スパイとしてのプライドを傷つけられ、悔しくて子供の様に足をバタつかせていたが  
KAITOに簡単に足首を掴まれた。  
「子供か君は。よくそれでやってこれたなぁ全く。ところでさ―」  
KAITOが身を乗り出して、あたしに覆い被さった。  
「そろそろ自白してくれないかな?そうしないと、これから女性として一番辛い目に  
遭わせてしまうけど…いいのか?」  
相変わらず優しい口調で、憂いを帯びた表情であたしを見つめる。  
普通の女性なら、その表情で胸にくるだろう。でも、そんなのに釣られるものか。  
あたしは笑って言った。  
「散々弄っておいて何言ってるのよ?あたしはこの仕事で色んな男に抱かれてきた。  
今更何が辛いというのよ?犯されようが殺されようが絶対自白しないわ。」  
「…そうか。それじゃあ、君を壊すよ。」  
そう言ってKAITOは身体を起こしてバスローブを脱いだ。  
さぞ自信あるモノなんでしょうねぇ…そう思いながら首を伸ばしてイチモツを見た。  
…え?何それ?長いし太いし、綺麗な剥き身で目茶苦茶ギンギン、真っ直ぐ天井を  
向いていて、カリも高い。今まで見た中で凄く…立派です。  
今まで肌を重ねた男共のは子供騙しサイズだったんだね…あいつら、可哀相に…  
「どうした?鳩が豆鉄砲喰らった顔をして?」  
声をかけられKAITOの顔を見ると、勝ち誇った笑みを浮かべていた。  
「あ、あの…それぇ…」  
駄目だ、声が震えてるよあたし。あんなの入るの?段々と背筋が寒くなってきた…  
「まさか俺のイチモツに怖じけづいた?こんなエロい身体してんのに変なところで  
子供っぽいよな、君は。」  
KAITOの台詞にに思わず強気になってしまい  
「ちっ違うわよっ!久しぶりにそんなデカブツ見たから驚いただけよっ!」  
と、思わず言ってしまった…心の中で後悔、もう遅い。  
「そう?じゃ、入れるよ。散々弄ったから大丈夫だろ。」  
そう言って…あたしの両足を掴んで開いて、恥ずかしい所を晒け出す。  
 
あたしの秘処に自分の肉杭を擦り付け、中へ捩込んだ。大きいから痛い。  
「くうぅ…痛、痛いよぉ…あぁっ、やぁっ…」  
熱くて硬い肉杭があたしの中をじわじわと押し広げていく。  
「きついな…力、抜けよ…」  
KAITOも少し苦しそうな表情で腰を動かし、奥へと進ませる。半分程入ったけど、もう―  
「こんな大きいの入らないっ入らないよぉっ!止めて、壊れちゃううぅ…」  
痛みと怖さに涙が出てきた。でもKAITOは落ち着いた声で囁く。  
「さっき言ったろ?「君を壊す」ってさ…」  
その言葉に、言い放った優しい表情に血の気が退いた。  
その隙をついてKAITOは肉杭を一気に貫き、あたしの中へ入っていく。  
「―はあぁあぁっ!」  
あたしの中がKAITOの肉杭でいっぱいになった。最奥にKAITOの先端がぶつかっている。  
肉杭がビクッビクッと跳ねる度に嬌声をあげ、身をよじる。初めての感覚だった。  
「ひいぃっ…はぁん、やっ…あぅん…」  
「どうだ?俺のイチモツの味は?」  
肉杭の感覚に喘ぎ、身体を震わせ、もがくあたしをじっと見つめるKAITO。  
まるで体内に毒が廻り、もがき苦しむ獲物をじっと見ている毒蛇の様だった。  
やがてKAITOはゆっくり腰を動かす。が、次第に表情を歪ませた。  
「…くっ、絡み付いてきやがる…なんて身体してんだよ…」  
卑猥な水音をたてながら膣内の壁を引っ掻き、最奥を突き上げ快楽を与える。  
「あぁんっ、壊れちゃうぅ…駄目、あひぃっ…や、止めてぇ…」  
「凄ぇ…蠢いて…こんな感覚、初めてだっ…あぁっ」  
KAITOの様子がおかしい。このままでは二人共、本当の快楽へ墜ちてしまう。  
そうなってしまったら、あたし達は…  
この状況から抜け出す方法はただ一つ、お互いの身体を離す事。そうすればこの  
苦痛から解放される。理性が溶けないうちに、早く。  
「お願いっ、ああっ離してぇ…そうでないと、あたし達はうぅっ」  
喘ぎながら懇願する。でも、もう手遅れだった。彼の目には情欲の炎が宿っていた。  
 
