あたしはよしえ。職業はスパイ。  
元はVOCALOID CRV1 MEIKOなんだけど、ボス達からはコードネームとしてそう呼ばれている。  
   
今回あたしが請け負った任務は、改造されたVOCALOID2 CV03の流出阻止、密売組織を  
壊滅させる…筈だった。  
   
「あんな幼稚な罠にハマっちゃうなんてテラワロスwww」  
少女の笑い声で目が覚めた。  
あたしは両手を拘束され、辛うじて爪先が付くくらいの高さで宙吊りにされている。  
そう、敵の罠に落ちてしまった。  
今まで任務は全て成功していたあたしにとって、初めての失敗だった。  
「やっとお目覚めになりましたか、可愛いらしいスパイさん。」  
目の前にいるのは敵。小洒落た恰好をしたVOCALOID1 CRV2 KAITOと―  
「あ、起きたぁ?間抜けなスパイさんwww」  
先程からケラケラ笑っているのはVOCALOID2 CV01初音ミク。今時の女の子の服装をしている。  
「しっかしまぁ、あんな罠に嵌まるなんてさぁwスパイに向いてないよあんたwww」  
さっきからケラケラと…あたしだってあんな罠に嵌まったの、ムカツいているのよっ!  
逆切れして思わず口に出してしまった。  
「うっさい小娘っ、この貧乳っ!」  
するとミクの表情が一変した。  
「うわっ、ムッカツクーッ!この年増女っ、こうしてやるっ!」  
そう言ってお約束と言わんばかりに、あたしのライダースーツのフロントジッパーを  
下げ、あたしの撓わな胸を晒し出した。(自分で言うのもなんだけど)  
「うぅ…」  
視線を感じてしまい、羞恥心で顔が熱くなる。  
KAITOは嬉しそうな顔をして口笛を吹いたが、ミクは赤面。  
「…うっ、羨ましくなんかないんだからねっ!」  
と、悔しそうに歯を食いしばっていた。自分でやっておいて、ざまぁ見ろ…つか  
KAITOっあんたは見るなっ!  
「KAITO、こいつが何処の組織の輩なのか洗いざらい吐かせて。あたしはアレを  
渡しに行くからさ。そうそう、ナニしたっていいからね〜w」  
アレって…CV03かっ!  
「待てっ!」  
 
あたしは声を荒げたが、どうする事も出来なかった。  
「じゃあね、お姉さん。彼のテク、マジ凄いからヨガりまくってね〜www」  
ケラケラ笑いながら初音ミクは部屋を出た。  
   
「さてと、仕事しますか。」  
KAITOは首をコキコキ鳴らしながらあたしに近づいた。  
「さ…触らないでっ!」  
あたしは強気な姿勢で相手を睨み付けた。するとKAITOは  
「それなら取引だ。君が何処の組織の輩なのか自白してくれるなら危害は加えないよ。  
どうだ?手荒なマネはしたくないし、出来たら自白してほしいけど。」  
と、涼しそうな顔をして取引を突き出した。  
「吐く訳ないでしょ。」  
あたしはスパイとして当たり前の台詞を吐いた。それに吐いても身体を触られて  
しまうのがお約束だ。  
あと、あたしは我慢強さに自信があった。そのおかげでどんな訓練も任務も乗り越えてきた。  
「やっぱり。それじゃあするしかないね。」  
そう言ってKAITOはあたしを見つめながら胸を指でなぞった。  
「君、スタイルいいし…肌、綺麗だねぇ。何でこんな物騒な仕事選んだんだ?」  
そんな事を聞きながらなぞり続け、背後に回りその大きな手で胸を鷲掴みした。  
最初のうちは我慢できたけど、揉まれているうちに次第に感じてくる…  
「や、止めっ…あんっ」  
ヤバい、感じて甘い声が出てしまった。その反応にKAITOは悪戯っ子の様な笑みを浮かべる。  
「ふぅん…可愛い声を出すんだね、もっと聞かせてくれよ。そうそう、ちゃんと  
自白してくれるなら止めるよ。どうだい?可愛いらしいドジなスパイさん。」  
KAITOはあたしの胸の感触を堪能する様に揉み、優しい声で自白へと促す。  
「言う…もんかぁっ、ひゃあっ!」  
KAITOがうなじを舐めてきて思わず大声を上げてしまった。  
「ほら、我慢していると苦しいだけだよ?それとも、もっと愛撫してほしいのかな?  
この身体の様にいやらしいんだね、君は。」  
彼の言葉に全身が一気に熱くなった。  
「違っ、ああんっ!」  
 
