ぎたいよぅ」  
 
hu○eさんちの初音ミクは、h○keさんの創作キャラであるブラック★ロックシューターのキャラを壊さぬため、  
万全な日焼け対策を施されていた。  
くるぶしまで丈のあるワンピース、ツバのだだっ広い麦わら帽子、長袖のカーディガン、白い手袋、真っ黒い日傘。  
その上にと言うかその下にと言うか、服を着る前の素肌にもたっぷりと日焼け止めのUVカットクリームが塗りこまれている。  
誰が塗ったのか。○uke氏である。  
サラサラ系でない、しっとり系のちょいベタつくクリームだったため、  
ブラック★ロックシューターことhuk○さんちの初音ミクはかなり嫌がった。  
お風呂へ強制入浴させられる子犬みたいに暴れて逃げまくるブラック★ロックシューターに日焼け止めを塗るのはかなり大変だったらしく、  
hu○eさんの手にはひっかき傷や噛み付き跡が沢山ついている。  
 
「しかし胸とは意外な弱点であった」  
「ますたーのヘンタイ!」  
 
これはhuke氏(○を挿入するのに倦きた)がブラック(ryにUVカットクリームを塗布したときのことだが、  
散々抵抗されながらブラッ(ryの腹部にクリームを塗ろうとしたときに誤って手が滑って、  
ブラッ(ryの青い果実を揉みしだいてしまった。  
「ひあ……んくぅ」とか喘いで、ブラッ(ryは身体を強張らせたかと思ったら脱力した。顔は赤い。  
huke氏は気がついた。  
この娘、おっぱいが敏感。  
「ますた…やめ、いや、ああっ」クリームが塗り終わるまで、hukeさんの愛撫はエンドレスサマー。  
そうこうして一悶着のち浜辺に到着。  
せっかくの夏休みだから海くらい行きたいと言うブラッ(ryの希望が曲がりなりにも叶えられたわけであるが、  
彼女が演じると言うか彼女に設定されたキャラクターは海で日焼けして健康的な色気を漂わせる系統ではなく、  
むしろ色白くて黒の衣装が映えるゴシックなキャラクターだったから、  
ブラック(ryが望むほどの休日らしい行いは遊泳すらも許されなかった。  
話は「マスターのヘンタイ!」まで戻る。  
 
「お前ね、暴れて逃げまくるからそうせざるを得なかったんでしょうが。  
日焼け止めを大人しく塗られててくれりゃ性感帯を愛撫して制圧したりしないよ。  
お前はビジュアル担当、ryoさんとこのミクがボーカル担当。自分の役割を果たしなさい」  
「……ますたぁのバカ。死ね」  
「機嫌直せよ」  
 
huke氏はレジャーシートを敷いてパラソルを突き刺し、むくれっつらのブラ(ryを座らせた。  
横座りをしたブラックロックシューターは衣装と全く違う露出ゼロの服と風に靡く黒髪が浜辺に映え、  
なんだか夏のお嬢さんて感じでとても可愛いい。  
機嫌の悪い顔も見るものに憂いを窺わせてなんとも胸キュンである。  
 
「そうだ、かき氷買って来てやるよ。何味がいい?」  
「かき氷!……め、メロン味、がいい」  
 
ブラッ(ryがかき氷でテンション上がったのは丸分かりだった。  
だって目が輝いている。  
huke氏はかき氷を買いにその場を離れた。  
 
かき氷を待つ間、ブラックロックシューターは海を眺めていた。  
波打ち際では何処かのボーカロイド達が楽しげに泳いだり、砂遊びに興じていたりする。  
もちろんその中にはブラックロックシューターと同型の初音ミクも居たりして、  
泳ぎは禁止砂遊びも禁止日焼けも禁止の自分の状況がますます惨めに思えて来て、  
ブラック(ryは悲しくなるのだった。  
 
(やばい、泣きそう……)  
 
ブラック(ryは膝を抱え込んで顔をうずめた。  
そして泣きそうな惨めな気持ちと一緒に、なぜ自分だけ遊んじゃいけないんだクソったれ、という怒りが湧きあがった。  
そのまま泣いているようなら可哀相にもなってくるってもんだが、ブラック(ryはそごで従順ではなかった。  
姿をくらましてhukeさんを困らせようと思い立ち、日傘をさして砂浜をテクテク歩き出した。  
あ、でも、かき氷食べたいな。  
ブラックロックシューターは立ち止まる。  
ちょっと考え、パラソルとレジャーシートが見える位置に隠れて、  
hukeさんがテンパるのを観察するだけにしよう、かき氷が溶けるまえに戻ろう、と決めた。  
見回すと、海岸まで乗ってきた車を止めた駐車場がある。あそこに隠れよう。  
日傘を畳んで、沢山止まった車の隙間に身をかがめる。  
 
──ギッシ、ギッシ  
 
突然の異音。  
ブラックロックシューターは驚き身構えた。  
なおも異音は大きくなり、ブラックロックシューターが影に隠れていたワンボックスカーから音が鳴っていることが知れた。  
車の窓にはスモークが貼られて目隠しがなされて居る!  
中の様子を窺い知ることはできない!  
 
『あっ、ああっ!』  
 
車の中からくぐもった悲鳴が聞こえて来る!  
ブラックロックシューターは思った!  
 
(く、君子危うきにゅ近寄らじゅ!)  
 
噛んだ。心の声で。  
ブラック(ryは車内に気取られぬうちにそそくさとパラソルに退却した。  
ちなみにこのワンボックスカーは何処かのボカロ達がカーセクロスに勤しんでいただけだったりラジバンダリ。  
ブラック★ロックシューターは自分とこのパラソルを見失ってしまい、迷子呼び出しでhukeさんを呼び出した。  
当然かき氷はただの水になってしまっていた。  
 
終わり  
 

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