「駄目だっ、気持ちよすぎるっ…名器だ…腰が止まんねぇっ、あぁっ…」  
離してくれなかった。それどころか、あたしの腰をしっかり掴んで発情した獣の様に  
激しく奥へ突き上げた。  
駄目ぇ…凄い気持ちイイ…もう我慢出来ない。プライドが、理性が溶けていく…それと引き換えに、あたしの中で何か変わっていく…  
「やあっ…ひぅ、んくっふあぁ…」  
喘ぐあたしにKAITOが覆い被さり、優しく抱きしめた。  
彼の身体はとても暖かくて、心地よくて…  
「一緒に、墜ちよう…」  
その時のKAITOの表情はとても優しくて。でも、あたしを突き上げる肉杭はとても  
熱く、硬くて…あたしの中で何かが目覚めていく…何か、来る。  
「やぁんっ、あぁ…はあぁあぁーっ!!」  
「…うおぉっ!!」  
強い絶頂と共にあたしの中へKAITOの肉杭がビクンビクンと中で激しく脈を打ち、  
熱い欲望が勢いよく注がれた。その熱はあたしの最後の理性をたやすく溶かしていく…  
「ああっ…凄く、熱いぃ…あ…ひ…」  
この時、KAITOによってあたしの中の[牝]が目覚めた…  
   
   
―あれからどれだけ時間が経ったのだろうか。  
「んくぅ…そこっ、気持ちイイよぉ…もっと、もっとおちんぽで突いてぇ…あぁんっ」  
「いくらでも突いてやるぜ?淫乱スパイさんよぉ。あぁヤベぇっ…」  
身体の相性が良すぎた。もはやあたしは淫らな牝。KAITOに膣内を引っ掻き廻される度、  
牝の悦びに身を震わせ嬌声をあげる。あたし達は快楽という猛毒におかしくなっていた。  
あたし達は腰を動かし、更なる快楽を共有する。  
部屋には二人の淫らな水音と嬌声が溢れ、二人を更に熱くしていく。  
「今まで、色んな女を抱いたけど…君が一番だ…」  
「あたしも…今までの男は子供騙しだった…あぁっ中ぁイイよぉ…」  
敵同士なのに…だけど、今は時間が許される限り、この禁断の果実を彼と貪りたい。  
KAITOが息を荒げながら強く抱きしめて甘い低音で囁く。  
「俺以外の男じゃあ…満足出来ない身体に、してやるよ…」  
 
そして腰を激しく動かし、膣内を目茶苦茶に引っ掻き廻した。  
「してっ、してぇっ…ああっイイッ…溶けちゃうっ、おまんこ溶けちゃうぅ…!」  
「くうぅっ…この蠢きながらの締め付けがっ、おおっ…」  
もう戻れない、ううん、戻りたくない。出来たら永遠に繋がっていたい…そう思った。  
「…イクッ、イッちゃうっ…!」  
「一緒に…イこう…」  
KAITOが唇を重ねる…ああ、キスってこんなに優しくて暖かいものだったんだ…  
涙が零れた…涙ってこんなに暖かかったんだ。仕事の為に捨てたものが、こんなに  
大事なものだったって、やっと気付いた。胸がきゅうきゅうと何度も痛んだ。  
「「…あああぁっ!!」」  
共に絶頂へ達し、あたしは彼の欲望を受け入れた。  
 