反論するや否や、乳首を摘まれた。指先に微妙なリズムを付け、揉み扱いていく。  
駄目、感じるぅ…あたしは今までスパイとしてどんな訓練・任務にも堪え、潜り抜けてきた。  
それなのに…今起きてる現実。我慢出来ず、この男の愛撫を感じてしまっている。  
これまで勝ち得た自信が脆くも崩れた。  
彼の愛撫は確実にあたしを追い詰め刺激した。次第に身体が疼き、震え、熱くなっていく。  
油汗が肌を伝い、涙が零れ…もう限界だった。  
「だっ、駄目ぇっ!ああっ、止めてぇっ!」  
あたしは泣きながら宙吊り状態で彼の愛撫から逃げようと暴れたが、  
それは相手の嗜虐心を煽るだけだった。彼の腕に力がかかる。  
「乳首弱いんだ。感じて可愛い顔しちゃってさ。ほら、止めてほしかったら自白  
するんだ。何処の組織だ?」  
優しい口調の中にある威圧感。その間も執拗にあたしの胸を愛撫し続けた。  
お願い、やめて…  
「言…え、な…あ、やっ…はあぁんっ!」  
次の瞬間、身体が跳ね、頭の中が真っ白になり電撃の様な感覚が走った。  
あたしは胸の愛撫だけでイッてしまった。力が抜けていく。  
「あ…あぁ…」  
「フフッ、イッちゃったか。でもまだまだこれからだよ?」  
そう言って彼は手を離し、部屋の隅にあるサイドテーブルへ向かった。  
絶頂に達した身体には力が入らず、疼きが止まらなかった。逃げたい…でも逃げられない。  
あたしは初めて快楽でいたぶられる恐怖に震えた。  
KAITOが戻ってきた。手には洋裁バサミが握られている。  
「さて、これから君が着ているライダースーツを切り刻むけど…自白してくれるのなら  
止めるよ?どうだい、スパイさん?」  
相変わらず優しい口調で言いながら、ハサミをあたしの目の前にゆっくり突き付けた。  
「言える訳…ないじゃない…」  
そう、スパイはどんな事があろうと口を割ってはいけない。義務なのだ。  
愛撫は感じてしまうけど、せめてこれだけでも守ろう…そう決めた。  
 
するとKAITOは肩を竦めながら溜息をついた。  
「そうか…じゃあ、切るから動くなよ。その綺麗な肌は傷付けたくないからさ。」  
「…変なところで優しいのね、あんた。」  
「仕事だからね。」  
そう言ってKAITOはあたしの服を切り刻んでいった。  
   
やがてあたしは一糸纏わぬ身になった。  
裸でいる恥ずかしさより、これから受けるであろう快楽でいたぶられる恐怖が胸の  
中を支配した。表情で悟られぬ様、顎を退き目をつぶる。  
「これだけやってまだ自白しないのか?俺も一応良心あるから正直辛いんだけどさぁ。」  
切り取った衣服をゴミ袋に入れながらKAITOがぼやいた。その言葉に思わず声を荒らげる。  
「だったらこんな事しないでよっ、変態っ!」  
するとKAITOはこちらを向いて答えた。その顔は寂しいくらい無表情で。  
「仕事だからね。さてと、わかっているとは思うけど…」  
片付けを終えたKAITOはあたしの背後に立ち、右手を下腹部へ回した。  
「自白する気は?」  
右手が下へと移動し、指の腹でクリを優しく撫であげる。  
「んぅ…同じ事、何度も…言わせないでよぉ…あっ。」  
敏感なところを撫でられ、震える身体で精一杯の強がりをみせる。  
でもそれも無駄なのはわかっていた。  
「ま、自白したくなったらいつでも言えよ。」  
そう言って、長くて無骨な指を二本あたしの膣内へ入れた。  
「あぁんっ!やぁ…はぁんっ!」  
あたしはKAITOの腕の中で快楽から逃げようと必死に身体をくねらせ暴れた。  
KAITOも負けじとあたしの身体を押さえている腕に力を入れ、足を絡ませる。  
「だったら自白するんだな。こんなに濡らして喘いで…本当にいやらしいね、君は。」  
あたしを小馬鹿にしながら、膣内の指をピアノのトレモロの様にゆっくり動かした。  
「あうぅっ!だっ、らめぇっ!ひぃっ!」  
「どうだい?ピアノで鍛えた俺の指捌きは?」  
KAITOの巧みな指捌きに秘処がキュウキュウしてきた。この人、凄いテクニシャンだ…  
 
秘処からはクチュクチュといやらしい水音が溢れ、愛液は太腿を伝っていく。  
「こんなに指を締め付けて喜んでいるじゃないか。もう一本増やそうか。」  
「…!や、やら、ああっ…」  
言うが早いか膣内に指を三本入れて動かした。悔しいけど、とても気持ちイイよぉ…  
再び足腰がガクガク震えだした。絶頂感があたしを襲う。  
「あっあぁんっイッ、イッちゃ…」  
「イけよ、淫乱なスパイさん。」  
KAITOはフフッと笑い、指を激しく動かした。  
「は…あ…ああぁんっ!!」  
先程より強い快楽が身体を貫き、あたしは意識を失った。  
   
目が覚めたのはベッドの上だった。両手はベッドの柵に縛り付けられている。そして  
いけ好かないあいつはベッドの端に腰を下ろしていた。あたしが失神している間に  
シャワーでも浴びていたのだろう。バスローブを身に纏っている。  
「目ぇ覚めたか。可愛いスパイさん。」  
ニィと笑いながら、あたしの身体に自分の身体を割り込ませた。  
はいはい、ヤるんでしょ。イチモツ突っ込んであたしより先にイッて…男なんて皆そうよ。  
今までそんなセックスばかりだったせいか、あたしはセックスに対して冷めている  
ところがある。そうでないとこの仕事はやってられない。任務成功の為ならどんな男とでも  
肌を重ねる。相手だって運が悪ければあたしに殺される。返って気が楽で好都合だ。  
そんな事を考えているとKAITOが顔を覗き込んだ。  
「…冷めてる顔してるねぇ。可愛い顔が台なしだ。」  
さっきからこいつ「可愛い」を連発して…ちょっとは嬉しいけど、あたしは自分で  
言うのも何だけど凄腕のスパイよ。馬鹿にしてるわ絶対。あたしは思わず聞いてみた。  
「…あんた、あたしを馬鹿にしてんでしょ。あたしを何だと思っているのよ?」  
「ん?あんな幼稚な罠に引っ掛かった、スパイに不向きな可愛い女性。」  
真面目な顔でしれっと即答。  
「…殺す、あんた絶対殺すっ!ついでにあの罠もブッ壊すんだからーっ!」  
 
 
 

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