例によって、例のごとく。  
がくぽさん宅にお邪魔して、ふたりで縁側でまったりしてます。  
 
今日のお茶菓子は、うちにお中元で届いた水ようかん。  
うちの家族にはあまり和菓子を食べるひとがいないので、  
もったいないからといくつか持ってきたのでした。  
 
「はー、やっぱり、水ようかんは良いのう。」  
「そですねー、あんこは良いですよねー。」  
 
そんなやりとりをしつつ、麦茶をいただきつつ。  
 
「ところで、”project DIVA”、進捗はどうです?」  
「いや、なかなか難しいのうあれは。水着なぞ出る気がせんぞ。」  
「レン君は、全モジュール制覇したって言ってましたよ。」  
「ほう。それはすごい。」  
 
世間話をしたり、お互いの近況を話し合います。  
それは、いつものことで。  
 
 
きょうは、ぐみさんはレコーディングで不在とのこと。  
なので。  
 
ぴた、とがくぽさんに身を寄せてみます。  
くっついた腕と腕が、じんわりと熱くなり、汗ばんでくるのがわかります。  
 
「しっとりしてますねえ。」  
「そうだのう。」  
 
ごち、とおでことおでこがぶつかり。  
ふざけてぐりぐりとし合った後で。  
 
唇と唇が重なります。はじめは軽く、次第に深く。  
そして。  
 
「……初音殿。」  
「……はい。」  
「その……、部屋に上がらぬか?」  
 
がくぽさんが、律儀に聞いてきます。  
これも、いつものことで。  
 
 
布団の上で正座で向かい合い、服を脱がせあいます。  
こういうときについ正座になってしまうのは、なぜなんでしょうか。  
 
どさくさまぎれにお腹をつままれたり、つまみ返したり。  
身体にキスされたら、同じところにキスを返したり。  
お互いの、いちばん敏感な部分に触れあったり。  
そんな風にしつつ、服を取り払ってゆきます。  
これも、いつものことで。  
 
がくぽさんが私の中に入ってくるときに、  
「あ……。」  
と、短い声をあげ、何ともいえない顔をするのも、  
気持ち良いときに、私の腰をぐっと掴むのも、  
いくときにかすれた声で私の名前を呼ぶのも、  
これも、いつものことで。  
 
こういうことは。  
慣れると飽きて、だんだんしなくなっちゃうものなのかなと昔は思ってました。  
 
でも、実際は。  
するほど「いつものこと」が気持ちよくて嬉しくて。  
少なくとも私は……。飽きるとか、そういう気持ちにはなりそうもありません。  
 
 
 
−−−−−  
 
「ときに初音殿。」  
「はい?」  
 
ふたり、タオルケットにくるまりつつ、世間話の続きです。  
 
「もうじき誕生日だが。何か欲しいものはあるか?」  
「うーん、そですねえ……。特に……。」  
 て、そういえば。がくぽさんのお誕生日権も、まだ行使されてませんよ?」  
「あ、そういえばそうだったの。」  
 
がくぽさんの誕生日の時も、特に欲しいものはないということで。  
プレゼントは「お誕生日権」として保留になってたのでした。  
 
欲しいもの……。  
敢えていうなら、このなんてことない日常が続けばいいな、と。そんなことを思いつつ。  
 
「ならば、ふたりで、何処かに行くか?」  
「何処かって、何処ですか?」  
「んー、例えば。温泉とか。」  
「いいですねー、温泉。上げ膳据え膳でまったりしたいですねー。」  
 
またつらつらと、取り留めのない話をするのでした。  
 

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