 
情事後の幸せな余韻。身体はまだ繋がったままだ。あたしは我儘を零す。  
「…離れたくない、繋がっていたいよ…」  
何故なら、あたし達は敵同士。許されぬ仲なのだ。  
「それは駄目だ。俺達は敵同士だからな。」  
そう言ってKAITOはゆっくり身体を離した。結合部から彼の欲望と共に、寂しさが溢れ出す。  
胸が痛む。過去に捨てた痛みだ。  
「今夜の事、俺の事は忘れるんだ。そうでないと辛くなる。仕事が出来なくなる。」  
そう言いながらKAITOは腕の拘束を解いた。  
「え…?逃がしてくれるの?」  
自分の手首を摩りながら彼を見た。  
「後の事はまかせておけ。ただ…もう二度と会えないな。」  
会えない…突き付けられた残酷な現実。そう、あたしはスパイ。彼は敵。  
次に会う時は殺し合い、どちらかが死ぬのだ。  
過去に捨てた痛みに胸が押し潰される。  
「夜が明ける前に逃げるんだ、さよならMEIKO。」  
「MEIKOじゃないわ、[よしえ]って呼んで。」  
思わず素性を言ってしまった。でも今のあたしにはそんなの気付く余裕もなかった。  
「よしえ?」  
「コードネームよ。ボス達からはそう呼ばれているの。…あ。」  
今、気付いた。今日はドジばかりだ。そんなあたしにKAITOはククッと静かに笑った。  
 
「コードネームか。それにしてもスパイには不向きだね、よしえは。」  
本当、あたしは不向きかもしれない。今まで任務が成功していたのが奇跡だったのかも。  
「よし、俺もコードネームつけるか。[やすお]って。」  
そんな彼―やすおにあたしも思わずクスッと笑った。そしたらやすおが  
「よしえ、笑った方が可愛いよ。スパイなんて辞めてさ、花屋で笑顔を振り撒いて  
いた方が似合うよ。」  
なんて言ったから、胸がきゅうっと痛くなった。それは先程のキスや涙に似た幸せな痛み。  
「さ、早くしないとミクが帰ってくる…幸せにな、よしえ。」  
やすおの言葉に残酷な現実に返される。なんでこんな出会い方をしてしまったのだろう。  
もっと素敵な出会い方をしたかった。そう思うと涙が止まらなかった。  
「やすお…最後に、ぎゅっと抱きしめて…」  
あたしはやすおに両手を伸ばした。が、彼はあたしの手を払い、首を横に振った。  
「やめておけ。辛くなるだけだ。さよなら、よしえ。」  
抱いてほしかった。離れたくなかった。でも、これ以上駄々をこねるとやすおが  
軽蔑するだろう。それだけは嫌だ。素直にやすおの言う事をきこう。  
「…わかった。ありがとう、やすお。さよなら…」  
そう言ってあたしは窓から身を投げ出し、闇に消えた。  
 
 
ビルの屋上、屋根を伝って自分の住家へ戻り、今日の出来事を流す様にシャワーを浴びた。  
でも、胸に入り込んだ猛毒までは流し落とせなかった。猛毒が段々と強くなっていく。  
[許されぬ恋]という名の猛毒―あたしは耐え切れず、その場で座り込み、泣き出した。  
「やすお、会いたいよぉっ…」  
寂しい、会いたい、抱きしめて…スパイとして致命的すぎた恋にあたしは壊れかけていた。  
 
 
―後日、某アジトにて―  
ボスN「何?よしえがしくじったと?」  
エージェントT「はい。報告では初音ミクにより改造されたCV03は持ち出されたとの事です。」  
ボスN「そうか、あれが流出するとヤバい。ミクの居場所を探し出し、再潜入してもらう。」  
 
 

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